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朝鮮の教科書をスキャンしたDVDを6万円で販売する、アジアプレス石丸次郎氏への質問について

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  朝鮮の教科書をスキャンしたDVDを6万円で販売する、アジアプレス石丸次郎氏宛に記された、ある方のFacebook投稿より転載します。
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アジアプレス 石丸次郎  
 アジアプレスが、朝鮮民主主義人民共和国の教科書をスキャンしデジタル化したDVDを200部制作し、1部を6万円で販売するとホームページで案内されています。
 石丸さんのDVD商品告知投稿 に、著作権者に了解を得ているか一昨日に質問しましたが、ご返答をいただけなかったことから、了解を得ていないと理解しました。
 商品のDVDを全て売り切れば1200万円の売上になりますが、著作権を持つ朝鮮の教科書制作機関には一銭も対価が支払われないのではないでしょうか。
 また書籍をデジタル化することは、不正に情報流通がされる危険がありますが、不正流通を防止する対策をどのように行っているのでしょうか。
 アジアプレスのDVD商品販売は、刑事罰対象として逮捕された業者のDVD商品販売との質的な違いが見当たりません。
 朝日新聞2016年11月30日記事 より引用します。
《人気漫画をスキャンして複製し、不正に販売したとして、京都府警は30日、書籍電子化代行業、木下裕喜容疑者(35)=京都市左京区下鴨南野々神町=を著作権法違反(複製権の侵害など)の疑いで逮捕し、発表した。
生活経済課によると、木下容疑者は4~7月、漫画「坂本ですが?」「アフォガード」の計16冊を電子データに複製したほか、4月には同様に「るろうに剣心」「進撃の巨人」など計48冊を処理し、男女2人にDVD計3枚を約5700円で販売した疑いがある。》 
 アジアプレスの今回の商品は、逮捕された業者より高額で大量なことから、さらに悪質と感じますが、著作権を侵害する商品を公費で購入すると表明された研究者がいることにも驚かされます。朝鮮に対しては、著作権侵害に加担しても許されると思われているのでしょうか。
 石丸さんは、刑事罰に問われた販売と同質で、著作権者より賠償請求をされたら申し開きができないことを行われながら、2011年の最高裁の不当な判決(*1)(*2)により、その罰から逃れられると考えておられるのでしょうか。
 しかし著作権を侵害した販売行為が、ジャーナリスト倫理にもとると思われないとすれば、ジャーナリストを自認される資格を疑います。
 教科書資料集のDVDは、明日の2月20日から渡す予定だと商品紹介ページに記されていますが、石丸さんは著作権を侵害したこの商品販売をそのまま推し進められるつもりでしょうか。
 

 

 

【記者コラム】こんな無罪とは…朴裕河の場合(京郷新聞)

朴裕河「帝国の慰安婦」

 

昨年、平壌で第7回労働党大会を取材中だったBBCの記者が金正恩労働党書記の失礼な報道をしたという理由で3日間抑留された。同じ頃に日本の産経新聞記者も、朴槿恵大統領に関する記事のために8ヶ月間抑留された。名誉毀損と出国禁止という法律用語を使ったが、本質は変わらない。

 

名誉毀損、この言葉が否定的に感じられるのは、政治権力が不当に使用しているためだ。政権は権力監視を個人攻撃だとして、損害賠償を要求し刑事罰を試みる。しかし、名誉毀損罪の罪罰を問うこと自体は悪ではない。名誉毀損は憲法が保障した人格権の侵害であり、人格権は表現の自由に劣らない基本的権利である。

 

言論(著述)による名誉毀損は、何によっても違法である。米国と英国では厳重な損害賠償責任を負う。数十億ウォンの懲罰的損害賠償が認められることも数多い。ドイツとフランスであれば、損害賠償に加え刑事犯として処罰される。ただし公益の目的があり、真実であれば責任を逃れる。真実の発見だけが人格保護より優先される。

 

朴裕河・世宗大教授の1審裁判が終わった。 『帝国の慰安婦』により慰安婦の名誉を毀損したとの民事と刑事裁判だ。まず、2015年民事裁判所が著書表現の削除要求を認め、2016年には慰安婦被害者に対する損害賠償を命じた。先月、刑事裁判所が名誉毀損容疑で無罪を宣告した。朴教授は「賢明な判断だ」と述べた。

 

問題の本もそれに反論した本も繰り返し読んだ私は、無罪判決文を求めた。名誉毀損を認めた2つの民事判決からどのように突破したのか気になったからだ。被害者が存命する歴史的事実をどこまで記述することができるかどうか、裁判所は厳しく論証するはずだった。アメリカ、ヨーロッパ、国連が関与した世紀の出来事であり、表現の自由に関する世界の裁判である。

 

判決文に目を疑った。これといった論証がなに一つ見あたらなかった。すべての叙述は、事実(fact)と意見(opinion)に分けられる。事実は、真実(truth)と虚偽(false)に分けられる。名誉毀損は、事実、つまり虚偽を記述した場合に該当する。意見は刑事処罰の対象ではない。しかし現実は、事実と意見が入り乱れた場合が数多くあり、そのため判事は事例を調査し、判例を研究する。

 

先に行われた2つの民事裁判は熱気があった。 2015年の名誉毀損表現の削除が要求された裁判では、民事裁判所は34箇所で(虚偽)事実と名誉毀損があるとした。 2016年の損賠賠償の裁判でも同様の作業を経て、名誉毀損と人格権の侵害を認めた。刑事事件は、すでに認定された34箇所を含めた35カ所の名誉毀損について争った。ところが、裁判所は30ヶ所を単純な意見だとした。論証はしなかった。

 

イ・サンユン裁判長は35ヶ所の表現が真実なのか虚偽であるかを分けもせず、歴史記述の限界点を明らかにもしなかった。そして判決文にはこう記された。 「不明瞭な概念や抽象的であいまいな表現、前後矛盾したものと見られる記述などが多数発見されたことなどに照らしてみると(中略)、被害者に対する既存の社会的評価に有意なほどの負の影響を与えることは難しい。 」

 

大雑把に言えば、朴教授の粗い研究と難解な表現のために名誉毀損を行うことに失敗したということだ。そのためか、「性急な一般化、過度な飛躍、論理誤謬」などの学界の評価も裁判所は認定した。こんなにも簡単な判決で、歴史的な紛争が整理されるのだろうか。


「名誉を保護してくれるとの信頼がない社会では、人々が意思形成過程に参加することを躊躇する。このような社会での表現の自由とは、他者を考慮せずに自身の意見を貫徹しようとする、個人等の専有物となる危険性がある。」これは、法科大学の憲法教科書の「表現の自由」についての解説である。結論に1行無罪と記すだけで、表現の自由が保護されるわけではないのだ。

 

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社会部 イ・ボンジュン

[原文] [기자칼럼]이런 무죄라니, 박유하의 경우 - 경향신문

 

「少女像撤去」の立場の民団...駐日大使「慫慂」論議

日本軍「慰安婦」問題

[アンカー]

駐日韓国大使が在日同胞団体の民団に、少女像撤去を要求するように直接要請したものと明らかになりました。

日本の安倍政権と同じ主張を行うことが、韓国大使として正しいことなのか、議論が起きています。

イ・ジョンホン特派員です。

 

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[JTBCニュース動画]「少女像撤去」の立場の民団...駐日大使「慫慂」論議 [日本語字幕]

 

[記者]
先月18日付のイ・ジュンギュ大使のフェイスブックです。
「在日同胞の被害は現在進行形である。大使として痛みを無視することはできない」と民団が少女像撤去を要求したという記事を掲載しています。
 
