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【コラム】日本の10億円、必要ない(金昌録)

 

日本軍「慰安婦」関連の韓日合意の実体がより明確になった。去る12日、岸田外相はユン・ビョンセ外交長官と通話をした後に行なった記者会見で、日本政府が出す10億円は《医療と介護》のためのものだと明らかにした。

 

また、《少女の像問題の適切な解決に向けて日韓合意の着実な実施を要求》すると釘を刺した。マスコミの報道によると日本側は去る9日の韓日局長級協議で、《医療と介護》に限定して、《一つ一つ領収書を提出させる案》を出したという。また、日本側が《賠償金に該当しないということを確認したものとみられる》との報道も出た。

 

整理してみよう。第一に、10億円は「賠償金」ではない。政府は《事実上賠償金の性格》だと主張するが、金を出す側が賠償金ではないと言うのに、どうしてその金が賠償金になれるだろうか? 第二に、10億円は日本政府の同意を得なければ執行することができない金だ。政府は財団が決定できると主張するが、すでに金を拠出するという決定が出るまで局長級協議と外交長官の電話会談を経なければならなかったし、合意自体にも当財団の事業は《韓日両国政府が協力して》するようになっている。第三に、10億円は少女像の撤去のための誘い水だ。岸田外相が釘を刺したように、10億円の支出が完了すれば、《日本側の責務は終わったことになる》。当然、少女像について《適切に解決されるよう努力する》との合意を韓国側に守るように迫ってくるだろう。政府はずっと《少女像の問題は民間で自発的に行なった》ので、《政府で指図する事案ではない》と主張してきた。しかし、12日付外交部報道資料にも《両長官は合意の忠実な履行を再確認》したとなっている。10億円が来たら、政府は少女像撤去に乗り出さざるを得ない構造だ。

 

1965年の請求権協定で出された無償3億ドルの性格について日本政府は、《新しい国家の出発を祝う》心で与える「独立祝賀金」だとした。そして2015年の合意で出す10億円の性格については《医療と介護》に向けた「治癒金」だという。3億ドルにも10億円にも「加害者」は存在しない。「寛大な人道的支援者」がいるだけだ。それでも1965年には《貧しい大韓民国なのでしかたがない》と言い訳する余地はあった。しかし、今はそれさえも不可能だ。さらに、今回は《一つ一つ関連の領収書を提出》しろと要求する、本当に几帳面な「人道的支援者」でもある。

 

日本軍「慰安婦」韓日合意が誤ったものであるという事実はすでに明白に確認された。日本から10億円を受ける名分も実利も理由もない。朴槿恵大統領は《慰安婦問題は、歴代政府では一度もまともに扱っていない》とした。 しかしこれは事実ではない。金泳三政府は被害者を支援するための法律を制定した。金大中政府は日本の国民基金を拒否する被害者を積極的に支援した。盧武鉉政府は日本軍「慰安婦」問題は《反人道的不法行為》に関するものなので請求権協定にもかかわらず、《日本政府の法的責任が残っている》と宣言した。

 

歴代政府の措置はこの4半世紀の間、「真の解決」を訴えてきた高齢の被害者たちと、彼女らの訴えに応えた世界中の市民たちの献身的な努力の結果だ。10億円の《治癒金」を受けて済む問題だったら1995年国民基金の「慰労金」で解決したはずだ。それを拒否して20年以上「公式謝罪と法的賠償」を叫んできた被害者らの悲痛な叫びを「和解と治癒」という似合いもしない美名のもとでごまかそうとするのは、単に「没歴史」なだけだ。

 

10億円は必要ない。間違った合意のために絶えず浮き彫りになっているこのすべての議論は、当初から必要ない。大韓民国の法律によって、大韓民国の予算で被害者たちを支援して記念事業をすればいい。11兆ウォンの補正予算を審議する国会がそのうち100億ウォンを日本軍「慰安婦」問題に割り当てれば、それですべて終わる議論だ。

  

[시론]일본의 10억엔, 필요 없다 - 경향신문