日本、「慰安婦」を消す

3. 일본, 위안부를 지우다 : 네이버 뉴스

韓国MBC  2015.3.2

 

 日本軍「慰安婦」被害者の故・金学順ハルモニの証言を取材して、「慰安婦」の存在を世に知らしめた元・朝日新聞記者、太平洋戦争の韓国人被害者のために30年、裁判を手伝っている日本人弁護士、自分たちの恥ずべき歴史を直視して正していこうとする日本の中の良心勢力が、最近の過激な右翼団体から、これまでにない執拗で激しい脅迫と非難に苦しめられている。殺害の危機はもちろん、家族に対する脅迫まで。それでも、しなければならないことから目を背けないという彼らを通して、光復70周年の3・1節を迎えた私たちの姿を照らしてみる。

 

*ナレーション:

日本の最北端、北海道札幌市の北星学園大学。学生数4,200名余りの小さな学校です。ともすれば静かに見えるこの場所に、昨年から、学校を爆破するという脅迫電話が相次いでかかって来ています。脅迫犯の要求は、ここに勤務する一人の日本人講師を解雇しろというもの。当事者である講師にも、学校を辞めろという脅迫の手紙が浴びせかけられています。

植村隆(大学講師):

 (学校を辞めなければ)学生と大学関係者、そして私の家族に危害を加えるという内容でした。

*カン・ナリム記者:

 日本のある大学講師をめぐって繰り広げられる脅迫事件。ところが、聞いてみると、これは他所の国の話ではないのです。事件の始まりに私たちの痛ましい歴史、日本軍「慰安婦」問題があるためです。

*ナレーション:

 北星学園大学の非常勤講師、植村隆さん。講師として働く以前、彼は、日本の朝日新聞の記者でした。24年前の1991年8月、新聞記者だった植村さんは、取材のために韓国に来て、ある「慰安婦」ハルモニの証言が収められた録音テープを入手しました。17才で日本軍に騙され、「慰安婦」として連れて行かれたという内容でした。証言の主人公は、故・金学順ハルモニ。「慰安婦」の被害当事者が1人として自ら声を上げたことがなかった当時、金学順ハルモニは、初めて世間に姿を現した被害者でした。

*故・金学順ハルモニ(日本軍「慰安婦」被害者・1991年8月14日)

 捕まって連れて行かれたら、そんな目に遭いながらも、あまりのことに、胸が痛んで、言葉になりません。その時のことを思うと…

*ナレーション:

 意義のある内容だと判断した植村さんは、金学順ハルモニの証言を記事として書き、その時から「慰安婦」問題が、国内外で大きな注目を浴びはじめました。植村さんが韓国よりも先に「慰安婦」問題を世の中に知らしめたのです。

植村隆(元・朝日新聞記者、大学講師):

 金学順ハルモニが第1号だったのです。戦後、韓国で、「慰安婦」だったことを証言した最初の人物でした。韓国で、金学順ハルモニに続いて、「慰安婦」のハルモニたちが次々と証言をするようになりましたから、すごく大きな事件でした。

*ナレーション:

 それから23年が過ぎた昨年1月、植村さんは朝日新聞社を退職して、神戸のある大学で教授としての任命が内定していました。ところが、日本のある週刊誌に、ねつ造記事を書いた朝日新聞の元記者が大学教授になるという記事が掲載されました。1991年、植村さんが書いた金学順ハルモニについての記事が嘘だったと非難する内容でした。植村さんが行くことになっていた大学に非難の電話と手紙が相次ぎ、結局、教授の内定は取り消されました。

植村隆(元・朝日新聞記者、大学講師):

 大学側は、私が書いた「慰安婦」の記事が正しいのか誤りなのかは問題ではなく、「大学に脅迫が来た。過激な団体から攻撃を受けて、学生が巻き込まれる事態を避けたい」(と言いました)

*ナレーション:

 20年以上も前の「慰安婦」記事が、どうして今頃になって攻撃されるのか。昨年8月、朝日新聞は、以前の「慰安婦」記事の一部を取り消すことを明らかにしました。1990年代に吉田清治という日本人が、「自分が韓国人女性を強制連行して<慰安所>に連れて行った」と告白したのですが、遅れて、彼の証言は根拠が不足していたということで、十数件の関連記事を削除したのです。すると日本の右翼団体は、「慰安婦」記事全体がねつ造であり、「慰安婦」の存在自体がまったくデタラメであるかのように主張しだしたのです。甚だしくは、右翼の歴史学者たち8700名余りが、「<慰安婦>のために日本の名誉が傷つけられた」と言って、朝日新聞を相手に訴訟を始めました。