しかし先月6日、この大使が立場発表を先に要請したとの証言がありました。
 
民団中央本部の関係者:「あなたが(少女像問題の被害)直接当事者として声を出していただくのが、全体的な努力の一つになると...」
 
実際、民団はその1週間後、「慰安婦少女像をなくすということが、100万在日同胞の共通考えだ」と明らかにしました。
 
金富子・東京外国語大学大学院教授:「駐日大使館が民団を通じて政治的介入をしてはなりません。なぜなら、在日同胞社会にも様々な声もありますので。」
 
1年に80億ウォンの政府支援を受けている民団は悪化した日韓関係の打開のためのものだったと説明しました。
 
大使の要請を民団が拒絶するのは難しいのが現実だとの指摘もあります。
これをよく知っている大使が、少女像撤去を要求するようにしたのは適切でなかったという批判が出ています。

東京から、JTBC イ・ジョンホンでした。
 
※「慫慂」:他の人が勧めてそうするように仕向けること。
 

【出典】[JTBC] "소녀상 철거" 입장 낸 민단…주일 대사 '종용' 논란
http://news.jtbc.joins.com/article/article.aspx?news_id=NB11413428

「履行vs無効」…韓日慰安婦合意、「論難の1年」

日本軍「慰安婦」問題

「合意履行」に忠実な韓日政府…「合意無効」を叫ぶ被害者ハルモニたち

マネートゥデイ 李ゴニ記者  2016.12.24

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来る28日は、「韓日慰安婦合意」がなされてから満1年になる日だ。写真は平和の少女像に毛糸の帽子とマフラーが着せられている様子。 

 

 昨年12月28日、韓国と日本は外交長官会談を開き、日本軍慰安婦問題を「不可逆的に」解決しようという合意をした。妥結のニュースが伝わると、被害者の李容洙(イ・ヨンス)ハルモニは「合意の結果を無視する」と憤激した。

 しかし、両国政府はこれを無視して、合意事項を履行した。被害者のハルモニたちを中心とする市民社会は、合意に反発した。1年が過ぎた。今月28日は、慰安婦合意が妥結して満1年になる日だ。

 当時、合意の主な内容について日本側は、△責任を痛感△慰安婦被害者の支援をする財団の設立などを表明した。韓国側は、△日本政府の措置に協力△駐韓日本大使館前の少女像の適切な解決などに言及した。両国の共通点としては、「合意事項を実施することを前提に、慰安婦被害者問題が最終的および不可逆的に解決すること」を宣言した。

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金テヒョン和解・癒し財団理事長が去る7月28日午後、「和解・癒し財団発足理事長記者懇談会」を終えて移動していた途中に、1人の男性からカプサイシンを浴びせられて苦しんでいる様子。

〇「着実な合意の履行」…日本の出資金で財団を設立し、一部の被害者に出資金の支給までした韓国政府

 韓国政府は、合意の当日、朴槿恵(パク・クネ)大統領のメッセージを通じて「内容を忠実に履行する」という意思を確認した。3日後、大統領府は、「両国が共に未来へと進んでいく契機になるよう、大局的な次元で理解してほしい」と再び表明した。

 半年が過ぎた5月31日、韓国政府は、財団設立準備委員会を発足させた。それから2か月後の7月28日、「和解・癒し財団」が正式に発足した。

 財団の発足後、日本から出資金を受け取り、被害者の一部に現金が支給されるまでかかった時間は、約4か月だった。去る9月1日、日本政府は、合意に伴う10億円(当時のレートで約108億ウォン)を韓国に送金した。

 これを受けて和解・癒し財団は、政府が認定した日本軍慰安婦被害者238人を対象に、現金支給額を決定した。生存する被害者には総額1億ウォン、死亡した被害者には総額2000万ウォン規模の現金が支給される方式だった。

 支給の決定の当時、挺身隊問題対策協議会(挺対協)の「安らぎの家」と「ナヌム(分かち合い)の家」などの被害者支援施設に滞在している10数人の被害者ハルモニは、「受領拒否」の立場を表明した。

 和解・癒し財団は、去る11月16日に「昨年の合意当時46人だった国内の生存被害者ハルモニのうち、23人に出資金を支給した」と発表した。続いて今月23日には、「先月出資金を支給した方々を含め、合計34人のハルモニが受領の意思を表明した」と伝えた。

 韓国政府は、「合意履行」の態度を維持し続けてきた。去る10月に発行された外交白書では、「(昨年に妥結した合意が)被害者の要求と願いが最大限に反映されるよう、交渉に最善の努力を尽くした結果」だと評価した。

 今月15日にも外交部は、定例会見で合意履行の立場を再確認し、18日に黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行国務総理も、慰安婦合意について「変動はない」という立場を表明した。

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朴槿恵大統領と安倍晋三首相が9月7日午後(現地時間)、ラオスのビエンチャン国立コンベンションセンターで首脳会談を行っている。

〇「強制性を否定」…合意後、歴史を書き換えようとする日本政府

 韓日慰安婦合意の直後、安倍晋三首相は、「のちの世代に謝罪という宿命を負わせることはできない」と言った。これは、日本政府が慰安婦の強制性を否定する動きへとつながった。去る2月17日、日本政府は、国連女性差別撤廃委員会の会議で、慰安婦動員の強制性を否定したうえで「事実関係を話しするにとどめる」という一方的な立場だけを表明した。

 歴史教科書の記述の変化もあった。去る3月に日本で検定を通過した教科書の一部には、「慰安施設には朝鮮・中国・フィリピンなどから女性が募集された」などの強制性を除外した文章が含まれていた。

 約束した出資金10億円を送金した日本政府の態度は、いっそう大胆になっていった。安倍首相は、去る9月7日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた朴大統領との首脳会談で、「平和の少女像の撤去」を要求したのに続いて、10月7日に韓国で謝罪の手紙を送れという要請が起きると、「毛頭考えていない」と一蹴した。

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去る11月16日に開かれた「第1257回日本軍慰安婦問題解決のための水曜デモ」に参加した被害者ハルモニと市民たちの様子。

〇「忘れない」…慰安婦被害者ハルモニと連帯する市民社会

 慰安婦被害ハルモニをはじめとする市民社会は、韓日慰安婦合意に強く反発してきた。被害者ハルモニたちは「日本軍慰安婦問題佳克のための水曜デモ」(水曜デモ)と記者会見、インタビューなどを通じて、「日本政府の公式謝罪」と「法的賠償を通じた名誉回復」を要求した。90歳前後の高齢のハルモニたちの要請には、いつも「最後まで戦う」という内容が含まれていた。

 大学生は、昨年12月30日から、「合意無効」を叫んで、ソウル中区の旧日本大使館前の少女像の横で座り込みをして、「平和の少女像守護隊」を自称している。彼女たちは、今年12月21日時点で358日目の座り込みを続けている。

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「少女像防衛隊」に名乗りを上げた大学生が記録している日程のホワイトボード。

 全国、全世界に少女像を建立する動きも相次いだ。2016年だけで20数個の少女像が全国に建立され、最近ではオーストラリアのシドニーと中国の上海にも建てられた。

 去る2月には、慰安婦被害者問題を扱った趙廷來(チョ・ジョンネ)監督の映画「鬼郷」が封切られた。鬼郷は、7万5000人を超える市民がクラウドファンディングを通じて募金した製作費で14年ぶりに完成した映画だった。これに358万人の市民が観覧して興行旋風を巻き起こした。

 毎週水曜日の昼12時に、ソウルの日本大使館前の少女像付近で挺対協が主催する水曜デモが行われる。慰安婦合意によって、24年以上毎週行われてきた水曜デモには、「適切な謝罪と賠償のない韓日慰安婦合意を即刻破棄せよ」というスローガンが加わった。去る21日に300人以上が参加した第1262回水曜デモでも、参加者は依然として同じスローガンを叫んだ。

