朝米平和協定の締結を促すオバマ大統領への公開書簡

在米韓国人同胞がバラク・オバマ米国大統領に朝米平和協定の締結に立ち向かうことを促す内容の公開書簡を送り、3月14日付ニューヨーク・タイムズ紙にその広告を掲載しました。

参考記事:在米韓国人が米ニューヨーク・タイムズ紙に「朝米平和協定締結」求める全面広告 

英語原文:An Open Letter to President Obama – Peace|Wager

 

オバマ大統領に送る公開書簡

米国の対北朝鮮平和政策:あなたが在米韓国人たちに対して行った選挙公約

オバマ大統領貴下

貴下がキューバとの関係正常化をするとした12月17日の突然の発表は、貴下の第1次の大統領選挙で米国の政策変更のための韓国系米国人政治行動委員会(KACPAC)を組織して貴下の当選に向けて一生懸命働いた多くの私たち韓国系米国人たちにはあまり驚くべきことがありませんでした。

その理由は、彼らがその時、貴下の大統領選挙を支持した主要原因の一つが、貴下が大統領に当選したらキューバと北朝鮮と一緒に米国との関係が悪い諸国との対話と交渉をしたいと何度も明らかにしていたためです。 その時、米国内の多くの進歩的韓国系米国人たちは韓半島の緊張継続と統一への期待の減退、そして北朝鮮の核武装は皆がブッシュ行政部の過酷で非現実的な対北朝鮮政策に起因するとみていました。
それであなたの選挙公約は韓半島の明るい未来の始まりを意味するものでした。

貴下が大統領に就任した後、貴下の世界の非核化に関するベルリン演説を聞いて、また、ノーベル平和賞受賞を見て、私たちの支持者たちの希望と期待は高まりました。

しかし、その後私たちは貴下のいわゆる「戦略的忍耐」という対北朝鮮政策を見て、ずっと失望せざるを得ませんでした。 この政策は最近、いわゆる「アジア再均衡政策」という貴下の対中国政策として結びつけられました。

このような貴下の対北朝鮮政策によって、北朝鮮に対する制裁と禁輸措置が強化され、北朝鮮領空近くへの核爆撃飛行を含めた、北朝鮮の近くでの危険な軍事演習を定期的に実施してきました。 北朝鮮とのすべての公式的、非公式接触チャンネルは米国側から切断され、食糧を含む人道的支援も中止されました。

あなたによる米国政府の危険な強硬政策に続き、韓国でも李明博保守政権に続き、2年前に朴槿恵保守政権が発足しました。 この二つの右翼保守政権の圧力は想像をしてもいけないほど韓半島の戦争の可能性を再び高めました。

オバマ大統領貴下

以前に貴下の大統領選挙を支持した進歩的韓国系米国人たちは今も貴下が米大統領として韓半島の平和と将来のために重要な役割を果たすことができることを期待します。 私たちは貴下が韓国と米国、北朝鮮間の意義ある対話、交渉、和解に向けて先導的役割を果たすことができると信じます。

キューバとは異なり、北朝鮮との関係改善は韓国系米国人たちと、またすべての米国人らに利益をもたらす大きな可能性があります。 最も重要な利益の一つは、両国が韓半島戦争以降、休戦協定を平和協定に代えることができずに70年間続けてきた敵対関係を終息させることです。 米国と北朝鮮間の平和協定締結と外交関係樹立は、北朝鮮が軍事費を減らし、経済開発に主力することができるようにします。

私たちみんなはクリントン大統領当時の1994年に両国がジュネーブで締結した「基本合意書」によってこのような相互有益な目標をほぼ達成できたということを覚えています。 そして北朝鮮政権の第2人者がホワイトハウスを訪問しており、米国のオルブライト国務長官も平壌を訪問しました。 私たちは貴下もこの程度の外交的正常化に向けた努力をもう一度することを要求します。

次の統計は、北朝鮮がなぜこんなに難しい経済状態に置かれており、北朝鮮が経済を回復して資源を国防費から国民の生活必需に転用するためには外部からの脅威から解放されることがどれ程必要なのかを見せてくれています。 ところがこの脅威のほとんどは米国から出ています。

北朝鮮は米国のメイン州の面積と似ていますが、人口は韓国の約半数である2千4百万人です。 南北は同一の民族です。 北朝鮮の国内総生産(GDP)は330億米ドルと推算され、韓国の30分の1、米国GDPの3%に過ぎません。 北朝鮮はGDPの30%を国防費に充当しており、これは世界で最も高い割合です。 韓国の国防費はGDPの約5%ですが、これも北朝鮮の軍事費の4倍になります。