渡部昇一(上智大名誉教授、今年1月):

 これは日本の恥である、しかも根拠がない恥だということを、ぜひ知らせていただきたいです。

*ナレーション:

 朝日新聞が、「植村さんが書いた<慰安婦>記事は、何の誤りもない」と表明しましたが、植村さんに対してねつ造記者だと攻撃する空気は、収まるどころか、ますますひどくなっていきました。

植村隆(元・朝日新聞記者、大学講師):

 売国奴。出て行け。この学校から出て行け。日本から出て行け。「慰安婦」報道をしたから、嘘をついたから、大学の教授になることはできない。

*ナレーション:

 24年前の記事にも何の問題もなく、ましてや新聞社を退職したのにもかかわらず、なぜ唯一人、植村さんにだけ攻撃が集中するのか。理由を聞くと、彼は意外な話を切り出しました。

植村隆(元・朝日新聞記者、大学講師):

 「日本で金儲けをするな」、自分が好きな韓国に行って、韓国に帰化して…そして「義母に食べさせてもらえ」と書かれていました。

*ナレーション:

 どうして、だしぬけに義母の話が出たのか。植村さんの義母は韓国人。太平洋戦争犠牲者遺族会の会長、梁スニムさんです。遺族会は、1973年から、強制徴用と「慰安婦」問題などについて、日本政府を相手に賠償請求訴訟を行ってきた民間団体です。梁さんは、日本政府が「慰安婦」に関与したと公式に認めた「河野談話」を引き出した主役でもあります。1993年7月、日本政府の関係者が「慰安婦」ハルモニたちの証言を聞くために韓国を訪れ、梁さんは韓国人として唯一人、立会人の資格で参席し、当時の状況を映像に残しました。

*梁スニム会長(太平洋戦争犠牲者遺族会、1993年7月26日):

 証言の聞き取りの後に、双方でこの問題がより良くなるように…

*ナレーション:

 しばらくして、河野洋平官房長官が、「慰安婦」が強制的に募集され、その過程に日本政府が関与したという内容の「河野談話」を発表しました。

河野洋平(元・内閣官房長官、1993年8月4日):

 「慰安婦」の募集と移送、管理などにおいても、甘言と強圧によるもので、大体において本人の意思に反して行われました。

*ナレーション:

 このように、生涯、日本政府を相手に戦ってきた梁さんは、2011年、大きな危機を迎えました。補償金請求訴訟の準備過程で詐欺事件に巻き込まれ、3年にわたる裁判の末に、昨年、無罪が確定しました。その間、日本では、右翼団体が、この事件を口実に、梁さんと婿である植村さんをひとまとめにして批判しました。

*梁スニム会長(太平洋戦争犠牲者遺族会):

 うちの婿が、私のために「慰安婦」問題を手伝ったと言うのです。虚偽を。そして、うちの婿も詐欺だ、そう言って今…

*ナレーション:

 梁さんの裁判が行われている間、日本にいる植村さんの家族は、身辺の危機を感じるほどの窮地に追い込まれました。取材陣が植村さんに会うために日本の札幌まで訪ねて行った時も、彼の家はもちろん、町に行くこともできず、インタビューも極めて注意深く行いました。

植村隆(元朝日新聞記者、大学講師):

 ちょっと止めてください。撮影を止めてください。インタビューをしないで、深くインタビューしないで。大学の前では。そのことを知っておかないといけません。

*ナレーション:

 はなはだしくは、高校生の娘の写真までインターネットに公開され、日常生活が困難なほど家族が苦痛を受けています。

植村隆(元朝日新聞記者、大学講師):

 「自殺するまで追い込むしかない」と、17才の娘にこんな卑劣な言葉を言うのです。私はこの言葉を見た時、本当に涙が…涙が…

*カン・ナリム記者:

 日本の一部の右翼集団は、「慰安婦」の存在を否定することを越えて、歴史を正しく記憶して反省しようという内部の声を攻撃することまで始めました。日本で、いつの時よりも積極的に、歴史を消そうとする試みが行われているのです。

*ナレーション:

