『帝国の慰安婦』を取り巻く論争に対する賛同者のコメント

 

●岡野八代 (同志社大学教授)

日本軍「慰安婦」問題の解決のために直視すべきは、日本軍性奴隷制という、いまだ法的に裁かれていない国家犯罪の歴史であり、その制度の下で被害にあった女性たちが、この歴史的犯罪に対して、国家としての責任をとるよう訴えているという点です。その事実をいかに捉え、彼女たちの訴えにわたしたちがどのように応えるのかが、いま問われています。

●中野敏男 (東京外国語大学教授)

『帝国の慰安婦』事態について「学問の自由と表現の自由という観点からのみアプローチする態度について深く憂慮する」とされた声明を強く支持します。ここで最も深く配慮されなければならないのは、日本軍「慰安婦」制度により深刻な人権侵害を受けた被害者が存在するという事実です。その被害者が「名誉を毀損された」と訴えているのに、その声に耳を貸さず、あるいは「名誉が傷ついたとは思えず」と勝手に決めつけて、ただ「学問の自由」のみを声高に訴える日本とアメリカの知識人54名の「抗議声明」は、問題の核心を取り違えていると言わざるをえず、「慰安婦」問題の解決に繋がらないばかりか、人権侵害に抗する「学問の自由」を本当の意味で守る力にもならないと思います。日本にも『帝国の慰安婦』が根拠なく被害者を貶める著作であることに強い批判はあり、学問的にも継続して問題点を明らかにしていきたいと思っています。

●秋林こずえ 同志社大学教授

日本軍性奴隷制度被害者/サバイバーの方々が今も耐えなければならない苦痛を少しでも軽減し、なくすことができるような社会のあり方を追究する学問研究に、引き続き取り組む必要性を強く感じ、声明に賛同しました。
●早川紀代 総合女性史学会前代表

日本軍「慰安婦」の解決は、日本軍の性暴力をうけた女性たちが、20年以上日本政府に対して要請しつづけてきた事柄、日本政府の公的な謝罪と賠償を実現することなしに基本的には解決の道はないと思います。大勢の女性たちが胸にわだかまりをもったまま、命をおえていることを考えると猶更そう思います。

●金富子 (東京外国語大学教授)

今回の事態を通して、もっとも尊重されるべきは被害女性の名誉と尊厳です。「ナヌムの家」被害女性9人が『帝国の慰安婦』の「同志的な関係」「協力者」などの記述に対して、やむにやまれぬ気持ちで、朴裕河氏を名誉毀損で提訴したことを尊重すべきだと思います。かつて大江健三郎氏が出版禁止事件に際して「発表によって苦痛をこうむる人間の異議申し立てが、あくまでも尊重されねばなりません。それなしでは、言論の自由、出版の自由の人間的な基盤がゆらぐことになりかねません」と発言したように、今回の件で「苦痛をこうむる人間」は被害女性です。したがって、まず著者である朴裕河氏は被害女性に対して真摯に謝罪すべきではないでしょうか。

●北原みのり (作家)

本書を巡る言論は、日本社会が今、「慰安婦」問題をどのように「捉えたがっている」かを表象しているように映ります。私は、日本のフェミニストの一人として、これ以上傍観してはいけないという自らの反省も含め、この問題に真摯に向きあいたいと考えています。最も苦痛を味わった女性たちをさらに苦しめる言説を、これ以上許してはいけない。日本在住のフェミニストと共に、声をあげていきます。

金 英(キム・ヨン 釜山大

朴裕河氏は戦時性暴力という人類に対する犯罪を犯罪者を「説得」し外交的に解決する問題だと考えているのか?日本軍「慰安婦」問題は決して外交的に解決できる問題ではない。たとえハルモニたちがみんな亡くなってしまう時まで加害者の責任のある真の謝罪と賠償を受け取ることができないとしても、たとえ私たちの世代が死ぬまで解決できないとしても、次の世代が受け継ぎ戦い続け、解決しなければならない問題である。40年近くも日本帝国主義から受けた被害と傷を打ち明けることもできず苦しい人生を送ってこられたハルモニたちがこの問題を全世界の人へ向けて語り、戦争性犯罪が人類に対する犯罪であることを皆が認識できるようにしたこと自体がこれまでの30年余りの努力、運動の結果である。

●金 昌禄(キム・チャンロク) 慶北大


日本軍「慰安婦」問題を含む「日韓過去清算」という課題は非常に大きなものです。短く捉えても35年という長い歳月の間に続いた「過去の歴史」に関する課題です。その「過去の歴史」を解決しなければならなかった、しかし結局解決できないまま続いてきた70年というもう一つの「歴史」に関するものでもあります。去る70年間、数多くの外交的、政治的、社会的葛藤が存在し、その過程で非常に複雑な法的論議も広がりました。そして何より今でも大きな痛みを抱いて暮らしていかなければならない被害者たちがいます。このように膨大で複雑な課題に接近する「研究者」には真に厳格な学問的姿勢が要求されます。これこそが「<帝国の慰安婦>事態」の核心です。そのため「<帝国の慰安婦>の学問的厳格性」を点検する作業が必要です。その作業は<帝国の慰安婦>の著者だけでなく、関連する「研究者」すべての「学問的厳格性」が問われる作業でもあるでしょう。

●ペ・ウンギョン ソウル大

長い長い間、沈黙と苦痛に耐えねばならなかった方たち、しかし強く生き延びてこられ、その存在として歴史の証人になられた方々、ハルモニたちのおかげで人類は植民支配と国家暴力、戦争の前に最下層の犠牲者として消されてきた数多くの女性たちを記憶することができました。どのような個人、どのような民族、どのような集団であれ、ハルモニたちの名誉と人権を剥製にしようとするすべての試みに反対します。

●イ・ギホン 江原大
学問の自由という名前で、社会的で政治的な含意が大きい事案について十分に検討しない主張を示しながら社会的弱者たちの状況を悪化させることは学者としての責任のある姿勢だとは言えない。

●李娜栄(イ・ナヨン) 中央大
何よりも今この事態をハルモニたちがどう感じているのかを考えると心が重苦しい。被害当事者の痛みを冷遇したまま彼女たちが提起した問題を外部で問題にし、検察対朴裕河という問題として糊塗し日本軍「慰安婦」問題の本質を曇らせ、生存者の被害をさらに重くしている現実をもどかしく感じる。無責任な日本政府がこの問題の根本的な原因であることを私たちは皆、直視しなければならない。

●イ・ミョンウォン 京畿大
学問的に多くの間違いと主観的な叙事を含んでいる本が論議を呼び起こすという事実それ自体に怒りを感じている。何より重要なのは被害者中心主義を堅持することだ。慰安婦ハルモニたちの人間的尊厳を守るための努力に、学者のひとりとして寄与したい。

●李在承(イ・ジェスン) 建国大
有名なチョムスキーはフランスの修正主義者フォーリソンがホロコーストを否認する言動で罰金刑が下されて大学の講壇から追放されると、そのような決定を批判し国際的な救命隊列に参加した。(もちろん国連自由権委員会はフォーリソンを処罰した決定が何の問題もないという決定をした)。チョムスキーは後にフォーリソンの著作を読んだのかという質問に対し、問題となっている著作は読まなかったと答えた。チョムスキーは表現の自由を断固として擁護するために、その発言の内容を知る必要はないのではないかと反問した。そうだ。チョムスキーにとってはまさに表現の自由が真理であるためである。しかし表現の自由を擁護して同時に内容の真理性まで擁護するのは問題のある態度である。12月2日、多数の韓国の著述家および学者が<帝国の慰安婦>の学問性に言及し日本で重要な著作賞を受けたという点を指摘した。だとしたら彼らは賞の権威を借りてその本の内容を保証することによって手に土を付けることになったのである。まず外交的に論議が続いている問題に対し日本の立場に立っていることを明確にしている著作に対し日本社会が賞を与えたという点に注目する。次に<帝国の慰安婦>に与えられたその賞は日本国内に通用した常識(自発的売春フレーム)を根本的にひっくり返す歴史的資料を発掘した学者(例えば、慰安婦・慰安所は日本軍部が企画・指示した国家犯罪という点を論証した吉見義明)には与えられなかったという点にも注目する。誰が利害が相いれない局面でニューヨークタイムズを信じ、誰が朝日新聞を信じるのか。日本軍慰安婦問題は国籍や民族主義の問題ではない。戦争と植民支配下の女性の人権に対する総体的な侵害であり、戦争犯罪、または、人道に対する犯罪である。それは日本の女性でも朝鮮人女性でも、誰に加えられたとしても同じことである。したがって日本軍人と日本人慰安婦女性の関係であっても同志的な形を前提にするのではなく、それも(女性に対する)人道に対する犯罪であったと考えなければならない。一歩遅れて来る歴史はより一層苛酷に過去の真理をあばき出すよう強制する。私たちは皆、更に学ぶ必要がある。