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水曜デモで発言する尹美香挺対協常任代表

 特にこの日、尹美香(ユン・ミヒャン)常任代表は、今月28日に開かれる水曜デモが韓日慰安婦合意の満1年になる日であり、今年最後の集会だという事実を発表した。 尹代表は、「毎年、最後の水曜デモの時には、その年に亡くなったハルモニたちを追悼する時間を持ってきた」と述べ、「今年は、亡くなった7人のハルモニを記憶するために、花を一輪ずつ供えに来よう」と提案した。 

 そして、「たとえハルモニたちが話せなくなって覚えてなかったとしても、私たちが記憶している」と述べ、「次の集会の時に慰安婦合意の無効宣言をしよう」と参加を促した。

www.mt.co.kr

 

ハン・サンギュン民主労総委員長に控訴審も有罪判決、平和デモ権利に対する弾圧(アムネスティ)

 

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アムネスティ・インターナショナルは、今日(12月13日)の控訴審裁判部がハン・サンギュン民主労働組合総連盟(民主労総)委員長の刑量を軽減しただけで、韓国政府の平和的集会の権利に対する不寛容な態度が変わったわけではないと明らかにした。

 
裁判所は、2014〜2015年の間に、一連のデモで公の秩序に関連する違法行為と、問題のある法律である集会およびデモに関する法律を違反したと、1審を減軽した懲役3年と罰金50万ウォンを委員長に宣告した。この判決で委員長が主催した一連の反政府デモで警察との散発的な衝突があったことについて委員長の責任を認定した。

 

ロジェン・ライフ(Roseann Rife)アムネスティ東アジア調査局長は、「全体的に平和的だったデモの主催者の一人という理由だけで、ハン・サンギュンが少人数の暴力行為に対する刑事責任を受けてはならない」と述べた。

 

ライフ調査局長はまた、「ハン・サンギュン起訴と有罪判決を維持は、当局が平和的集会の権利に対する不寛容を表わしている」と付け加えた。

 

ハン・サンギュン民主労総委員長は、7月に1審で懲役5年を宣告された。

検察はハン委員長が、警察とデモ隊の衝突があった2015年11月の反政府デモである「民衆総決起大会」の主催者として果たした役割に言及した。警察は、当時の全体的に平和だったデモに対して、放水を含む過剰な物理力を使用した。当時、警察の物理力の使用でデモ隊の中で負傷者が発生し、そこには至近距離で警察の放水銃を受け、最終的に死亡したペク・ナムギ農民も含まれる。

 

一年以上にわたり、当局はこの事件について徹底的な公開的な捜査を終えなかったったし、指揮官の責任についても追及したことがない。

同じ期間に検察が「民衆総決起大会」の参加者を司法処理した件数は100件を超えており、裁判所から懲役刑を宣告された人は数十名に達する。ハン委員長のほか収監されている民主労総組合員の数は5人いる。

 

ライフ調査局長は、「ハン・サンギュン事件が処理された速度は、ペク・ナムギ農民の負傷や死亡につながった物理力使用に対する捜査が遅れていることと対象的で、それは政府がペク・ナムギ農民と遺族に対して正義を実現させる意志があるのか​​を疑わせる」と指摘した。

 

ハン委員長は、人権活動家パク・レグンと前国会議員イ・ソクギなどと同様に、表現の自由や平和的集会の自由についての権利を正当に行使したという理由で、不当に起訴され懲役刑を宣告された。

 

今回の控訴審判決は、最近数週間に朴槿恵大統領に大規模な平和的なデモが続いている中で行われた。デモは、人権問題を含めて、様々な問題を提起幅広い市民社会の参加により行われている。

 

ライフ調査局長は、「最近、警察がデモ対応で自制心を見せているが、当局はこれが日和見主義的な政治的戦略以上であることを示す必要がある。それを示す明確なサインは、デモ主催者に対する不当な起訴を停止することだ」と述べた。

 

 【出典】한상균 민주노총 위원장 항소심도 유죄 판결, 평화 시위 권리에 대한 또 다른 공격 

    https://amnesty.or.kr/16169/

アムネスティ、「ハン・サンギュン委員長の懲役刑、不当で恥ずかしい」(2016年7月4日)

 

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有名な労働組合指導者に下された5年の懲役刑は、韓国で平和集会の自由権に対して韓国政府がどんな攻撃を行っているかを示していると、アムネスティ・インターナショナルが発表した。

 

月曜日に韓国ソウル中央地裁は、ハン・サンギュン韓国民主労総委員長に多くのデモの主催者としての彼の役割について有罪を宣告した。その中で最もよく知られているのが、2015年11月14日に概ね平和的に行われた「民衆集会」であった。


「ハン・サンギュンは平和な反対意見に対する韓国政府の無慈悲な弾圧を受けた犠牲者だ。彼に対する有罪判決は不当で恥ずべきことだ」と、アムネスティ・インターナショナル東アジア調査官アーノルド・ファンは述べた。


「今回の判決は、今後のデモ主催を阻止することにより、平和集会を行う自由と権利を萎縮させる効果がある。主催者は、いかなる場合にも平和デモを悪用した者の行為に責任を負うべきではない。」

 
8年の懲役刑を求刑した検察は、労組指導者としてのハン・サンギュンの行動がただの個人的行動というより、民主労総の「犯罪」行為であり、より広い意味での労働運動と見なければならないと主張した。

 

数万人のデモ参加者が昨年11月、政府に反対する「民衆集会」に参加し、ここで警察がデモ隊と衝突した。おおむね平和だったデモの間、警察はデモ隊に傷害を負わせる放水銃を含む過剰公権力を使用した。報道によると、少数のデモ参加者が鉄パイプと鋭い竹の棒で武装していた。


平和集会は、幾人かの個人の不法行為または暴力により、その平和的な特性を失わない。もし少数のデモ隊が暴力的な方法で行動する場合、警察は公共の秩序を守る過程で、彼らとそうでない人々を区別する必要がある。


2015年12月の民衆集会から25日間ソウルの寺で避難した後、自ら進んで出頭したハン・サンギュンを警察は逮捕した。ハン委員長は、公務執行妨害と交通妨害罪で起訴された。


労組指導部と労組員や他のデモ参加者の逮捕と拘禁は、ハン・サンギュン委員長のみに制限されなかった。 500人以上の民主労総組合員が集会参加の理由で警察に召喚され、現在までに13人がその集会参加に対して有罪を宣告され、8ヶ月から18ヶ月の懲役刑を受けた。

 

「自分たちの意見を平和的に表現したという理由だけで拘禁されたすべての人々はすぐにそして無条件に釈放されるべきである。韓国政府は、表現の自由と平和集会の権利を実行したという理由で人々を拘束することを中断する必要がある」とアーノルド・パンは述べた。

 

2016年1月、平和的デモと結社の自由の権利のために国連特別報告官マイナーキアイは韓国訪問後のレポートで、一般交通妨害のような罪状によりデモ参加者を起訴することは、事実上平和的結社の権利を犯罪と扱っているに等しいと記述した。

 

【出典】

● South Korea: Five year sentence against union leader a chilling blow to peaceful protest | Amnesty International

● 국제 앰네스티, “한상균 위원장 징역형, 부당하고 부끄러워” | TheNewsPro, 뉴스프로

 

「日本軍、朝鮮人女性30人銃殺」慰安婦虐殺記録の原本発見(京郷新聞)

日本軍「慰安婦」問題

 

・存在と一部の内容だけが知られていた「米中連合軍作戦日誌」の実物、初めて確認
・ソウル大人権センター研究チーム、米文書記録管理庁の現地調査を通じて発掘
・慰安婦証言に立証文書出現…「虐殺否定」の日本政府への反論根拠に

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日本軍の慰安婦銃殺を記録した中・米連合軍作戦日誌。(ソウル大学人権センター研究チーム提供)

 

