アムネスティ、「ハン・サンギュン委員長の懲役刑、不当で恥ずかしい」(2016年7月4日)

 

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有名な労働組合指導者に下された5年の懲役刑は、韓国で平和集会の自由権に対して韓国政府がどんな攻撃を行っているかを示していると、アムネスティ・インターナショナルが発表した。

 

月曜日に韓国ソウル中央地裁は、ハン・サンギュン韓国民主労総委員長に多くのデモの主催者としての彼の役割について有罪を宣告した。その中で最もよく知られているのが、2015年11月14日に概ね平和的に行われた「民衆集会」であった。


「ハン・サンギュンは平和な反対意見に対する韓国政府の無慈悲な弾圧を受けた犠牲者だ。彼に対する有罪判決は不当で恥ずべきことだ」と、アムネスティ・インターナショナル東アジア調査官アーノルド・ファンは述べた。


「今回の判決は、今後のデモ主催を阻止することにより、平和集会を行う自由と権利を萎縮させる効果がある。主催者は、いかなる場合にも平和デモを悪用した者の行為に責任を負うべきではない。」

 
8年の懲役刑を求刑した検察は、労組指導者としてのハン・サンギュンの行動がただの個人的行動というより、民主労総の「犯罪」行為であり、より広い意味での労働運動と見なければならないと主張した。

 

数万人のデモ参加者が昨年11月、政府に反対する「民衆集会」に参加し、ここで警察がデモ隊と衝突した。おおむね平和だったデモの間、警察はデモ隊に傷害を負わせる放水銃を含む過剰公権力を使用した。報道によると、少数のデモ参加者が鉄パイプと鋭い竹の棒で武装していた。


平和集会は、幾人かの個人の不法行為または暴力により、その平和的な特性を失わない。もし少数のデモ隊が暴力的な方法で行動する場合、警察は公共の秩序を守る過程で、彼らとそうでない人々を区別する必要がある。


2015年12月の民衆集会から25日間ソウルの寺で避難した後、自ら進んで出頭したハン・サンギュンを警察は逮捕した。ハン委員長は、公務執行妨害と交通妨害罪で起訴された。


労組指導部と労組員や他のデモ参加者の逮捕と拘禁は、ハン・サンギュン委員長のみに制限されなかった。 500人以上の民主労総組合員が集会参加の理由で警察に召喚され、現在までに13人がその集会参加に対して有罪を宣告され、8ヶ月から18ヶ月の懲役刑を受けた。

 

「自分たちの意見を平和的に表現したという理由だけで拘禁されたすべての人々はすぐにそして無条件に釈放されるべきである。韓国政府は、表現の自由と平和集会の権利を実行したという理由で人々を拘束することを中断する必要がある」とアーノルド・パンは述べた。

 

2016年1月、平和的デモと結社の自由の権利のために国連特別報告官マイナーキアイは韓国訪問後のレポートで、一般交通妨害のような罪状によりデモ参加者を起訴することは、事実上平和的結社の権利を犯罪と扱っているに等しいと記述した。

 

【出典】

● South Korea: Five year sentence against union leader a chilling blow to peaceful protest | Amnesty International

● 국제 앰네스티, “한상균 위원장 징역형, 부당하고 부끄러워” | TheNewsPro, 뉴스프로