●ジョン・ジェウォン 国民大
階級と民族、国家、そしてジェンダーに対する粗雑な理解が間違った見解を産み出し、重要な問題を薄めている。貧しい労働者、農民の息子であり強制的に徴集され、人生が聖者のようでったガンジーのような人でも、彼が植民地の民衆を殺害し弾圧する帝国主義の軍隊に服務する限り彼は「制服を着る労働者」でなく「帝国主義軍隊の軍人」として捉えられなければならない。当然、帝国主義に服務する韓国男性支配者の責任も大きい。だからといって日本帝国主義の蛮行が薄められるのであろうか。これは民族主義的立場からでなく、普遍的女性人権の立場から見なければならない問題である。

●チ・ウニ 德成女大 前総長)

すべての研究テーマと研究の目的は研究者の主観の産物です。しかし<帝国の慰安婦>の著述の目的は日本軍性的奴隷制度の責任が日本政府にあるのではないということを証明することであるようにみられ、しかも今まで提出された客観的史料の検討さえせず意図的に自身が望む結論を導き出したように見えます。このような態度を学問の自由という名前で保護しなければならないのか疑問です。ハルモニたちの人権と尊厳性名誉は学問の自由のために犠牲になっても良いのでしょうか。自らもう一度自問されることをお勧めします。

<全世界から送っていただいたコメントのうちの一部>

『(この事態は、)加害者が自身の行為が加害であったことを認めないでいる現実をかえないまま、加害者と被害者の和解を成し遂げようとする主観的な意図が客観的には加害者の利益に有利である地点から葛藤を封じ込めるものであることをよく見せてくれる事例だと考えます。また、抽象的に表現の自由を擁護しながら表現されたものが「今、ここ」の具体的状況での道徳的・政治的な意味についての質問と論争を回避することは、客観的に表現する権利と表現手段に対する接近性をより多く持っている集団を擁護することであるということをよく見せてくれる事例だと考えます。』
『これは最終的には過去事問題に消極的である日本政府の問題から始まったものであり、日韓両国の知性の間の学問的討論と論戦を通じて解決されなければならない問題であることを忘れてはいけない。』
『朴裕河の本も、検察の起訴をもって日本で大きな問題となることも、全て日本政府の5億ドル予算を通じて成り立っている歴史歪曲活動の一環だと考えます。ホロコーストの場合のように歴史的事実自体について論議の余地がないように公信力のある国際機構が主導して徹底した真相究明が先に行われなければならないでしょう。徹底した真相究明は韓国政府と日本政府の間で進められている交渉で扱われなければならない最初のテーマではありますが、あまり希望が持てませんよね。そうだとしても絶えず根本問題について提起し、関心を喚起させるのは重要だと考えます。ありがとうございます。』

“Justice delayed because justice denied. Our history books must reflect the truth of the 'Comfort Women' story. No woman or girl should ever have had to endure this crime.
Never again.”
“I support a site for a fully transparently academic, scholarly interrogation into the question of state responsibility of comfort women crime. The UN bodies and scholars have established undeniable facts of state responsibility and yet this debate ensues. If found guilty of intentional denialism, Japan should be held fully accountable for distortion of facts and negligence of the truth in addition to compensation and full apology to the victims.”

『日韓両国の未来という公の利益のために必ず正し解決されなければならない問題です。』

『慰安婦ハルモニたちの痛みが治癒され、この問題が正当に解決されることを心から願います。』

『慰安婦ハルモニの証言の内容を朴裕河教授が当事者の許可もなく任意で編集、抜粋、発表したこの事件。基本的な「研究倫理」違反に該当する内容であるのに、その延長線上で今後、<帝国の慰安婦>の内容的・研究方法的次元での総体的で精巧な分析と公開討論が必須だと判断します。』

『被害者であるハルモニたちの視線で見ましょう。』

『専門家でも研究者でもありませんが、朴裕河教授の本を読んで見て、最初の数ページから違和感を覚え、読み進めるのが苦痛になりました。なんとか概略を読みましたが。こんな内容が日本の良心的知識人(しかも私たちが信頼している方たち)に評価されていることが、とても驚きでした。朝日新聞社が出版しているのもとても意図的だと思いました。』

『「学問、表現の自由」を錦の御旗に掲げ、それを絶対的正義とすることによって自らの立場性を不問にする日本の一部の学者に憤りを覚えます。』

『性暴力犯罪の裁判において、しばしば「合意があったか否か」が争点となることがあります。性暴力被害者が恐怖のあまり抵抗できなかった、人間性を否定されたあまり「自分が悪かったのではないか」と一人苦しみ続けていることは、よく知られたことです。今回の朴裕河『帝国の慰安婦』は、そうした性暴力者を苦しめ続けてきたレトリックを、戦時性奴隷という、国家による性暴力に対してまで、あてはめたもので、到底許しがたいと思いました。『帝国の慰安婦』事態に対する立場、に賛同し、公開討論会を開催することに賛成します。』

【出典】『帝国の慰安婦』を取り巻く論争に対する賛同者のコメント
http://maeda-akira.blogspot.jp/2015/12/blog-post_33.html

<제국의 위안부>를 둘러싼 논쟁에 대한 찬동자의 댓글

●오카노 야요, 도시샤대학 교수 (岡野八代 同志社大学教授) 

 

일본군 '위안부'문제 해결을 위해 직시해야 하는 것은 일본군 성노예제라는 아직까지 법적으로 재판받지 않는 국가범죄 역사이며, 그 제도 밑에서 피해를 받은 여성들이 그 역사적 범최에 대해서 국가로서의 책임을 다하도록 호소했다는 점입니다. 그 사실을 어떻게 받아들이고 그녀들의 호소에 대하여 우리가 어떻게 응답할 것인가라는 물음이 던져지고 있습니다.

 

●나카노 도시오, 도쿄외국어대학 교수 (中野敏男 東京外国語大学教授) 

 

『제국의 위안부』 사태에 대해서 학문과 표현의 자유라는 관점으로만 접근하는 태도에 대해서는 깊이 우려한다는 성명을 강렬하게 지지합니다. 여기서 가장 깊게 배려되어야 하는 것은 일본군 '위안부'제도로 보다 심각한 인권침해를 당한 피해자가 있다는 사실입니다. 그 피해자가 '명예를 훼손되었다'고 호소했는데도 불구하고, 그 목소리에 귀를 기울이지 않고, 또한 '명예가 훼손되었다고는 생각하기 어렵다'고 일방적으로 단정해서 단지 '학문의 자유'만을 큰소리로 호소하는 일본과 미국 지식인54명의 '항의성명'은 인권침해에 저항하는 '학문의 자유'를 진정한 의미로 지키는 힘도 되지 않다고생각합니다. 일본에서도 『제국의 위안부』가 근거도 없이 피해자를 폄하는 저작인 것에 강한 비판이있고, 학문적으로도 계속해서 문제점을 밝히고 가려고 합니다.

 

●아키바야시 고즈에 (秋林こずえ 同志社大学教授)

 

일본군 성노예제도 피해자/생존자 분들이 지금도 견디지 않으면 안 되는 고통을 적음이라도 경감하여 없앨 수 있는 사회를 추구하는 학문연구에 계속해서 추진할 필요성을 느껴서 이 성명에 동참합니다.

 

 

●하야카와 노리요 총합여성사학회 전 대표 (早川紀代 総合女性史学会前代表)

 

일본군 '위안부'문제의 해결은 일본군의 성폭력을 받은 여성들이 20년 이상 일본정부에 대해서 계속해서 요청해왔던 사항, 일본정부의 공적인 사죄와 배상을 실현시키지 않은 한 기본적으로는 해결의길은 없다고 생각합니다. 많은 여성들이 가슴에 응어리를 안는 채 이 새상을 떠나고 계시는 것을 생각하면 더욱더 그렇게 생각됩니다.

 

●김부자 도쿄외국어대학 교수  (金富子 東京外国語大学教授)

 

이번 사태를 통해서 가장 존중되어야 하는 것은 피해 여성의 명예와 존엄입니다. '나눔의 집' 패해여성 9명이 『제국의 위안부』에 나오는 "동지적인 관계", "협력자" 라는 기술에 대해서 어쩔 수 없는마음으로 박유하씨를 명예훼손으로 고발한 곳을 존중해야 한다고 생각합니다. 이전에 오에 겐자부로(大江健三郎)씨가 출판금지사건에 대해서 "발표에 의해 고통을 당하는 인간의 이견 신청이 어디까지나 존중되어야 합니다. 그렇지 않으면 언론의 자유, 출판의 자유의 인간적인 기반이 흔들리게 될 수있습니다"고 발언한 것 저런 이번 건에서 "고통을 당하는 인간"은 피해 여성입니다. 따라서 먼저 저자인 박유하씨는 피해여성에게 대해서 진지하게 사죄되어야 합니다.

 

●기타하라 미노리 작가 (北原みのり 作家) 

 

이 책을 둘러싼 일본사회가 지금 '위안부'문제를 어떻게 "보고 싶은지"를 표상하는 것으로 보입니다. 저는 일본 페미니스트 한 명으로 이 이상 방관하면 안 된다는 스스로의 반성도 포함해서 이 문제에진지하게 대응하려고 합니다. 가장 고통을 느꼈던 여성들을 또한 고통 시키는 담론은 그 이상 허락하면 안된다. 일본거주 페미니스트들과 함께 목소리를 낼 것입니다.