「(1944年9月)13日夜(脱出に先立ち)日本軍が省(中国、雲南省腾冲)内にいる朝鮮人女性30人を銃殺した。(Night of the 13th the Japs shot 30 Korean girls in the city).」

 

日本軍による朝鮮人慰安婦虐殺の事実を記録した米中連合軍文書の原本が発掘された。これまで日本政府は、慰安婦被害者ハルモニたちの証言にもかかわらず、虐殺を実証的に立証する文書を要求しながら虐殺説を否定してきた。虐殺された慰安婦の死体が写された写真に対しても、米中連合軍の砲撃および爆撃で犠牲になったか自決したという立場をとっている。

 

慰安婦「虐殺」文書を発掘・公開したソウル大学人権センター研究チームは、ソウル市の支援を受けて去る7~8月、アメリカ国立文書記録管理庁の現地調査を実施して慰安婦資料113件を収集した。類型別にみると、日本軍捕虜尋問報告書をはじめとして日本軍捕獲資料の翻訳本、陸海軍情報および作戦報告書、捕虜収容所名簿および送還船乗船名簿資料などである。研究チームは去る4日、ソウル大で中間報告ワークショップを開き、資料発掘の内容と研究成果を発表した。

 

「捕虜収容所と日本軍慰安婦の帰還」をテーマに発表したイ・ジョンウン研究責任者(聖公会大東アジア研究所HK研究教授)は、「日本軍は敗戦直後、それまで連行していた慰安婦女性たちの存在を隠すために遺棄し、その最も極端な形態は虐殺であった」としながら、虐殺の根拠として日本軍の慰安婦女性30人銃殺を記録した中国・雲南遠征軍の1944年9月15日付作戦日誌を公開した。雲南遠征軍は同じ年の6月から中国-ミャンマー国境地帯である中国・雲南省松山と腾冲の日本軍占領地に対する攻撃を開始して9月7日に松山を、1週間後の14日に腾冲を陥落させた。日本軍の慰安婦銃殺は腾冲陥落直前の13日夜、脱出に先立ち実行された。

 

f:id:eastasianpeace:20161107150247p:plain軍が設置した第1沖縄捕虜収容所。ベ・ポンギさんをはじめとする朝鮮人慰安婦被害者の女性の多くがここで過ごした。(ソウル大学人権センター研究チーム提供)

 

韓国内で日本軍「慰安婦」問題が本格的に公論化されたのは1990年代初期からだ。しかし学問の研究成果は被害者ハルモニの証言を集める水準に留まっていた。研究の基本ともいえる資料収集もきわめて制限的であった。在米史学者パン・ソンジュさん(82)の努力で、慰安婦関連のアメリカの資料が言論を通じて単発的に公開されたが、後続の研究は不十分だった。慰安婦女性30人銃殺を記録した作戦日誌も1997年、パンさんを通じて国内に初めて存在が知らされたが、文書の所蔵先は確認できなかった。知らされた内容も日誌全体の一部に過ぎず、関連論文も出てこなかった。その作戦日誌原本の実体を確認したのは、今回が初めてだ。

 

研究チームのカン・ソンヒョン共同研究員(聖公会大東アジア研究所HK研究教授)は、「慰安婦問題と関連して日本にある資料に対する依存度が極めて高い状況だが、韓国の研究者が日本にある資料に接近することがますます難しくなっている」としながら、「連合軍作成資料だけでなく日本軍から捕獲した資料まで大量に保有しているアメリカの資料に目を向ける必要がある」と述べた。

 

この日のワークショップでパク・チョンエ共同研究員(東国大対外交流研究院研究・招聘教授)は、キム・ソラン(仮名)、パク・ヨンシム、コン・チョムヨプ、ムン・オクジュなど慰安婦被害者ハルモニの証言について調べ、これを裏付ける関係資料を一緒に公開した。慰安婦ハルモニの証言はそれ自体でも歴史的意味を持つが、国際外交現場で資料として立証されれば証言の意味はまた違ったものになる。パク博士は、「研究者は証言と関連資料を最大限取りまとめ、交差分析しなければならない義務がある」としながら、「これを通じて歴史的事件の本質を明らかにする上で、証言がどんな力と価値を持つのか示すことができるだろう」と述べた。

 

米軍がフィリピンと沖縄に設置した日本軍捕虜収容所資料を多数発掘したのも、今回の研究の成果だ。 研究チームはフィリピン収容所で作成した朝鮮人慰安婦43人の捕虜登録カードとともに、フィリピン・マニラから日本に向かった送還船の乗船名簿を確認した。チョン・カプセン共同研究員(ソウル大アジア研究所客員研究員)は、「捕虜登録カードと乗船名簿を交差分析すれば、今まで知らされなかった慰安婦被害女性たちを確認できるだろう」と述べた。 朝鮮人慰安婦の規模は最大20万人に達すると推定されるが、政府に登録された慰安婦被害者ハルモニ236人の他にはどんな被害女性がいたのかさえまともに把握されていない状態だ。チョン研究員は、「捕虜登録カードに被害女性の本籍地まで記録されている」としながら、「研究が進めば、知られないまま亡くなった方はもちろん、今まで生きておられる方々がどこでどのようにしておられるのかまで確認できるだろう」と語った。研究チームは、来年中に発掘資料の影印本と共に翻訳および研究課題を含めた資料集を発刊する計画だ。

 

【出典】“일본군, 조선인 여성 30명 총살” 위안부 학살 기록 원본 찾았다 - 경향신문

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201611062130015

拡大する韓国の危機(ニューヨーク・タイムズ11月3日社説対訳)

朝鮮半島問題

 

South Korea’s President Park Geun-hye is embroiled in a lurid corruption scandal that threatens to hamstring her remaining year in office. The scandal has plunged Ms. Park’s approval ratings to record lows, sent thousands of angry demonstrators into the streets, and sparked demands that she resign.

韓国の朴槿恵大統領は、残り任期を無力化させるほどの衝撃的な腐敗スキャンダルに包まれている。この腐敗スキャンダルは、朴大統領の支持率を過去最低に墜落させ、怒った数万のデモ参加者を街頭に送り出し、朴大統領の退陣要求に火をつけた。

 

The scandal involves Choi Soon-sil, a close friend of Ms. Park’s family. Ms. Choi’s father, Choi Tae-min, the founder of an obscure religious sect, was a spiritual adviser to Ms. Park’s father, the South Korean dictator Park Chung-hee, and to Ms. Park after her mother was assassinated in 1974. After Mr. Choi’s death in 1994, his daughter took over her father’s role at Ms. Park’s side. In that capacity, Ms. Choi, — who has never held a government job, has no security clearance and no policy background — was apparently deeply involved in state affairs. She also apparently used her influence to coerce companies into donating nearly $70 million to two foundations she controlled, and to secure her daughter admission at one of South Korea’s most prestigious universities. On Wednesday, South Korean prosecutors said they would bring criminal charges against Ms. Choi.

この腐敗スキャンダルは朴槿恵氏の家族や親しい友人のチェ・スンシルと関与している。実体が不明な一宗派の創始者であるチェ・スンシルの父チェ・テミンは、韓国の独裁者であった朴槿恵氏の父パク・チョンヒに、1974年の朴槿恵氏の母が殺された後、朴槿恵氏の精神的アドバイザーであった。 1994年チェ・テミンの死後チェ・テミンの娘が朴槿恵の隣で父チェ・テミンの役割を演じた。そのような関係から、公職もなくセキュリティ情報にアクセス許可もなく、政策的キャリアが全くないチェ・スンシルが国政に深く関与していた疑いがある。チェ・スンシルはまた、自らの影響力を利用して、自身が運営していた二財団法人に約7万ドルを寄付するように企業側に余儀なくさせて、韓国で最も有名な大学の一つに娘を入学させたという。水曜日に韓国検察はチェ・スンシルに対して刑事告発をすると述べた。

 

When she was elected in 2012, Ms. Park promised that she would end the corruption that has long plagued South Korea’s political leadership, saying: “I have no child to inherit my properties. You, the people, are my only family, and to make you happy is the reason I do politics.” She also pledged to tackle growing economic inequality, rein in South Korea’s powerful chaebol, or family-controlled conglomerates, and improve relations with North Korea.