さらに北朝鮮の兵力は120万人であり、(韓国は約65万)、プルトニウムとウラン技術の高価な核兵器能力を保有しています。 しかし、米国とその他の核兵器国家とは違って、北朝鮮は彼らの核技術が攻撃用武器ではなく「抑止力」と呼んでいます。 北朝鮮の指導者たちは彼らの核戦力が米国と一緒になって彼らを脅かす国以外には、どんな国にも脅威にならないと何度も宣言したことがあります。

以上、北朝鮮に関する統計は北朝鮮がどうしてこんなにひどい経済難を経験しており、そこから脱するためには主に米国が過去70年間実施してきた脅威、制裁、禁輸の解除が必要だということを明らかに示しています。

オバマ大統領貴下

北朝鮮はこのような政治的、軍事的、経済的孤立にもかかわらず、70年の間、国家保全と社会主義政治、経済制度を持続してきました。 これは多くの東欧諸国が経験した運命とは対照的です。

言い換えれば、貴下がキューバに関する最近の演説で明確かつ正直に言ったとおり、孤立と制裁、禁輸と軍事的圧力では政権交替を遂げることができなかったです。 これはキューバと共に北朝鮮も同じです。 ですから北朝鮮に対する「戦略的忍耐」政策は変えなければならないことです。 北朝鮮のこのような成功は軍事力だけで成し遂げたものではありません。

かえって北朝鮮住民が食糧不足を含めた継続的な経済困難と、外部から強要された孤立が招いた彼らの社会内の過酷な現実に対処するために、必要な市民的自由に対する制限を喜んでそして、決然と耐えて受け入れたからでもあります。

言い換えれば、北朝鮮が「閉鎖された国」という我々の通念とは反対に、我々は北朝鮮が米国によって外部から閉じ込められた国だと見なければならないのです。 ご存知のように北朝鮮は国連加盟国であり、165ヵ国と正式な外交関係を結んでいます。 北朝鮮はその間にも多くの国らと地道に国際関係を維持してきました。

また、これに追加して北朝鮮社会の団結に寄与する「主体」思想というもう一つの要素があります。 外部の人たちはこの思想を権威的であり、独裁的なものとしばしば誤解したりしますが、この主体思想は北朝鮮の人々がそれを通じて彼らの社会を唯ひとつの有機的組織体と見る支配的哲学であります。 そしてこの有機的組織体は、国民がほとんど宗教的情熱的に無条件尊敬する単一指導者によって導かれなければならないのです。

そのために、いわゆる人権問題で彼らの指導者が非難を受ければ、彼らがしばしば激しく反発するのは、彼らの独特な政治イデオロギーと関連して理解されなければなりません。 実際、この70年間に北朝鮮政権が、米国の敵対にもかかわらず、生き残ったのはこの主体思想にも一部原因があります。 キューバ政権と北朝鮮政権はそれぞれ53年と70年間の米国による孤立にも倒壊しなかったという点で似ています。

あなたは演説で、キューバ政権の持続性を国交正常化の理由てして挙げましたが、なぜ北朝鮮については同一に見ていないですか? 実際に「戦略的忍耐」政策は単に北朝鮮が国民の福祉を犠牲にしながら強力な国防態勢を維持する正当性を与えることになるだけだと思います。

オバマ大統領貴下

追加で指摘しなければならない重要なことは、北朝鮮が彼らの核兵器を徐々に小型化し、ミサイル技術を発達させてゆくこの時、北朝鮮を挑発すると北朝鮮側の偶発的または誤算による反応で韓半島だけではなく日本や沖縄、グアム、そして米国本土までも攻撃できうる大量殺傷事件に巻き込まれる可能性があるということです。

北朝鮮が彼らの国家的プライドが傷付けられたと思ってることはまだあります。 つまり、人権侵害に対する国連の非難。北朝鮮の指導者の暗殺を描写している最近のコメディ映画。韓国内脱北者たちの風船による北朝鮮指導者への中傷ビラ散布があります。 この件は貴下が統制はできませんが、米軍統帥権者であるあなたは軍事問題、特に北朝鮮国境近くで頻繁に行われている韓国との合同軍事演習は統制することができます。 この軍事演習は縮小もしくは廃止されなければなりません。

オバマ大統領貴下

最近、韓国の朴槿恵大統領は、韓国軍に対する戦時作戦指揮権を米国から返還することを放棄してこれを無期限延長することを米国側と合意しました。 あなたはこの合意によって南北間に偶発的かどうかに関わらず戦争が発生すれば自動的に米軍が介入することになるということを記憶してください。

オバマ大統領貴下

ノーベル平和賞受賞者であるあなたは北朝鮮が切実に要求してきた平和協定締結と米朝関係正常化のための措置を取らなければなりません。 これにより70年間持続された両国間の敵対を終息させることができます。 こうすることにより、あなたは韓半島の平和と非核化、経済発展と窮極的な統一を実現することに協力することができます。

ありがとうございます。(終)

 

 

 

 

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