 

●김영 부산대

 

“박유하씨는 전시 성폭력이라는 인류에 대한 범죄를 범죄자를 ‘설득’해 외교적으로 해결할 문제라고보는가? 일본군 ‘위안부’ 문제는 결코 외교적으로 해결될 문제가 아니다. 설혹 할머니들이 다 돌아가실 때까지 가해자의 책임 있는, 진정한 사죄와 배상을 받으실 수 없다 하더라도, 설혹 우리 세대가 죽을 때까지 해결하지 못한다 하면, 다음 세대가 이어서 계속 싸워야 해결해야 할 문제다. 40년가까이 일본제국주의에게 입은 피해와 상처를 드러내지도 못하고 힘든 삶을 영위해 오신 할머니들이이 문제를 전 세계인을 향해 말씀하시고 전쟁성범죄가 인류에 대한 범죄임을 모두가 인식할 수 있게 된 것 자체가 지난 30여년의 노력, 운동의 결과다.”

 

●김창록 경북대

 

“일본군‘위안부’ 문제를 포함하는 ‘한일 과거청산’이라는 과제는 매우 덩치가 큽니다. 최소한 35년이라는 긴 세월 동안 이어졌던 ‘과거의 역사’에 관한 과제입니다. 그 ‘과거의 역사’를 해결해야 했던, 하지만 결국 해결하지 못한 채 이어져온 70년이라는 또 하나의 ‘역사’에 관한 것이기도 합니다. 지난 70년간 수많은 외교적, 정치적, 사회적 갈등이 있었고, 그 과정에서 매우 복잡한 법적 논란도 벌어졌습니다. 그리고 무엇보다 지금도 커다란 아픔을 안고 살아가야 하는 피해자들이 있습니다. 이렇게 방대하고도 복잡한 과제에 접근하는 ‘연구자’에게는 참으로 엄격한 학문적 자세가 요구됩니다. 이것이야말로 ‘<제국의 위안부> 사태’의 핵심입니다. 그래서 ‘<제국의 위안부>의 학문적 엄격성’을 점검하는 작업이 필요합니다. 그 작업은 <제국의 위안부>의 저자뿐만 아니라, 관련 ‘연구자’ 모두의 ‘학문적 엄격성’을 묻는 작업이기도 할 것입니다.”

 

●배은경 서울대

 

“긴 긴 시간 침묵과 고통을 견디셔야 했던 분들, 그러나 꿋꿋이 살아내시고 그 존재로 역사의 증인이 되신 분들, 할머니들 덕분에 인류는 식민지배와 국가폭력, 전쟁 앞에 최하층 희생자로 지워져 간수 많은 여성들을 기억할 수 있게 되었습니다. 할머니들의 명예와 인권을 그 어떤 개인, 그 어떤 민족, 그 어떤 집단의 무엇으로든 박제하려 하는 모든 시도에 반대합니다.”

 

●이기홍 강원대

 

“학문의 자유라는 이름으로, 사회적이고 정치적인 함의가 큰 사안들에 대해 충분히 검토하지 않은주장을 내놓음으로써 사회적 약자들의 상황을 악화시키는 것은 학자로서 책임 있는 자세라고 할 수없다.”

 

●이나영 중앙대

 

“우선 지금 이 사태에 대해 할머니들의 마음이 어떨지 마음이 무겁다. 피해 당사자의 아픔을 외면한채 이들이 제기한 문제를 외부에서 문제 삼아 검찰 vs. 박유하 간의 문제로 호도하여 일본군 ‘위안부’ 문제의 본질을 흐리고 생존자들의 피해를 가중시키는 현실이 안타깝다. 무책임한 일본 정부가이 문제의 근본적인 원인임을 우리 모두는 직시해야 한다.”

 

●이명원 경희대

 

“학문적으로 많은 오류와 주관적 서사를 담고 있는 책이 논란을 불러일으킨다는 사실 자체에 분노한다. 무엇보다 중요한 것은 피해자중심주의를 견지하는 것이다. 위안부 할머니들의 인간적 존엄을지키기 위한 노력에 학자의 한 사람으로서 기여하고 싶다.”

 

●이재승 건국대

 

“유명한 촘스키는 프랑스의 수정주의자 포리송이 홀로코스트를 부인하는 언동으로 벌금형이 내려지고 대학강단에서 추방되자 그러한 결정을 비판하고 국제적인 구명대열에 동참하였다. (물론 유엔자유권위원회는 포리송을 처벌한 결정이 아무런 문제가 없다고 결정하였다). 촘스키는 나중에 포리송의 저작을 읽어보았느냐는 질문에 문제의 저작을 읽지 않았다고 답했다. 촘스키는 표현의 자유를 단호하게 옹호하는데 그 발언의 내용을 알 필요가 없는 것 아니냐고 반문했다. 맞다. 촘스키에게는 표현의 자유가 바로 진리이기 때문이다. 그러나 표현의 자유를 옹호하면서 동시에 내용의 진리성까지옹호하는 것은 문제적인 태도이다. 12월 2일 다수의 한국의 저술가 및 학자들이 <제국의 위안부>의학문성을 언급하고 일본에서 중요한 저작상을 받았다는 점을 지적하였다. 이렇게 되면 이들은 상의권위를 빌어 그 책의 내용에 보증을 섬으로써 손에 흙을 묻히게 된 것이다. 우선 외교적으로 논란이계속되고 있는 문제에 대해 일본의 입장을 미리 보여주는 저작에 대해 일본 사회가 상을 주었다는점을 주목한다. 나아가 <제국의 위안부>에게 돌아간 그 상은 일본내에 통용되던 상식(자발적 매춘 프레임)을 근본적으로 뒤엎는 역사적 자료를 발굴했던 학자(예컨대, 위안부, 위안소는 일본군부가 기획 지시한 국가범죄라는 점을 논증한 요시미 요시아키)에게는 돌아가지 않았다는 점도 주목한다. 누가 이해상충 국면에서 뉴욕타임즈를 믿고, 누가 아사히신문을 믿는가? 일본군 위안부 문제는 국적이나 민족주의 문제가 아니다. 전쟁과 식민지배 하의 여성인권의 총체적인 침해이고, 전쟁범죄, 또는인도에 반한 범죄이다. 그것은 일본여성이든 조선인 여성이든, 누구에게 가해졌던지 동일하다. 따라서 일본군인과 일본인 위안부 여성의 관계에서도 동지적 원형을 전제할 일이 아니라 그것도 (여성에대한) 인도에 반한 범죄였음을 통찰해야 한다. 뒤늦게 오는 역사는 더욱 혹독하게 과거의 진리를 들추어내도록 강제한다. 우리 모두는 추가학습이 필요하다.”

 

●정재원 국민대

 

“계급과 민족, 국가, 그리고 젠더에 대한 어설픈 이해가 잘못된 시각을 낳았고 중요한 문제들을 희석시키고 있다. 가난한 노동자, 농민의 아들이자 강제로 징집되었으며 인성이 성자와 같은 간디와같은 사람이라도 그가 식민지 민중을 살해하고 탄압하는 제국주의의 군대에 복무하는 한 그는 '제복입은 노동자'가 아니라, '제국주의 군대의 군인'으로 보아야 한다. 당연히 제국주의에 복무하는 한국남성 지배자들의 책임도 크다. 그렇다고 일본 제국주의의 만행을 희석시켜야 되겠는가? 이는 민족주의적 입장에서가 아니라, 보편적 여성인권의 입장에서 보아야 하는 문제다.”

 

●지은희 전 덕성여대 총장

 

“모든 연구주제와 연구의 목적은 연구자의 주관의 산물입니다. 그런데 제국의 위안부의 저술 목적은 일본군 성노예제도의 책임이 일본정부에 있는 것이 아니라는 것을 증명해 내는데 있는 것으로보이고, 더구나 지금까지 제출된 객관적 사료들도 검토하지 않음으로서 의도적으로 원하는 결론을도출한 것으로 보입니다. 이런 태도를 학문의 자유라는 이름으로 보호해야 하는지는 의문입니다. 할머니들의 인권과 존엄성 명예는 학문의 자유를 위해 희생되어도 좋은 것인가요? 스스로 다시 자문해 보셨으면 합니다.”

 

<전 세계에서 보내 주신 의견 중 일부>

 

“가해자가 자신의 행위가 가해였음을 인정하지 않고 있는 현실을 바꾸지 않은 채 가해자와 피해자의 화해를 이루고자 하는 주관적 의도는, 객관적으로 가해자의 이익에 보다 유리한 어느 지점에서갈등을 봉합하는 것임을 보여주는 사례라고 생각합니다. 또한 추상적인 표현의 자유를 옹호하면서, 표현된 것이 '지금, 이곳'의 구체적 상황에서 도덕적, 정치적으로 의미하는 바에 대한 질문과 논쟁을회피하는 것은, 객관적으로 표현할 권리와 표현수단에 대한 접근성을 더 많이 향유하고 있는 집단을옹호하는 것임을 보여주는 사례라고 생각합니다.”