2012年当選した当時の朴槿恵氏は、「私には財産を譲る子もいない。国民の皆さんが私の唯一の家族である。国民を幸せにすることが私の政治をする理由である」と述べて、長い間韓国政界の指導者の害悪であった腐敗を終息させると約束した。また朴槿恵氏は、ますます増大する経済的不平等と戦って、韓国の強力な家族支配や大手財閥を抑制し、北朝鮮との関係を改善すると宣言した。

 

It is hard to see how Ms. Park can accomplish any of this now. Her term in office will end in February 2018, and she faces fierce resistance from opposition parties that constitute a majority in South Korea’s Parliament. On Wednesday, Ms. Park replaced her prime minister and two other cabinet ministers, but opposition lawmakers vowed they would not approve the new appointments.

今、朴槿恵氏がこのいずれもどのように達成できるかどうか理解し難い。朴槿恵氏の任期は2018年2月で、韓国国会の多数を占める野党の激しい抵抗に直面している。水曜日に朴槿恵氏は、首相と二人の長官を交代させたが、野党議員たちは彼らの任命を承認しないと公言した。

 

Though Ms. Park admitted in a televised speech last week that she shared “certain documents” with Ms. Choi and apologized to the South Korean people, she refused to allow prosecutors to search aides’ offices in the presidential offices. South Koreans deserve a thorough and independent investigation into the Choi affair. Ms. Park’s future in power will depend on it.

朴槿恵氏が先週TV演説で、自身がチェ氏と「いくつかの文書を」共有したと認めて国民に謝罪したが、朴大統領は、検察が大統領府秘書官オフィスに家宅捜索することを可能にしなかった。韓国国民は、チェ氏の事件に対する徹底した独立捜査を要求する権利がある。朴槿恵氏の今後はそれにかかっている。

 

翻訳出処:뉴욕타임스 사설로 ‘박근혜 철저 수사 만이 살 길’ | TheNewsPro, 뉴스프로

 

【ニューヨーク・タイムズ】韓国大統領、積極的な北朝鮮に対応するのに簡単な選択肢がない(9月23日)(対訳)

朝鮮半島問題

South Korea's President Has No Easy Options in Dealing with an Aggressive North
韓国大統領, 積極的な北朝鮮に対応するのに簡単な選択肢がない

 

By CHOE SANG-HUN SEPT. 23, 2016

 

President Park Geun-hye of South Korea in Washington in October, Despite the urging of other leaders of the nation, she has refused to talk to North Korea after its nuclear testing. CreditCarlos Barria / Reuters

 

10月にワシントン訪問当時、朴槿恵大統領は、国内の野党指導者の求めにもかかわらず、核実験以後の北朝鮮との対話を拒否してきた。

 

SEOUL, South Korea - After North Korea conducted its fifth and most powerful nuclear test this month, South Korea's president, Park Geun-hye, met with her country's opposition leaders to discuss how to react. The outcome was not surprising。

 

ソウル, 韓国 - 北朝鮮が今月、最大強度となる第5回目の核実験をした後、韓国の朴槿恵大統領は野党指導者たちに会い対応策を議論した。その結果は驚くものではない。

 

Her liberal political opponents urged her to talk to the government in Pyongyang. Ms. Park, a conservative, said that would be a waste of time. Rather, she said, South Korea and its allies must focus on tightening sanctions, pressing the North to give up its nuclear program or face collapse。

 

進歩陣営の野党指導者たちは彼女に北朝鮮政府との対話を要求した。保守派の朴大統領は, それが時間の無駄であると述べた。彼女は韓国と同盟国が制裁を強化して北朝鮮が核プログラムを放棄しなければ崩壊に直面するように圧迫しなければならないと述べた。

 

「This is a battle of wills that we must win, "Ms. Park told the opposition leaders, asking them to support her position. They refused. One of them said later that talking to the president was "like talking to a wall。」

 

「これは私たちが必ず勝たなければならない意志の戦いである」と、朴大統領が野党指導者に自身の意見への支持を求め、彼らは拒否した。参加者の一人は後に大統領と対話することは、「壁に向かって話しているようだった」と述べた。

 

Pyongyang's Sept. 9 nuclear test, its second this year, has sharpened South Korea's decades-old divide over how to deal with its belligerent neighbor, as the North makes what experts consider significant strides in its nuclear arms and missile development. And it has left Ms. Park more embattled than ever as she approaches her last year in office。

 

今年に入って二度目となる平壌の9月9日核実験で北朝鮮が核武装とミサイル開発において専門家が見るに大きな成果を出している中で、韓国が積極的な北朝鮮への対応に置いて、数十年の間続いてきた分裂がさらに先鋭化された。また、任期最後の年を控えている朴大統領は、今回の核実験にこれまでよりもさらに強硬な姿勢をとっている。

 

While pushing for yet more sanctions, Ms. Park has doubled down on confrontational speech toward both Pyongyang and her domestic critics. This comes just months after she responded to the North's growing threat by embracing an American missile defense system, angering China and dismaying many South Koreans。

 

より多くの制裁を押しつけながら、朴大統領は平壌と彼女の国内反対派を向けた積極的に発言の水位を高めた。これは北朝鮮の大きくなる脅威に対応して、中国の怒りを買い、多くの国民を当惑させ、米国のミサイル防衛システムを配備の決定と、数ヶ月の後に起こった。

 

Analysts say Ms. Park, who is barred under South Korea's Constitution from seeking re-election next year, has two equally unpalatable options.

 

アナリストは、韓国の憲法上の再選が不可能な朴大統領に二種類のありがたくない選択があると言う。

 

She can stay on her current course, facing more provocations from Pyongyang and the likelihood of going down in history as the president during whose term the North completed nuclear weaponization. Or she can try to engage an erratic government that has gone so far as to call her a prostitute, and that has not agreed to discuss the possibility of nuclear disarmament in any future talks.

 

彼女は現在の路線を維持することにより, 平壌からより多くの挑発と任期中に北朝鮮が核武装を完了した大統領に歴史に残る可能性に直面することになる。または朴大統領を売春婦と呼ぶほどまで、今後の会談で非核化の可能性を議論することに同意していない異常な北朝鮮政府を受け入れるしようと努力することもできる。

 

"Negotiations may still be possible, but the price to pay to North Korea has become much higher," said Cho Han-bum, an analyst at the Korea Institute for National Unification, a government research organization in Seoul.

 

ソウル所在の国策研究機関である統一研究院のチョ・ハンボム研究委員は「交渉はまだ可能かもしれませんが、北朝鮮に支払わなければならコストがはるかに高くなった」と伝えた。

 

Doubts about Ms. Park's North Korea policy have spread even within her own conservative party. While most of its leading contenders to succeed her support sanctions against the North, they have gone further, saying that Seoul should consider asking the United States to bring back tactical nuclear weapons, which it withdrew from the South in the early 1990s. Some party heavyweights have even said the South should build its own nuclear bombs. Ms. Park's government has disavowed both options。

 

朴大統領の対北朝鮮政策に対する疑問は、保守政党内でも 拡散している。朴大統領の後を継ぐ党内大統領候補のほとんどが彼女の対北朝鮮制裁を支持し、さらには1990年代初めに韓国が保有撤回した戦術核兵器を再導入することができように、米国への要求を検討しなければならないと主張している。党内の一部の指導部級の人事は、韓国が核爆弾を作るべきだとも言う。朴槿恵政府は二つの主張をすべて否定した。

 

Ms. Park's difficulties have much to do with South Korea's fractured domestic politics, in which liberal and conservative parties have often seized on North Korea as a way to discredit one another。

 

朴槿恵政府の難しさは、韓国の分裂した国内政治と多くの関連がある。韓国政治で進歩と保守陣営は、多くの場合、お互いの評判を落とすために北朝鮮を利用してきた。

 

When progressives were in power from 1998 to 2008, they provided the North with massive shipments of aid, and engaged in investment and trade, betting that such actions would draw Pyongyang out of its hostile posture - what was known as the "sunshine policy".

