ニューヨーク・タイムズ「北朝鮮、狂うどころかとても理性的」(聯合ニュース)

 

専門家たち、《弱小国が自己保護・国家利益を守る行動》

北朝鮮が核実験やミサイル発射など、相次ぐ挑発を強行する背景には生存のための理性的な思考があるという分析が出た。

ニューヨークタイムズ(NYT)は10日(現地時間)「北朝鮮は狂うどころかとても理性的だ」というタイトルの記事で北朝鮮の挑発の根底にある原因を分析した。

戦争の脅威と間欠的な韓国攻撃、風変わりな指導者、無謀な宣伝などを見ると、北朝鮮が非理性的な国家なのか、またはそんなふりをしているのか疑問になる時が多い。

最近の北朝鮮の5回目の核実験で、北朝鮮の非理性的態度が再び俎上に上がったが、政治専門家らは概して「北朝鮮は極めて理性的な国家」という答えを出している。

国家が理性を備えたということは指導者が常に最高かつ最善の道徳的選択をするということを意味はしない。自己保護を最優先に置き、国家利益に沿うのが理性的な行動だと専門家らは解説する。

弱く孤立した国家である北朝鮮が、弱肉強食の国際社会の中でいつ屈服させられるかも知れないという不安から、「好戦性」カードを理性的に切ったと分析した。

アメリカ南カリフォルニア大学の政治専門家デビッド・C・カンは、北朝鮮の指導者たちの国内外での行動が嫌悪感を抱かせることがあっても、理性的に自国の利益をよく考えていると強調した。

金正日時代の2003年に報告書を通じて上記の通り主張したが、金正恩が政権を執った今も有効な分析だと説明した。

専門家のデニー・ロイ(イースト・ウェスト・センター北東アジア政治・安全保障問題)も「「狂人国家」や「無謀な攻撃」などの北朝鮮に貼るレッテルが自国の利益を守るのに効果がある」と話した。

専門家たちは「狂人理論」(Madman Theory)で北朝鮮の行動を説明した。好戦性と予測不可能性で武装し、敵に狂人と見せることで交渉を有利な局面に導こうとするという論理だ。

NYTは「残酷性と冷静な計算は相互排他的なものではなく、互いに協調関係にある」と伝えた。

朝鮮半島を一触即発の戦争危機状態に追い込むことが、北朝鮮が体制維持のための唯一の方法として見ているという指摘が多い。

米国のイラク侵攻などを目撃した北朝鮮は米軍基地と韓国を先制攻撃できるという能力を見せなければならなかった。この過程で北朝鮮は核プログラムをアメリカの侵攻から脱することができる手段として掲げた。

NYTは北朝鮮の戦略が《力の弱い国家が大国を敵として向かい合ったとき、平和を実現するための理性的な方法》だと分析した。

NYTはまた、北朝鮮が核プログラムに執着するしかない理由を軍事と政治的な側面から分析した。

公式的には停戦状態である朝鮮半島で北朝鮮は、旧ソ連の崩壊で冷戦体制がなくなると危機に追い込まれた。また唯一後ろ盾である中国が西側との関係増進に乗り出し、北朝鮮の孤立感はさらに大きくなった。

韓国が1990年代に入って民主化と経済の繁栄が本格的に行われ、北朝鮮の立場もますます弱まった。

北朝鮮指導部はこれに先軍政治で突破口を開けようとした。敵の軍事的脅威により、経済的貧困と反逆者処断などは北朝鮮住民たちにとって受け入れなければならない要因として認識された。

NYTは、先軍政治を土台にした核実験とミサイル発射は、不規則で時には失敗もしたが、国際社会の危機感増幅と自国の利益を得る上で効果的だったと解説した。

 

[原文] <北 핵실험> NYT "북한, 미치기는커녕 너무 이성적"

※ [New York Times] North Korea, Far From Crazy, Is All Too Rational