 

“이것은 궁극적으로는 과거사 문제에 미온적인 일본 정부의 문제에서 비롯된 것이고, 한일 양국 지성들 간의 학문적 토론과 논쟁을 통해 해결되어야 할 문제라는 것을 잊어서는 안 된다.”

 

“박유하의 책도, 검찰 기소를 가지고 일본에서 큰 이슈를 만드는 것도 모두 일본 정부의 5억달러 예산을 통해 이루어지는 역사왜곡 활동의 일환이라고 봅니다. 홀로코스트의 경우처럼 역사적 사실 자체에 대해 논란의 여지가 없도록 공신력 있는 국제기구 주도로 철저한 진상규명이 먼저 이루어져야하겠지요. 철저한 진상규명은 한국정부와 일본정부간에 진행되고 있는 협상에서 다루어져야 할 첫번째 주제이지만, 그닥 희망적이진 않지요. 그렇다 해도 끊임없이 근본문제에 대해 제기하고, 관심을환기시키는 것은 중요하다고 봅니다. 감사합니다.”

 

“Justice delayed because justice denied. Our history books must reflect the truth of the 'Comfort Women' story. No woman or girl should ever have had to endure this crime.Never again.”

 

“I support a site for a fully transparently academic, scholarly interrogation into the question of state responsibility of comfort women crime. The UN bodies and scholars have established undeniable facts of state responsibility and yet this debate ensues. If found guilty of intentional denialism, Japan should be held fully accountable for

distortion of facts and negligence of the truth in addition to compensation and full apology to the victims.”

 

“한일 양국의 미래라는 공익을 위해 반드시 바로잡고 해결해야할 문제입니다.”

 

“위안부 할머니들의 아픔이 치유되고 이 문제가 정의롭게 해결되기를 진심으로 기원합니다.”

 

“위안부 할머니의 증언 녹취록을 박유하교수가 당사자 허락 없이 임의로 편집, 발췌, 발표한 사건... 기초적인 "연구윤리" 위반에 해당되는 내용인데, 그 연장선상에서 향후 <제국의 위안부>의 내용적, 연구방법적 차원에서의 총체적이고 정교한 분석과 공개적 토론이 필수적이라 판단됩니다.”

 

“피해자인 할머니들의 눈으로 봅시다.”

 

“저는 전문가도 연구자도 아니지만 박유하교수의 책을 읽어서 처음 페이지부터 위화감을 느끼고, 읽어나가기가 괴로웠습니다. 어떻게 해서 개략을 읽었지만. 이러한 내용이 일본의 양심적인 지식인 (게다가 우리가 신뢰하는 분들)에게 평가 받고 있는 것에 매우 놀라웠습니다. 아사히신문이 출판했다는것도 아주 의도적이라고 생각합니다.”

 

“학문, 표현의 자유를 절대적 정의로 하면서 스스로의 입장성을 묻지 않는 일본의 일부 학자들에게화가 납니다.”

 

“성폭력 범죄의 재판에서 자주 ‘합의유무’가 쟁점이 되곤 합니다. 성폭력 피해자가 공포를 느낀 나머지 별로 저항을 못했다, 인간성을 부정당한 나머지 ‘내가 나빴던 것이 아닐까’라고 혼자서 괴로워하는 것은 잘 알려져 있습니다. 이번에 박유하의 <제국의 위안부>는 그러한 성폭력 피해자를 계속해서고통 속에 놓아둔 수사법을 전시 성노예라는 국가에 의한 성폭력에 대해서까지 적용시킨 것으로 도저히 용서할 수 없다고 생각합니다. <제국의 위안부> 사태에 대한 입장에 동참하여, 공개토론회를개최하는 것에 찬성합니다.”

 

출처: "제국의 위안부'를 둘러싼 논쟁에 대한 찬동자의 댓글

『帝国の慰安婦』を取り巻く論争に対する賛同者のコメント

http://maeda-akira.blogspot.jp/2015/12/blog-post_33.html

『제국의 위안부』 사태에 대한 입장

일본군‘위안부’ 문제에 대해 깊이 고민하며 그 정의로운 해결을 위해 노력해온 우리는, 박유하 교수의 『제국의 위안부』와 관련한 일련의 사태에 대해 참으로 안타깝게 생각합니다.

 

2013년에 출간된 『제국의 위안부』와 관련하여, 2014년 6월에 일본군‘위안부’ 피해자 9명이 박유하 교수를 명예훼손 혐의로 한국 검찰에 고소했고, 지난 11월 18일에 박유하 교수가 불구속 기소되었습니다. 이에 대해 한국의 일부 학계와 언론계로부터 학문과 표현의 자유에 대한 억압이라는 우려의 목소리가 나오고 있고, 지난 11월 26일에는 일본과 미국의 지식인 54명이 항의성명을 발표하기도 했습니다.

 

우리는 원칙적으로 연구자의 저작에 대해 법정에서 형사책임을 묻는 방식으로 단죄하는 것은 적절하지 않다고 생각합니다. 그러나 이번 검찰 기소가 『제국의 위안부』로 인해 심대한 마음의 상처를 입은 일본군‘위안부’ 피해자들에 의해 이루어진 것이라는 점을 고려할 때, 지금 이 시점에서 그 기소를 평가하는 데는 매우 신중해야 한다고 생각합니다.

 

우리가 더욱 우려하는 것은 이 일련의 사태가 문제의 본질을 떠나 학문과 표현의 자유로 초점이 옮겨지고 있다는 점입니다. 일본군‘위안부’ 문제가 일본 국가기관의 관여 아래 본인의 의사에 반하여 연행된 여성들에게 ‘성노예’를 강요한, 극히 반인도적이고 추악한 범죄행위에 관한 것이라는 사실, 그 범죄행위로 인해 참으로 심각한 인권 침해를 당한 피해자들이 지금 이 순간에도 커다란 아픔을 견디며 삶을 이어가고 있다는 사실이야말로 무엇보다 중요하게 인식되어야 합니다. 그 범죄행위에 대해 일본은 지금 국가적 차원에서 사죄와 배상을 하고 역사교육을 하지 않으면 안 된다는 것이 국제사회의 법적 상식입니다. 하지만 일본 정부는 1965년에는 그 존재 자체를 인정하지 않았고 그래서 논의조차 되지 않았던 문제가 1965년에 해결되었다고 강변하는 부조리를 고집하고 있습니다. 일본군‘위안부’ 피해자들은 그 부조리에 맞서 1,200회 이상 매주 ‘수요시위’를 개최하고 있고, 지친 노구를 이끌고 전 세계를 돌며 ‘정의로운 해결’을 간절하게 호소하고 있습니다. 우리는 이 엄중한 사실들을 도외시한 연구는 결코 학문적일 수 없다고 믿습니다.

 

우리는 『제국의 위안부』가 사실 관계, 논점의 이해, 논거의 제시, 서술의 균형, 논리의 일관성 등 여러 측면에서 많은 문제를 안고 있는 책이라고 봅니다. 기존의 연구 성과와 국제사회의 법적 상식에 의해 확인된 것처럼, 일본군‘위안부’ 문제의 핵심은 일본이라는 국가의 책임입니다. 그럼에도 불구하고 『제국의 위안부』는 책임의 주체가 ‘업자’라는 전제에서 출발합니다. 법적인 쟁점들에 대한 이해의 수준은 매우 낮은 데 반해 주장의 수위는 지나치게 높습니다. 충분한 논거의 제시 없이 일본군‘위안부’ 피해자들이 “일본제국에 대한 ‘애국’”을 위해 “군인과 ‘동지’적인 관계”에 있었다고 규정하는 것은, ‘피해의 구제’를 간절하게 호소하고 있는 피해자들에게 또 하나의 커다란 아픔을 주는 일이 아닐 수 없습니다. 이렇게 우리는 『제국의 위안부』가 충분한 학문적 뒷받침 없는 서술로 피해자들에게 아픔을 주는 책이라고 판단합니다. 그래서 우리는 일본의 지식사회가 ‘다양성’을 전면에 내세워 『제국의 위안부』를 적극적으로 평가하고 있다는 사실에 접하면서, 과연 그러한 평가가 엄밀한 학문적 검토를 거친 것인지 커다란 의문을 가지지 않을 수 없습니다.

 

우리는 이 사태를 무엇보다 학문적인 논의 속에서 해결해야 한다고 봅니다. 한국과 일본과 세계의 연구자들이 문제에 대해 함께 논의하고, 그 논의 속에서 문제의 실체를 확인하고 해결방안을 마련하기 위해 함께 지혜를 모으는 것이 필요하다고 봅니다. 그래서 우리는 연구자들이 주체가 되는 장기적이고도 지속적인 논의의 장을 마련할 것을 제안합니다. 그리고 그 일환으로 우선 박유하 교수와 『제국의 위안부』를 지지하는 연구자들에게 가능한 한 가까운 시일 내에 공개토론을 개최할 것을 제안합니다.