 

進歩陣営が執権した1998年から2008年までのいわゆる「太陽政策」を使用して北に大量の援助を提供し、投資と貿易を活性化し、これらのポリシーに北朝鮮が敵対的な姿勢を捨てることに期待した。

 

That decade of engagement slowed North Korea's nuclear pursuits for a time, but did not stop them - the North conducted its first nuclear test in 2006. Ms. Park's conservative predecessor, Lee Myung-bak, who took office in 2008, reversed course, curtailing aid and trade with the North, punishing it with tougher sanctions and refusing to negotiate until it committed to denuclearizing.

 

10年の包容政策の期間中、北朝鮮の核兵器追求は一時的に鈍化したが、停止することはなかった北朝鮮は、2006年に最初の核実験を行った。朴槿恵政府の前任の保守李明博政府は2008年に執権した後、ルートを変えて, 北朝鮮が非核化を約束するまで交渉を拒否し、強硬策へとスライドさせながら貿易と援助を削減した。

 

Ms. Park, 64, who became president in 2013, went farther down that path. The prevailing argument in Seoul and Washington - wishful thinking, critics say - was that the North would eventually buckle under economic pressure, or perhaps even implode under the untested leadership of Kim Jong-un, the young leader who came to power in late 2011. After Pyongyang's fourth nuclear test in January, Ms. Park cut the Koreas「last remaining economic tie:a jointly run industrial park in the border town of Kaesong.

 

2013年に就任した朴槿恵(64歳)大統領は予見通りこれよりも進んだ。批評家たちが「希望的な考え」と言って、韓国と米国が考えている有力な案は、北朝鮮がいつかは経済的圧迫に屈したり、さらには2011年末執権した若い指導者キム・ジョンウンの検証されていないリーダーシップが自滅することであった。1月の北朝鮮の四度目の核実験があった後、朴槿恵は最終的に残っていた北朝鮮との経済的つながりであった南北共同工業団地を閉鎖した。

 

But the North's nuclear program has only accelerated in recent years. Three of the North's five nuclear tests have taken place under Mr. Kim, during whose rule the North has tested 31 ballistic missiles, twice as many as it did during the 17 years that his father, Kim Jong-il, was in power. This year alone, the North test-launched 24 ballistic missiles. On Sunday, Yun Byung-se, South Korea's foreign minister, acknowledged that North Korea was "at the final stage of nuclear weaponization.

 

しかし、北朝鮮の核プログラムは 最近ますます加速している。北朝鮮の5度目の核実験のうち3回がキム・ジョンウン政権下施行されたし、彼の治世中に北朝鮮は31発の弾道ミサイルを試験発射し、これは彼の父の 金正日が執権した17年の間実施した回数の2倍に達する数値だ。今年だけで、北朝鮮は24発の弾道ミサイルを試験発射した。日曜日、ユン・ビョンセ韓国外交部長官は、北朝鮮が「核武装の最終段階に達している」と述べた。

 

The North's missile threat was Ms. Park's justification for accepting the deployment of an American missile-interceptor battery, known as Thaad(for Terminal High Altitude Area Defense), on South Korean soil, a proposal that had been discussed with Washington for years. But that decision angered China - North Korea's sole major ally, whose cooperation is crucial for enforcing sanctions - which sees Thaad as part of an American effort to encircle it.

 

北朝鮮のミサイルの脅威は、数年間米国政府と議論していたTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)として知られている米国のミサイル迎撃網の韓国領土への配置を受容する朴大統領の正当性を与えた。しかしその決定は、北朝鮮の唯一の主要な同盟国であり, 制裁強化のために協力が必ず必要な中国の怒りを生んだ。中国はTHAADを中国包囲のための米国の施策の一環とみている。

 

Ms. Park's choice of Washington over Beijing in the dispute has been seen here as a momentous decision and a central part of her legacy. 「When President Park calls Thaad inevitable, she sends a message that when relations between the United States and China turn bad and South Korea has to choose, it will be the United States, "said Lee Jung-chul, a political scientist at Soongsil University in Seoul.

 

これらの議論では、中国ではなく米国を選択し、朴大統領の決定は 韓国で重大な決定であり, 朴大統領の核心的な業績とされている。イ・ジョンチョル崇実学校政治学教授は, 「朴大統領がサTHAADが避けられないと言ったのは、米国と中国の関係が悪化して韓国がいずれかを選択する必要が場合、それはアメリカということを意味する」と述べた。

 

The Thaad deployment has been highly contentious here, with many South Koreans seeing their country as a pawn in a contest for supremacy between the two powers. And it has added fuel to the criticism of Ms. Park。

 

多くの韓国人たちは、米中の大国間の覇権競争の中で人質になると見てTHAAD配置は, 韓国で多くの議論を招いている。また、この問題は、朴大統領への批判をさらに悪化させた。

 

Choo Mi-ae, the leader of the main opposition party, has called the system "militarily useless" and a "diplomatic checkmate" that pushed China closer to Pyongyang. In a commentary published by the Institute for Far Eastern Studies in Seoul, former Foreign Minister Song Min-soon said the issue had become a "shibboleth」by which South Koreans distinguished political friend from foe。

 

第1野党チュ・ミエ代表はTHAADシステムを「"軍事的に時代遅れ"であり, 中国と北朝鮮をより緊密にした「外交的ウェトンス」とした。ソウル所在の極東問題研究所が発行した論評でソン・ミンスン前外交部長官は、この問題が韓国人たちが政治的同志と敵を区別する標識がされたと述べた。

 

Critics have also accused Ms. Park of stoking fear about North Korea to bolster her domestic leadership, a tactic they say recalls the days of her father, the military dictator Park Chung-hee. Last week, warning of a "danger of war" and a」national emergency, "Ms. Park called for "a thorough surveillance of impure domestic forces and those who cause social instability."

 

批評家は、朴大統領が自身の国内リーダーシップを強化するために、北朝鮮の恐怖をあおったと非難した。論評家は、彼らの戦術が 彼女の父親である軍部独裁者パク・チョンヒ時代を思い出させていると言う。先週「戦争の危険」と「国家非常事態」だと警告し、朴大統領は「不純な国内勢力と社会不安を引き起こす者の徹底した監視」を要求した。

 

That has reinforced a hard-line image that Ms. Park has had since taking office. During her tenure, it has become fashionable among conservatives to label all anti-government dissidents as "jongbuk, " or followers of North Korea. Her government shut down a small left-wing opposition party on charges of subscribing to North Korea's communist ideology. Ms. Park's language about the North has also become more uncompromising - in recent weeks she has called Mr. Kim "out of control" and "maniacally obsessive."