 日本の安倍総理は先月、日本軍が「慰安婦」を強制的に募集したという米国の歴史教科書が間違いであるとして、訂正しなければならないと表明しました。

安倍晋三(日本総理、2月6日):

 訂正しなければならないことを国際社会で正しくせず、このような結果が生まれました。

*ナレーション:

 すると、米国の歴史学者たちが、「慰安婦」についての記録を抑圧しようとする試みに驚愕を禁じ得ないとして、集団で声明を発表しました。それにもかかわらず、日本で最も発行部数が多い読売新聞が、「米国の教科書は間違いであり、河野談話の修正は避けられない」と主張するなど、「慰安婦」の歴史を否定する試みは、日本社会のあちこちで相次いでいます。このように右翼集の声が大きくなるほど、恥ずべき歴史を反省する動きは委縮しています。

日本の東京の「慰安婦」資料館。ここには、1日に数十件ずつメールが浴びせられます。「慰安婦」について嘲弄する言葉がほとんどで、火をつけるという脅迫もあります。

池田恵理子館長(女性たちの戦争と平和資料館):

 売春婦資料館と言って、インターネット上で誹謗と扇動をしています。「(資料館の)このあたりに火をつければいい」というような…

*ナレーション:

 「慰安婦」問題に関する講演会をしようとすれば、場所を借りるのにも苦労するそうです。

池田恵理子館長:

 講演会をする時も、タイトルに「慰安婦」という言葉が入っていると、「それは危険だ、右翼から攻撃されるから」と言って、「慰安婦」という言葉を隠して、女性の人権問題と言い直します。

*ナレーション:

 「慰安婦」をはじめとする韓国の戦争被害者のために30年間、裁判を手伝っている弁護士も、「売国奴」という非難と脅迫に苦しめられています。

*高木健一(弁護士):

 毎日のように夜中の2時になると電話がかかってきます。電話を受けると、何も言わずに切るのです。ところが、妻が電話を取った時は「殺すぞ」という話をしました。

*ナレーション:

 右翼集団がここまでして「慰安婦」問題を否定しようとするのは、それだけ恥ずかしい歴史であるためだと、専門家たちは言います。

*和田春樹(東京大名誉教授):

 「慰安婦」問題は、戦争に加担した日本の兵士300万人全員と関係のある問題です。だから、非常に恥ずかしく、辛い問題だと感じるのです。それを「隠したい、なかったことにしたい」という考えが(現れるのでしょう)

*ナレーション:

 先月、札幌。数百人の市民が講堂に集まりました。「植村を応援する会」という団体を作るために、自発的に集まった人々です。

植村隆

 私はねつ造記者ではありません。不当なバッシングに絶対に屈しません!

*ナレーション:

 右翼集団に立ち向かって、歴史を正しくしようとする日本人たちが力を結集しているのです。

*高木健一(弁護士):

 日本が過去の過ちがあるのなら、その過ちについて確認し、正面から向き合わなければいけません。この私を愛国者と言わずに売国奴と言うレベルの人たちは、考えが足りないと思います。

*シン・ヘラン(新大久保の商店経営者)

 日本人にそんな人たちがいるということも本当に有り難いし、そんな人たちは何か自覚している人だし、身の危険を感じながらもそうしてくれる人がいるのは、本当に有り難いです。

*ナレーション:

 紆余曲折を経ながらも恥ずべき歴史を直視し反省しようとする日本の内部の努力が、私たちにとって有り難いことは明白ですが、有り難がって終わることでもありません。今年で光復70周年。生きている証人は、一人、二人と世を去り、政府に登録されている「慰安婦」被害者のハルモニは、238人のうち53人が残っています。彼女たちの話を、今も、これからも刻んでいくことがなぜ重要なのか、痛ましい歴史を直接経験した人たちは語ります。

*梁スニム会長(太平洋戦争犠牲者遺族会):

 日本が歴史を歪曲すると言って、1回ずつ騒ぐでしょう?そうしては今、すーっと消えてしまいます。歴史というものは、一度跡が残れば、それは安倍がいくら元に戻そうとしても、それは間違って元に戻りはしないのです。二度と私たちのような苦痛、痛み、これが…再発しないように(残さないといけません)

*ナレーション:

 右傾化する日本社会を警戒することとは別に、歴史を記憶して記録することは、私たちにとってもっと重要なことです。日本が消して歪曲しようとする歴史を正しくすることは、誰も代わってくれない私たちの仕事だからです。