 

끝으로 우리는, 명예훼손에 대한 손해배상 청구와 고소라는 법적인 수단에까지 호소하시게 된 일본군‘위안부’ 피해자들의 아픔을 깊이 되새기며, 일본군‘위안부’ 피해자들에게 거듭 상처를 주는 이러한 사태에 이르게 되기까지 우리의 고민과 노력이 과연 충분했는지 깊이 반성합니다. 그리고 외교적・정치적・사회적 현실에 의해서가 아니라, 정의의 여신의 저울이 진정 수평을 이루게 하는 그런 방식으로 일본군‘위안부’ 문제가 해결될 수 있도록 더욱 열심히 노력할 것을 다짐합니다.

 

2015. 12. 9.

일본군‘위안부’ 피해자들의 아픔에 깊이 공감하고, ‘위안부’ 문제의 정의로운 해결을 위해 활동하는 연구자와 활동가 일동

 

『帝国の慰安婦』事態に対する立場

 

 日本軍「慰安婦」問題について深く考えこの問題の正当な解決のために努力してきた私たちは、朴裕河教授の『帝国の慰安婦』に関連する一連の事態に対して実に遺憾に思っています。

 

 2013年に出版された『帝国の慰安婦』に関連して、2014年6月に日本軍「慰安婦」被害者9 名が朴裕河教授を名誉毀損の疑いで韓国検察に告訴し、去る11月18日に朴裕河教授が在宅起訴されました。これに対し、韓国の一部の学界や言論界から学問と表現の自由に対する抑圧であるという憂慮の声が出ており、日本では11月26日に日本とアメリカの知識人54名が抗議声明を発表しました。

 

 私たちは原則的には研究者の著作に対して法廷で刑事責任を問うという方式で断罪することは適切でないと考えます。しかし、今回の検察の起訴が『帝国の慰安婦』によって甚大な心の傷を受けた日本軍「慰安婦」被害者たちによってなされたという点を考慮する時、今この時点で今回の起訴について評価することには極めて慎重であらねばならないと考えます。

 

 私たちがもっと憂慮することは、この一連の事態が問題の本質から離れ、学問と表現の自由へと焦点を移しているという点です。日本軍「慰安婦」問題が日本の国家機関の関与のもと本人の意思に反して連行された女性たちに「性奴隷」になることを強いた、極めて反人道的かつ醜悪な犯罪行為に関するものであるという事実、その犯罪行為によって実に深刻な人権侵害を受けた被害者たちが今この瞬間にも終わることのない苦痛に耐えながら生きているという事実こそが、何よりも深刻に認識されなければなりません。その犯罪行為について日本は今、国家的次元で謝罪と賠償をし歴史教育をしなければならないということが国際社会の法的常識です。しかし、日本政府は1965年にはその存在自体を認めなかったため議論さえ行われなかった問題について1965年に解決されたと強弁する不条理に固執しています。日本軍「慰安婦」被害者たちはその不条理に対し毎週水曜日にすでに1200回以上も「水曜デモ」を開催しており、高齢の身をおして全世界を回りながら「正義の解決」を切実に訴えています。私たちは、これらの重い事実を度外視した研究は決して学問的でありえないと考えます。

 

 私たちは、『帝国の慰安婦』が事実関係、論点の理解、論拠の提示、叙述の均衡、論理の一貫性などさまざまな面において多くの問題を孕んだ本であると思います。既存の研究成果や国際社会の法的常識によって確認されたように、日本軍「慰安婦」問題の核心は日本という国家の責任です。それにもかかわらず『帝国の慰安婦』は、責任の主体は「業者」であるという前提に基づいています。法的な争点に対する理解の水準はきわめて低いのに比べて、主張の水位はあまりにも高いものです。充分な論拠の提示をせずに、日本軍「慰安婦」被害者たちが「日本帝国に対する『愛国』」のために「軍人と『同志』的な関係」にあったと規定することは、「被害の救済」を切実に訴えている被害者たちに更なる深刻な苦痛を与えるものであるといわざるをえません。このように、私たちは『帝国の慰安婦』が充分な学問的裏付けのない叙述によって被害者たちに苦痛を与える本であると判断します。ゆえに、私たちは日本の知識社会が「多様性」を全面に押し出して『帝国の慰安婦』を積極的に評価しているという事実に接して、果たしてその評価が厳密な学問的検討を経たものなのかについて実に多くの疑問を持たざるをえません。

 

 私たちは、この事態を何よりも学問的な議論の中で解決しなければならないと考えます。韓国と日本と世界の研究者たちが問題について議論し、その議論の中で問題の実態を確認し解決方法を見つけるために、ともに知恵を出し合うことが必要であると思います。そこで、私たちは研究者たちが主体になる長期的かつ持続的な議論の場を作ることを提案します。また、その一環として、まず朴裕河教授や『帝国の慰安婦』を支持する研究者たちに、可能な限り近いうちに公開討論を開催することを提案します。

 

 最後に、私たちは名誉棄損に対する損害賠償請求と告訴という法的な手段に訴えねばならなかった日本軍「慰安婦」被害者らの痛みを深く反芻し、日本軍「慰安婦」被害者たちにさらなる苦痛を与えるこのような事態に陥るまで私たちの思考と努力が果たして十分であったのかどうか深く反省します。また、外交的・政治的・社会的な現実によってではなく、正義の女神の秤が正に水平になるような方法で日本軍「慰安婦」問題が解決されるよう、更なる努力を重ねていくことを誓います。

 

2015. 12. 9.

日本軍「慰安婦」被害者たちの痛みに深く共感し
「慰安婦」問題の正当な解決のために活動する研究者・活動家一同

 

Our Position on the Controversy Regarding the Book, Comfort Women of the Empire

As academics and activists who have agonized and endeavored for a just resolution of the Japanese military ‘comfort women’ issue, we feel sorry to witness the controversy regarding the book, Comfort Women of the Empire written by Professor Yu-ha Park.

Nine victims of the Japanese military ‘comfort women’ system filed charges against Professor Park to the Korean prosecution in June, 2014 for defamation of character, and professor Park was charged without detention on November 18th of this year. Some in Korean academia and in the media expressed concerns that this case might serve as a precedent, creating a form of academic oppression against freedoms of research exploration and speech. A petition of presented by 54 Japanese and American intellectuals on November 26th underscored this fear.

We do not believe that in principle it is appropriate to convict one for an academic work by finding criminal liability in court. In so doing, however, we stress the need for due process and careful consideration of the charges levied, as the injustices were filed by the victims who had been deeply hurt by the book.

Our concern is that the focus of this controversy is moving away from the essence of the ‘comfort women’ issue and more towards a matter of academic liberty and freedom of speech. What must be recognized with the most gravity regarding the Japanese military ‘comfort women’ atrocity is the fact that it was a systemized practice of inhuman and hideous crime through which women were taken against their will, were forced into ‘sexual slavery’ under the authority of the Japanese state agency, and deprived of their human rights—acts that are very much alive in the minds of those who experienced such painful events.

A cursory attempt at rectifying these injustices was forged in the form of a global agreement stating that Japan must not avoid the responsibility of apologizing, providing reparations and compensations to the victims, and providing a national-level, transparent and proper historical education to its citizens on the crimes it committed. The Japanese government had not even admitted the existence of ‘comfort women’ in 1965, yet argued ad nauseam that the issue had been resolved that year. The victims have held over 1,200 protests every Wednesday while traveling around the world for a just resolution of the issue, despite some having reached ages that make such efforts doubly difficult. We believe that studies disregarding such obvious, undeniable facts should not be considered academic.

Comfort Women of the Empire is problematic on multiple levels including factual relevance, issue clarity, presentation of the academic grounds, balanced narration, and logical consistency. The core of the ‘comfort women’ issue is founded on the role that Japan as a state played in the atrocity—according to academic discussions and in accord with the globally accepted legal common sense. Yet the book begins its argument from the premise that the brokers and traffickers are the subjects to be held responsible and not the state. Its assertion that these actors were acting expressly distant from the state is excessively unquestioned, exposing a serious neglect of legal understanding. Labeling the victims as “‘comrades’ alongside soldiers” in “’patriotism’ of the Japanese Empire,” without presenting enough evidential grounds results in great agony for the victims who are pleading for ‘relief from the victimization’. For these reasons, we have decided that Comfort Women of the Empire is a book that causes distress to the victims, while providing insufficient academic grounds for its claims. Hearing that Japanese academics enthusiastically welcomed the book as a means of promoting “diversity,” we could not help but wonder whether such appreciation had gone through vigorous academic evaluation.

We argue that the controversy regarding the book has to be resolved through academic critique and examination. Scholars in Korea, Japan, and around the world should gather their knowledge in order to discuss, fact find, and initiate ideas that could help to resolve the issue. We, therefore, suggest creating a site for continuous, long-term scholarly discourse. As a step toward this goal, we propose an open discussion to be held at the earliest possibility with Professor Park and academic scholars who support her book.