 

その言及は、朴大統領が就任後持っていた強硬なイメージを強化した。朴大統領の任期中に保守主義者たちの間ですべての反政府人事を「従北」あるいは北朝鮮信者というレッテルを貼ることが一般化された。朴槿恵政府は、北朝鮮の共産主義イデオロギーを支持するという疑いで小左翼野党を解散させた。北朝鮮の朴大統領の言語はますます妥協しないものとなった。最近朴大統領はキム・ジョンウンを「制御不能」と「マニアックに執着」とした。

 

A poll conducted this week by Gallup Korea found that Ms. Park's approval rating had slipped to 31 percent, essentially unchanged from two weeks earlier, before the North's latest nuclear test. Still, her governing Saenuri party is more popular than the opposition and remains loyal to the president in Parliament。

 

今週韓国ギャラップが実施された世論調査で, 朴大統領の支持率は31%に低下しており、これは北朝鮮の最近の核実験がある前2週間前から大きな変化がない数値だ。まだ政権セヌリ党は、野党よりも支持率が高く、議会でも大統領に忠実に維持されている。

 

In recent years, the South Korean military has drawn up plans to launch a pre-emptive strike against the North's leadership at the first indication that it is preparing a nuclear missile attack. Such policies have helped to keep Ms. Park popular among older, more conservative South Koreans, who have vivid memories of the Cold War and revere the anti-Communist stance of her father.

 

ここ数年の間に、韓国軍は核ミサイル攻撃を準備する最初の兆候が捕捉されると、北朝鮮指導部の先制打撃計画を立てた。このような政策が鮮やかな冷戦の記憶を持っている朴大統領の父の反共政策を崇拝する年齢多く、より保守的な韓国人たちに 朴大統領が人気を維持するのに役立った。

 

But not everyone is assured. "In adopting a more aggressive posture and acquiring the weapons to match it, South Korea risks raising the chances of conflict on the Korean Peninsula and fostering regional instability in the meantime, "the global intelligence company Stratfor said in a recent analysis.

 

しかし, すべての人が確信しているわけではない。国際情報会社ストラトフォードは, 最近の分析で、, 「より積極的な立場をとって対応する武器を獲得すると, 韓国は朝鮮半島での紛争の可能性を増加させ, その間に地域の不安定性を造成する危険性を抱くようになる」と分析した。

 

[原文] 뉴욕타임스, 박근혜 대북 강경노선만 홀로 고집:자주시보

http://www.jajusibo.com/sub_read.html?uid=29716

ニューヨーク・タイムズ記事:http://nyti.ms/2d6E6pJ

日本女性学研究会による『忘却のための「和解」』書評

朴裕河「帝国の慰安婦」

 

鄭栄桓(チョン・ヨンファン)『忘却のための「和解」―『帝国の慰安婦』と日本の責任―』(世織書房 2016年3月)1800円+税


1 『帝国の慰安婦』、何が問題か
2 日本軍「慰安婦」制度と日本の責任
3 歪められた被害者たちの「声」
4 日韓会談と根拠なき「補償・賠償」論
5 河野談話・国民基金と植民地支配責任
6 終わりに=忘却のための「和解」に抗して

本書は、朴裕河(パク・ユハ)『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』(日本語版は朝日新聞出版 2014年)に対する批判の書である。

本書の1「『帝国の慰安婦』、何が問題か」で、鄭氏は、まず、昨年末の被害者不在の「日韓合意」に対して日本のマスコミが高く評価した背景には、被害者たちを譲歩させることで「慰安婦」問題を「解決」としようという「和解」論の浸透があったと述べる。この『帝国の慰安婦』も、日韓対立を「慰安婦」イメージの誤った修正により調停し、「和解」を図ろうとするものだったから取り上げたのだと鄭氏は言う。

朴氏の前著『和解のために』は、韓国の「反日ナショナリズム」を批判した(具体的には、韓国の挺隊協を批判し、日本の「国民基金」を評価すべきだとした)ことが日本のリベラル知識人に高く評価され、『帝国の慰安婦』も非常に高く評価されている。しかし、鄭氏は本書で、そのような評価は誤りであり、『帝国の慰安婦』は、先行研究を理解しておらず、史料などの解釈においても、「恣意的」と評価せざるを得ないような飛躍があると主張している。

その際、同氏は、批判の前提として、著者の朴氏の主張をできるかぎり引用して、『帝国の慰安婦』の論旨を明確にすることを心がけたという。なぜなら、『帝国の慰安婦』が何を主張しているか自身が論争の争点になっているからだ。そんなことが争点になっている原因について、鄭氏は、同書には矛盾する論理が遍在しているうえ、重要な概念を独特の意味で使っているので、「論旨」を読み取るのが非常に難しいからだと述べる。

2「日本軍『慰安婦』制度と日本の責任」以後が、『帝国の慰安婦』の具体的主張に対する批判だ。

朴氏自身は「『帝国の慰安婦』は、けっして日本を免罪しようとした本ではなく、人身売買業者の問題に触れたために、そのようなレッテルを貼られたのだ」(要旨)と主張しているが、鄭氏は、そうではないことを述べていく。

まず、鄭氏は、『帝国の慰安婦』が歴史修正主義として批判するものは、「慰安婦=自発的な売春婦」論に限定されており、今日的な日本軍の責任否定論(=「軍は公娼施設の利用者にすぎず、軍の関与は『良い関与』であり、公娼施設の女性は合法だから『性奴隷』ではなく、犯罪があったとしても業者の責任だ」云々)には及んでいないことに注意を促す。それは、朴氏の主張自体が、今日的な意味での日本軍の責任否定論(全否定ではないが)になっているからだ――というのが鄭氏の見方だ。

鄭氏は、『帝国の慰安婦』の日本の責任論の問題点について、以下のように批判している。:『帝国の慰安婦』は、日本軍の責任を、「慰安所」制度を「発想」して「需要」を作り出し、人身売買を「黙認」した責任に限定している。そのため、朴氏は、日本の法的責任は否定しており、業者の「だまし」「誘拐」しか問題にしない。しかし、日本軍は、単に「慰安所」制度を「発想」したのではなく、吉見義明氏も述べているように、「慰安所」制度の創設・維持・運用・管理の主体が日本軍なのである。しかも、朴氏は、日本軍の「よい関与」論(不法で強引な募集を取り締まった)を支持しているために、「黙認」の責任すら結果的に否定されることになる。また、日本軍の「発想」についても、「自然」かつ「戦争」一般の問題へと解消される

また、鄭氏は、『帝国の慰安婦』には、いっけん「慰安婦」の連行に日本に直接的な責任があると主張しているように読める箇所があるが、そうではないという。たとえば、朴氏は、朝鮮人「慰安婦」が「動員」されたと述べているが、朴の「動員」概念は、「自発的」に売春を選択せざるをえない状況に置かれたという意味でしかない。

朴氏は、「慰安婦」を、〈監禁されて軍人たちに無償で性を搾取された〉という意味での「奴隷」ではないと主張しているが、鄭氏は、その主張には、以下の問題があるとする。(1)国際法における「性奴隷制」概念に対して無理解である、(2)挺隊協も国際法上のそうした「性奴隷制」概念の構築に関与しているにもかかわらず、朴氏は、あたかも挺隊協が、女性が「いかなる方法・手段・目的」で移動してきたかという、「性奴隷制」概念とは異質なものを重視しているかのように事実を歪曲している、(3)「性奴隷制」概念を「性奴隷」イメージの問題にすりかえている、(4)自らの「性奴隷」概念への無理解を棚に上げ、自説への批判者があたかも「売春」従事者を差別しているかのような論点のすり替えをおこなっている。

朴氏は、朝鮮人「慰安婦」における未成年者募集は例外的なものであり、それなのに少女像のようなものを建てるのは、売春に対する差別感情があるためだと述べている。しかし、鄭氏は、朝鮮人「慰安婦」の徴集時の年齢は20歳以下が多く、それは、日本「内地」とは異なる植民地支配下の朝鮮人「慰安婦」の重要な特徴であると指摘する。

また、朴氏は、「慰安婦」制度に関する日本の法的責任について、現在の被害者たちの個人請求権を認めないだけでなく、もともと法に反する制度であったことも否定している。しかし、鄭氏は、当時の刑法においても国際移送目的の誘拐や人身売買が犯罪であることなどは既に指摘されており、朴氏には、これまでの研究に対する無理解があると批判している。