Lastly, we are reminded of the torment of the victims who have reached a point where they feel the need to turn to legal prosecution and filed defamation charges for compensation. We should reflect on ourselves and consider whether we put enough thoughts and efforts into preventing such atrocities from perpetually haunting the affronted victims. Once again, we pledge to make every endeavor to solve the Japanese military’s ‘comfort women’ issue in a way that achieves equilibrium on the scales of justice without diplomatic, political, and social realities interceding.

December 9, 2015.

Scholars and activists who sympathize with the suffering of the victims and are sincerely working to achieve a just resolution of the Japanese military’s ‘comfort women’ issue

 

 

[국내]

 

강석주(서울대), 강선미(하랑성평등교육연구소), 강성현(성공회대), 강유가람(영희야 놀자, 다큐멘터리 감독), 강윤주(경희사이버대), 강재구(카톨릭대), 강정숙(성균관대), 강지명(성균관대 법학연구소), 강혜경(서강대 사회과학연구소), 공주(중앙대), 공준환(서울대), 곽귀병(서울대), 구송회(서울대), 권용선(연구자), 권은혜(동국대), 권정옥(부산대), 권혜원(동덕여대), 김경석(중앙대), 김경희(여성정책연구원), 김교성(중앙대), 김귀옥(한성대), 김동규(동명대), 김명희(성공회대), 김미란(성공회대), 김민철(민족문제연구소), 김민화(건국대), 김민환(서울대), 김민환(성공회대), 김보화(이화여대), 김상규(고려대), 김선관(전남여성인권지원센터), 김선광(원광대), 김선화(서울대), 김성례(서강대), 김성보(연세대), 김성욱(건양대), 김성천(중앙대), 김수아(서울대), 김신현경(광운대), 김연명(중앙대), 김영(부산대), 김영범(대구대), 김영환(민족문제연구소), 김윤정(역사학연구소), 김애라(카톨릭대), 김은경(방송통신대), 김은경(성공회대), 김은진(원광대), 김은혜(서울대), 김재민(성공회대), 김재완(방송대), 김재용(원광대), 김정오(연세대), 김정임(살림), 김종건(동서대), 김종곤(건국대), 김종서(배재대), 김주희(이화여대), 김지나(서울대), 김창록(경북대), 김태균(서울대), 김홍미리(이화여대), 김화정(부산여성사회교육원), 김혜경(전북대), 김혜란(서울대), 김혜숙(아주대), 남동신(서울대), 남문희(시사 IN), 남지대(서원대), 노혜진(사회복지공동모금회), 도진순(창원대), 류동헌(LawBridge), 류만희(상지대), 마정윤(이화여대), 문경란(전 국가인권위원회 상임위원), 문병효(강원대), 문소정(서울대), 문준영(부산대), 박권일(저널리스트), 박민제(민주법연), 박병섭(상지대), 박선영(한국여성정책연구원), 박성호(인하대), 박숙경(경희대), 박정애(동국대), 박진경(인천대), 박차민정(아주대), 박찬성(서울대 인권센터), 박태균(서울대), 박태현(강원대), 박한용(민족문제연구소), 박해광(전남대), 박해숙(부산여성사회교육원), 박해순((사)한국군사문제), 박홍규(영남대), 배경식(역사문제연구소), 배문정(우석대), 배은경(서울대), 백시진(중앙대), 백재예(서울대), 백조연(중앙대), 변은진(방송대), 변정희(여성인권지원센터 살림), 서이종(서울대), 석재은(한림대), 성정숙(사회복지연구소 마:실), 소현숙(한양대), 송기춘(전북대), 송다영(인천대), 송도자(일본군위안부할머니와함께하는통영거제시민모임), 송리라(중앙대), 송찬섭(방송통신대), 신광영(중앙대), 신그리나(서울대), 신문희(부산여성장애인연대), 신상숙(서울대 여성연구소), 신숙(전국철거민협의회), 신영숙(이화여대), 신진욱(중앙대), 신필식(서울대), 신혜수(이화여대), 신혜숙(서울대), 심연주(부산대), 안건호(덕성여대), 안미수(부산대), 안창혜(중앙대), 양현아(서울대), 오길영(신경대), 오동석(아주대), 오미영(부산사회교육원), 오승은(한양대), 오정화(이화여대), 오태규(한겨레), 오하나(서울대), 와다 요시히로(연세대), 왕현종(연세대), 원경주(서울대 인권센터), 원민경(법무법인 원), 우동현(서울대), 유한희(서울대), 윤경원(동아시아사회문화포럼), 윤대원(서울대 규장각한국학연구원), 윤명숙(충남대), 윤선미(중앙대), 윤세병(유성생명과학고), 윤정옥(전 이화여대), 윤택림(구술사연구소), 윤홍식(인하대), 이경수(중앙대), 이경주(인하대), 이계수(건국대), 이귀우(서울여대), 이규수(고려대), 이기홍(강원대), 이나영(중앙대), 이동기(원주대), 이명숙(부산대), 이명원(경희대), 이민기(한신대), 이민아(중앙대), 이상수(서강대), 이상화(이화여대 명예교수), 이선이(경희대), 이선이(아주대), 이소영(제주대), 이소희(한양대), 이숙희(여성인권지원센터 살림), 이승현(성균관대), 이신철(성균관대 동아시아역사연구소), 이영란(부산대), 이용우(건국대), 이인선(한국여성정책연구원), 이인숙(부산장신대), 이일래(부산대), 이재성(계명대), 이재완(공주대), 이재승(건국대), 이재철(동국대), 이정옥(대구카톨릭대), 이정은(성공회대), 이정은(연세대), 이지원(대림대), 이진희(서울대), 이충은(제주대), 이하영(중앙대), 이현서(아주대), 이혜정(한국외국어대), 이호중(서강대), 임경화(연세대), 임봉(부산대), 임재홍(방송대), 임정기(용인대), 임종명(전남대), 임지현(서강대), 임호풍(방송대), 장경희(부산대), 장다혜(한국형사정책연구원), 장은미(서강대 언론문화연구소), 장필화(이화여대), 전갑생(서울대 아시아연구소), 전명혁(동국대), 전원근(서울대), 전재우(한양대), 정경숙(부산여성단체연합), 정명자(부산대), 정미례(성매매문제해결을위한전국연대), 정상우(인하대), 정수빈(경남근로자건강센터), 정은년(해운대구청소년상담복지센터), 정일영(서강대), 정슬기(중앙대), 정연보(한양대 비교역사문화연구소), 정영애(서울사이버대), 정재원(국민대), 정진성(서울대), 정철승(법무법인 The Firm), 정학수(강화고려역사재단), 정현미(이화여대), 정현숙(부산대), 정현일(부산대), 정현주(이화여대), 정현희(서울대), 정혜인(연세대), 조경희(성공회대), 조돈문(카톨릭대), 조성을(아주대), 조승현(방송대), 조시현(전 건국대), 조용환(법무법인 지평), 조영숙(경남여성회), 조우영(경상대), 주진오(상명대), 지은희(전 덕성여대 총장), 최관호(순천대), 최기자(서울대 인권센터), 최명민(백석대), 최영(중앙대), 최영애((사)여성인권을지원하는사람들), 최정학(방송대), 최종길(고려대 글로벌일본연구원), 최한미(인제대), 한봉석(역사문제연구소), 한승미(연세대), 한정숙(서울대), 한혜인(한국여성인권진흥원), 허민숙(이화여대 한국여성연구원), 허주영(호랑이출판사), 황경란(서울여대), 홍기빈(글로벌정치경제연구소), 홍성수(숙명여대), 홍성필(연세대), 홍순권(동아대), 홍양희(한양대 비교역사문화연구소), 홍찬숙(서울대 여성연구소), 황나리(중앙대), 후루하시 아야(중앙대), 황정미(고려대 아세아문제연구소) (이상 258명)

 

[국외]

 

Bukh, Alexander(Victoria University of Wellington, USA), Lee, Huibong(Japan), Lee, Kim Miho(University of Oxford, UK), Soh, Ok Cha(Washington Coalition for Comfort Women Issues, Inc., USA), 가시와자키 마사노리(柏崎正憲, 도쿄외국어대학, Japan), 가와 가오루(河かおる, 시가현립대학, Japan), 강신자(姜信子, 작가, Japan), 고바야시 도모코(小林知子, 후쿠오카교육대학, Japan), 고바야시 미도리(小林緑, 국립음악대 명예교수, Japan), 고바야시 히사토모(小林久公, 강제노동진상규명네트워크, Japan), 구로다 간고(黒田寛吾, 고노담화를 지키는 모임, Japan), 기누카와 도모미(Kinukawa, Tomomi, Japan), 기세 게이코(木瀬慶子, 평화활동가, Japan), 기쿠치 나츠노(菊地夏野, 나고야시립대학, Japan), 기타가와 히로가즈(北川広和, ‘일한분석’ 편집자, Japan), 기타하라 메구미(北原恵, 오사카대학, Japan), 기타하라 미노리(北原みのり, 작가, Japan), 김붕앙(金朋央, 코리아NGO센터, Japan), 김선미(Kim, Seonmi, Ramapo College of New jersey, USA), 김시강(金時江, 일본군 ‘위안부’문제의 해결을 원하는 홋카이도 모임, Japan), 김우기(金優綺, 재일본조선인인권협회, Japan), 김유석(University of Minnesota, USA), 김형정(金亨貞, 도쿄대학, Japan), 김낙호(Kim, Nakho, Penn State University Harrisburg, USA), 김부자(金富子, 도쿄외국어대학, Japan), 김한상(Boston University, USA), 나나오 히사코(七尾寿子, 일본군 ‘위안부’문제를 해결하는 홋카이도 모임, Japan), 나카노 도시오(中野敏男, 도쿄외국어대학, Japan), 남윤주(Nam, Yunju, University at Buffalo, USA), 남윤진(南潤珍, 도쿄외국어대학, Japan), 노조에 다츠시(野副逹司, 일본우와회, Japan), 노히라 신사쿠(野平晋作, 피스보트 공동대표, Japan), 니시무라 수미코(西村寿美子, 일본군 ‘위안부’문제 간사이 네트워크, Japan), 니시무라 유미코(西村由美子, 액티브 뮤지엄 ‘여성들의 전쟁과 평화 자료관’, Japan), 니와 마사요(丹羽雅代, 여성들의 전쟁과 평화인권기금, Japan), 다나미 아오에(田浪亜央江, 세이케이대학 아시아태평양연구센터, Japan), 다나카 나오코(田中直子, 일본군 ‘위안부’ 문제 간사이 네트워크, Japan), 다니모리 요코(谷森櫻子, ‘인간과 성’ 교육 연구 협의회, Japan), 다마시로 후쿠코(玉城福子, 오키나와국제대학, Japan), 다바 쇼코(田場祥子, ‘전쟁과 여성에 대한 폭력’ 리서치 액션센터, Japan), 다바 히로가즈(田場洋和, 네리마문화모임, Japan), 다케노부 미에코(竹信三恵子, 와코대학, Japan), 데라오 데루미(寺尾光身, 나고야공업대학 명예교수, Japan), 도쿠나가 리사(徳永理彩, 도쿄외국어대학, Japan), 리행리(李杏理, 히토츠바시대학, Japan), 마나베 유코(眞鍋祐子, 도쿄대학, Japan), 마수부치 아사코(増渕あさ子, University of Toronto, Canada), 마쓰노오 가오루(松野尾かおる, 일본군 ‘위안부’ 문제 간사이 네트워크, Japan), 마에다 아키라(前田朗, 도쿄조케이대학, Japan), 마키노 마사코(牧野雅子, 교토대학, Japan), 모리 가즈메(森一女, 일본군 ‘위안부’ 문제 간사이 네트워크, Japan), 모리카와 시즈코(森川静子, Japan), 무리카미 요코(村上陽子, 세이케이대학 아시아태평양연구센터, Japan), 박노자(Vladimir Tikhonov, Oslo University, Norway), 방청자(方清子, 일본군 ‘위안부’ 문제 간사이 네트워크, Japan), 사이토 마사미(斉藤正美, 도야마대학, Japan), 사이토 미키코(齋藤美紀子, Japan), 사이토 치카(済藤智香, 아시아의평화와역사교육연대, Japan), 사카모토 히로코(坂元ひろ子, 히토츠바시대학, Japan), 사토 슈이치(さとうしゅういち, 히로시마세토우치 신문, Japan), 사토 치요코(佐藤千代子, Japan), 서경식(徐京植, 도쿄경제대학, Japan), 세노 기요(せのきよ, 아라카와구 의원, Japan), 스즈키 유코(鈴木裕子, 와세다 대학 젠더연구소, Japan), 시마다 요시코(嶋田美子, 예술가, Japan), 시바 요코(柴洋子, Japan), 신창우(愼蒼宇, 호세이대학, Japan), 신은경(Shin, Eunkyong, Columbia University, USA), 아다치 요코(安達洋子, 중국인 ‘위안부’ 재판을 지원하는 모임, Japan), 아라이 마리(荒井眞理, 사도시의회 의원, Japan), 아사카와 시호(浅川志保, Japan), 아츠타 게이코(熱田敬子, 대학 강사, Japan), 아키바야시 고즈에(秋林こずえ, 도시샤대학, Japan), 야마구치 가츠토(山口達人, Japan), 야마구치 아키코(山口明子, Japan), 야마다 게이코(山田恵子, ‘전쟁과 여성에 대한 폭력’ 리서치 액션센터, Japan), 야마모토 가즈미(山本和美, 액티브 뮤지엄 ‘여성들의 전쟁과 평화 자료관’, Japan), 야마시타 후미코(山下芙美子, 하이난네트워크, Japan), 양영준(Yang, YoungJun, Ludwig-Maximilians-Universität München, Germany), 에구치 마사키(江口昌樹, 게이와가쿠엔대학, Japan), 오노 마사미(小野政美, 전 아이치현 교원, Japan), 오노자와 아카네(小野沢あかね, 릿쿄대학, Japan), 오세종(呉世宗, 류큐대학, Japan), 오오카와 마사히코(大川正彦, 도쿄외국어대학, Japan), 오카노 야요(岡野八代, 도시샤대학, Japan), 오카다 다이(おかだだい, 일본군 ‘위안부’문제 간사이 네트워크, Japan), 오카모토 유카(岡本有佳, 편집자, ‘위안부’문제전문 사이트 Fight for Justice, Japan), 오카하라 미치코(岡原美知子, 일본군 ‘위안부’문제 해결 히로시마 네트워크, Japan), 오혜경(Ohe, Hye-Gyeong, 국제기독교대학, Japan), 요시이케 도시코(吉池俊子, 아시아 포럼 요코하마, Japan), 요코미치 아키코(横道昭子, 일본군 ‘위안부’문제 간사이 네트워크, Japan), 우에다 사키코(上田佐紀子, ‘전쟁과 여성에 대한 폭력’ 리서치 액션센터, Japan), 윤혜신(Yoon, Hyaesin, Central European University, Hungary), 이미애(Lee, Mi-ae, 르아브르 대학, France), 이연숙(히토츠바시대학, Japan), 이연정(李妍政, University of Calgary, Canada), 이게타 미도리(井桁碧, ‘전쟁과 여성에 대한 폭력’ 리서치 액션센터, Japan), 이다 구미코(伊田久美子, 오사카부립대학 여성학연구센터, Japan), 이시카와 이츠코(石川逸子, 시인, Japan), 이정실(Lee, Julie Jungsil, Washington University of Virginia, USA), 이치노헤 쇼코우(一戸彰晃, 군산 동국사를 지원하는 모임 대표, Japan), 이케다 에리코(池田恵理子, 액티브 뮤지엄 ‘여성들의 전쟁과 평화 자료관’, Japan), 이케우치 야스코(池内靖子, 리츠메이칸대학, Japan), 이타가키 류타(板垣竜太, 도시샤대학, Japan), 이토 다리(イトー・ターリ, 퍼포먼스 아티스트, Japan), 이토 루리(伊藤るり, 히토츠바시대학, Japan), 정영혜(鄭暎惠, 오츠마여자대학, Japan), 정민우(Jung, Minwoo, University of Southern California, USA), 조혜정(Jo, Hyejeong, University of Pennsylvania, USA), 치 나오미(池直美, 홋카이도대학, Japan), 하야시 요코(林葉子, 오사카대학, Japan), 하야오 다카노리(早尾貴紀, 도쿄경제대학, Japan), 하야카와 노리요(早川紀代, 총합여성사학회 전 대표, Japan), 홍윤신(洪玧伸, 와세다대학 국제언어문화연구소, Japan), 후지나가 다케시(藤永壯, 오사카산업대학, Japan), 히라이 미츠코(平井美津子, 아이들과 교과서 오사카 네트워크 21 사무국장, Japan), 히라타 미사코(平田三佐子, Japan), ‘여성, 전쟁, 인권’ 학회(「女性・戦争・人権」学会, Japan), 가주한미포럼 KAFC(USA), 시미즈 아키코(清水晶子, 도쿄대학, Japan) (이상 122명)

“그 배후에 재일조선인 지식인이 있다”(박유하)는 건 무슨 말인가

 

도대체 왜 이런 식의 표현밖에 못하는가. 정말로 화가 난다. 마이니치 신문(毎日新聞)에 실린 박유하에 대한 인터뷰말이다. 

한국에서 나를 고소하게 되었지만, 그 배후에는 재일조선인 지식인이 있고, 고소 후에도 일본 연구자의 연구에 기초하여 내 책은 거짓이라고 원고 측이 계속 주장한 점으로 보아서는 일본과도 연결되어 있다. 

 이번 고소의 배후에는 재일조선인 지식인이 있다니 무슨 말인가. 이것은 도대체 누구를 가리키는가. 미리 밝혀 두지만, 나는 나눔의 집여성들이 행한 고소에는 아무런 관계가 없다. 여성들이나 나눔의 집관계자와 면식도 없다(나는 아예 한국에 입국을 못한다). 그렇지 않으면 다른 누군가를 가리키고 있는가. 무엇을 근거로 이렇게 함부로 박유하는 말하는가. 박유하는 이제 적당히 나눔의 집의 여성들이 누군가에게 조종당하고 있는 듯한 인상 조작을 그만두어야 한다.