また、朴氏は、挺身隊に行ったのは自発的な志願だったが(そのような内面が植民地化で形成されていた)、韓国ではこうした点はナショナリズムゆえに無視されてきたと言う。しかし、鄭氏は、そのような議論は史料的に成り立たないことを示す。また、鄭氏は、朴氏が、娘が挺身隊に連れて行かれないように泣いて訴えた親がいたということから、何の根拠もなく、そこには親や娘や業者の嘘=民族の嘘があったとし、日本を免罪したことを批判している。

3「歪められた被害者たちの『声』」では、朴氏が「慰安婦自身の声にひたすら耳を澄ませた」と述べ、評者たちもその点を高く評価していることに対して、鄭氏が反論している。

朴氏は「千田夏光は、朝鮮人『慰安婦』を愛国的存在として理解した」と言っているが、鄭氏は、千田夏光『従軍慰安婦』のどこにもそのような主張は書かれていないと述べる。同書で「お国のために働ける」と語っているのは日本人女性であり、そう語ったのも、募集の際や戦場に着いた当初だけの話にすぎない。むしろ千田氏は朝鮮人と日本人との差異を示唆している。また、小野田寛郎氏が「[朝鮮人慰安婦は]明るく楽しそうだった」と述べたことについて、朴氏は「それは『愛国』の笑みだった」と言っているが、鄭氏は、それには何の根拠もないと述べる。こうした事例から、鄭氏は、朴氏は検証すべき仮説をあたかも証明された命題であるかのように用いて個々の事例を演繹的に解釈しており、「女性たちの声にひたすら耳を澄ませる」こととは程遠いと批判している。

また、朴氏は古山高麗男の小説を根拠にして、慰安婦が日本兵を「同族としての軍人」だと捉えたと述べている。しかし、鄭氏は、古山の小説の中でも、それは兵士たちの意識でしかないことを指摘し、そのような議論は、1990年代に被害者の証言が登場する以前の「慰安婦」認識への回帰であると批判する。また、朴氏は、日本軍の責任否定論者は「慰安婦」が「同志」だった記憶を消し去りたいかのように述べているが、鄭氏は、そうではなく、日本政府が「おわび」をせざるをえなくなったとき、否定論者は、「慰安婦も当時は日本人として戦争に協力したではないか」と反発したと述べる。

さらに、朴氏が、ある元「慰安婦」が、兵士を糾弾するのではなく、「運命」という言葉で許すかのように言っていると述べたことに対して、鄭氏は、その証言をした黄順伊さんの発言の前後を読むと、(1)彼女の力点は「運命」にあり、「許す」とは一言も言っていない、(2)証言の最後には「日本の軍人のことを考えると本当に恨めしい。恨めしいのは恨めしいけれど、あの軍人もみんな死んだはずだよ」と語っている、(3)黄さんはカミングアウトした後も、日本に謝罪と補償を求め続けた、という事実を提示している。その一方、朴氏は、「天皇が私の前にひざまずいて謝罪するまで私は許せない」と話す元「慰安婦」に対しては、「屈服自体を目指す支配欲望」があるという人格否定の言葉を投げつける。鄭氏は、以上の事実からも、朴氏は「女性たちの声にひたすら耳を澄ませる」のではなく、自らの政治的立場を証言により「代弁」させたとみなさざるを得ない、と指摘する。

以下の章は簡単に済まさせていただくが、4「日韓会談と根拠なき『補償・賠償』論」では、朴氏が、(1)そもそも元「慰安婦」女性に日本に対する請求権はなく、(2)仮にあったとしても、日韓会談で韓国政府によって元「慰安婦」たちの個人請求権は放棄されており、(3)かわりに韓国政府が受け取った「経済協力」は日中戦争以後の戦争に関する「賠償」であった、と主張したことに対して、いずれも根拠がなく、むしろ真逆の主張を展開する研究を「論拠」にした主張だと批判する。

5「河野談話・国民基金と植民地支配責任」では、『帝国の慰安婦』は「慰安婦」問題を単に戦争犯罪としてではなく、より広く植民地主義を批判したかのように評価する意見に対して、鄭氏は、『帝国の慰安婦』はむしろ植民主義イデオロギーに親和的であると主張している。すなわち、日本人「慰安婦」との「愛国」的動機の共通性や兵士との「同志的関係」を強調する一方、未成年者徴集に代表される「慰安婦」制度の植民地主義的性格を否定しているからである。この章では、『帝国の慰安婦』が歓迎されたのは、「大日本帝国」の歴史を修正するだけでなく、「戦後日本」の歴史を(「慰安婦」たちが告発したような、植民地支配を反省しなかった歴史を)植民地支配を反省してきた歴史に修正するという、「二つの歴史修正主義」が日本に存在するためではないか、とも指摘されている。

6「終わりに=忘却のための『和解』に抗して」では、『帝国の慰安婦』による最大の犠牲者は日本軍によって「慰安婦」にされた被害者であること、それゆえ彼女たちが『帝国の慰安婦』を告発したことにも相応の根拠があるとする。鄭氏は、日本社会が『帝国の慰安婦』を絶賛するのは、日本のナショナリズムの表出ではないかとする。すなわち、同書は、問題の弥縫的対応でしかない「国民基金」を被害者が拒否することに対して、韓国の「反日ナショナリズム」だ、とひと括りにして批判して、戦後日本を肯定したからこそ、歓迎されたのではないかと言う。

以上は、本書の筋だけをご紹介したので、鄭氏の批判が正しいか否かは、本書の『帝国の慰安婦』の記述に即して批判している箇所を、同書と照らし合わせてご確認いただく必要がある(ただし、まだそのような作業によって鄭氏の議論を批判しえた人はいないようだ)。

なお、鄭氏は、少なからぬフェミニストたちの間で『帝国の慰安婦』が受け入れられていると述べているが(p.47)(1)、同書に批判的なフェミニストもまた多い。ただし、フェミニズムの観点からの『帝国の慰安婦』に対する批判や評価は、まだ本格的にはおこなわれていないのではないか? その点は今後の課題だと思う(鄭氏自身も、本書でジェンダーの観点から見て重要な指摘をしているが、フェミニズムがご専門というわけではない)。

また、「反日ナショナリズム」をどう捉えるか、という問題もあるように思う。私は中国が専門だが、「慰安婦」問題にタッチしているような中国のフェミニストは、「反日デモ」に見られるような反日ナショナリズムには批判的だ。男性中心性や暴力性を持っているからだ(2)。もちろんそれは、今日ではベトナムに対する韓国の加害をも視野に入れているような挺隊協やその「国民基金」批判などとは異なるから、「反日ナショナリズム」としてひと括りに批判するのはいけないという鄭氏の指摘こそが重要だと思う。ただ、こうした問題は、大きく言えば、ナショナリズムとフェミニズムとの関係をどう捉えるか(もちろんその関係は多様で、歴史的にも変化してきた)という問題ともつながるので、より広い考察につなげていくこともできるだろう。

(1)なお、当然ことながら、鄭氏も、『帝国の慰安婦』の中に書かれていることをすべて誤りだと言っているのではなく、たとえばフェミニズムに関わる論点としては、朴氏が、「慰安婦」に「仮に売春の前歴があったとしても、それは植民地支配の構造ゆえに生まれたものであるから、植民地にくみこんだことを問題にしなればならない」(要旨)と述べている点などは同意している(p.50)。

(2)拙稿「2012年における反日デモ、日本軍の性暴力問題と中国のフェミニスト」中国女性・ジェンダーニュース

 

(遠山日出也)

 

[出典] 日本女性学研究会 - タイムライン | Facebook

  

忘却のための「和解」―『帝国の慰安婦』と日本の責任

忘却のための「和解」―『帝国の慰安婦』と日本の責任