 

 계속 지적해 온 것이지만, 박유하는 반론할 때 비판에 답하지 않고 비판자의 속성이나 악의(‘오독’ ‘왜곡’)을 문제삼는 악벽이 있다. “배후에는 재일조선인 지식인이 있다는 근거 없는 주장에도, 자신을 재일조선인(남자)’이 비판하고 있다는 구도를 만들고 싶어 하는 욕망이 뚜렷이 보인다. 물론 화해를 위해서제국의 위안부을 비판한 것은 재일조선인만이 아니다. 일찍부터 박유하를 비판한 것은 니시노 루미코(西野瑠美子)였고, 나카노 도시오(中野敏男), 마에다 아키라(前田朗) 외에 다양한 비판이 있다(박유하 화해를 위해서를 둘러싼 논쟁재고(1)의 참고문헌 참조).

 

 같은 기사에는 다음과 같은 발언도 실려 있다.

 

문제점을 지적할 때에는 자신의 해석이 개입된다. ‘매춘부여서는 안 된다라거나 자발적이어서는 안 된다는 관념이 있다. 물론 나는 자발적인 매춘이라는 말을 사용하지 않았다. 전체적으로 그런 식으로 받아들여지기 쉬운 서술방식이었는지는 모른다. 하지만 나는 그것이 중요한 포인트가 아니라고 말하는 것이다. 모든 것은 독해, 해석의 문제이다. 나는 전공이 문학이라서 텍스트 읽기를 계속 해 왔다. 그만큼 독해에 인내가 필요한 서술을 하고 있을지 모른다. 라고 쓰고 아니 동시에 이기도 하다는 식으로. 일본과 한국의 지원자와 비판자 모두에게 쓰고 있기 때문이다. (문제점을) 분석한 사람은 그곳을 인내하며 읽지 않은 것이라고 생각한다. 

 모든 것은 독해, 해석의 문제일 리가 없을 것이다. 당연히 사실이 문제이지 않은가. 박유하는 명백히 자발적매춘이었다는 것은, 조선인 위안부의 중요한 특징이라고 주장하고 있다. 이것은 사실의 문제이다. 그에 입각하여 '해석'의 차원에서 우파를 '비판'하고 있을 뿐이다. 그렇기 때문에 박유하의 사실 이해가 비판받고 있는 것이다. AA’ 운운하는 것도 완전히 터무니없다. 제국의 위안부에는 명백히 양립할 수 없는 AB가 제멋대로 나열되어 있어서 독자가 혼란스러워한다고 말하고 있는 것이다. 독자의 인내력 부족에 책임을 전가해서는 안 된다. 박유하는 종종 발뺌하기 위해 문학연구를 이용하지만, 본래 문학연구자야말로 그러한 악용을 비판해야 할 것이다(고모리 요이치는 내용을 평가하고 있지만). 박유하는 스스로의 저작이 비판받는 원인을 비판하는 측의 속성이나 능력 탓으로 하는 근시안적인 반론을 이제 적당히 그만두어야 한다.

 

(정영환)

원문: 「その後ろには在日の知識人がいる」(朴裕河)とはどういうことか

日本軍「慰安婦」被害者の名誉毀損事件の捜査結果(ソウル東部地方検察庁 2015 . 11. 18 報道資料)

 

Ⅰ.概要

●ソウル東部地方検察庁刑事第1部(部長検事グォンスンボム)は「帝国の慰安婦」著者AOOが、上記の本を介して日本軍慰安婦被害者の名誉を毀損した事件を捜査して2015 年11月18日、AOOを名誉毀損罪で在宅起訴した。

検察は、国連の調査資料、大韓民国憲法裁判所の決定、米連邦下院決議文、日本国河野談話など客観的な資料を通じて、上記の本の内容が虚偽の事実として、日本軍慰安婦被害者の名誉を毀損したことを確認した。

 

Ⅰ.被告と控訴事実要旨

1. 被告:AOO(OO大学教授)

2. 控訴事実要旨

被告人は、2013年8月12日、「日本軍による日本軍慰安婦強制動員または強制連行の事実を否定して、日本軍慰安婦は、基本的に売春の枠組みの中にある女性がとか自発的に売春婦であり、日本帝国の一員として日本国の愛国心や誇りを持って、日本人兵士たちを精神的・物理的に元してくれる慰安婦に生活しながら日本軍と同志的関係にあった。」という虚偽の事実が記載された「帝国の慰安婦」の本を出版し、公然と日本軍慰安婦被害者の名誉を毀損。

 

Ⅱ.捜査の経過と捜査結果

 1. 捜査経過

2014. 6. 日本軍慰安婦被害者たち11人告訴状提出
2014. 6.〜2015 3. 原告側と被告訴人側の調査、客観的資料の収集・検討
2015. 4.〜10. 当事者の申請に基づいて刑事調停を進行(刑事調停不成立)
2015.11.18.  AOO在宅起訴

 

2. 捜査結果

●被告人は、客観的資料に反する虚偽の事実を適示したこと


- 19938月4日付河野洋平官房長官談話、国連人権委員会の1996年1月4日付クマラスワミ報告書および1998年8月12日マクドゥーガル報告書、大韓民国憲法裁判所、2011月8月20日付2006ホンマ788決定、2007年7月30日付・米国連邦下院決議など客観的な資料に基づいて、日本軍慰安婦被害者は性奴隷に相違ない被害者であることが認められて、そのような状況で日本国と日本軍に愛国的また自発的に協力していないにもかかわらず、
AOOは、上記の本にて、下記の表現などで、「日本軍慰安婦は、基本的に売春の枠の中にある女性で、自発的な売春婦であり、日本国の愛国心または誇りを持って、日本人兵士たちを精神的、身体的に慰安してくれる慰安婦として生活しながら、日本軍と同志的関係にあった」と虚偽の事実を適示した。

 

 -「朝鮮人慰安婦の苦痛が日本人娼妓の苦痛と基本的に変わらないことをまず知る必要がある」
  -「『慰安』は、過酷な弱肉強食構造の中で、実際にお金を稼げたものは少なかったものの、基本的には、収入が予想される労働であり、その意味では『強姦的売春』だった。あるいは『売春的強姦』だった」
  -「朝鮮人『慰安婦』を指す『朝鮮ピー』という言葉は、朝鮮人に対する露骨な蔑視が現れている。兵士たちが彼女たちをこうも簡単に強姦できたのは、彼女たちが“売春婦”だったからでもあるが、何よりも“朝鮮人”だったからだ」
  -「そのような精神的な”慰安者”としての役割―自分の存在に対する(やや無理があるとしても)誇りが、彼女たちが直面していた厳しい生活を耐え抜く力になっただろうというのは、十分に想像できる」
  -「それは朝鮮人慰安婦と日本軍の関係が、基本的には、同志的な関係だったからだ」
  -「日本人、朝鮮人、台湾人『慰安婦』の場合、“奴隷”的ではあったものの、基本的には軍人と“同志”的な関係を結んでいた」
  -「ホロコーストには『朝鮮人慰安婦』の持つ矛盾、つまり被害者でありながら、協力者という二重の構図はない」
  -「『朝鮮人慰安婦』は、被害者であったが、植民地人としての協力者でもあった」
  -「『慰安婦』を“誘拐”して“強制連行”したのは、少なくとも、朝鮮の土地では、そして公的には日本軍ではなかった」
  -「少なくとも“強制連行”という国家暴力が朝鮮の慰安婦に対して行われたことはない」

 

●被告人の行為は、学問の自由を逸脱したものであること

- 良心の自由、言論及び出版の自由、学問の自由などは、私たちの憲法が保障する基本的な権利とはいえ、何の制限がないわけではなく、憲法第37条第2項により国家の安全保障、秩序維持または公共福利のために必要な場合には、その自由と権利の本質的な内容を侵害していない範囲内で制限することができるものであるが(最高裁2007ト10121)、上記の表現は、日本軍慰安婦被害者の社会的価値ないし評価を著しく大きく阻害する虚偽の事実を適示して、被害者の人格権と名誉権を重大に侵害し学問の自由を逸脱した。

 

[原文]서울고등검찰청 일본군위안부 피해자 명예훼손 사건 수사결과

 

※関連記事:『帝国の慰安婦』著者起訴... 慰安婦被害者の名誉毀損 : ハンギョレ

「帝国の慰安婦」論争 第2ラウンド…なぜこの本を書いたのか

‘제국의 위안부’ 논쟁 2라운드…왜 이 책을 쓴 걸까 : 일본 : 국제 : 뉴스 : 한겨레

 

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2014年2月19日、ソウル鍾路区中鶴洞の日本大使館前で開かれた「慰安婦問題解決のための定期水曜デモ」で、市民たちが大使館前の少女像に花模様のチマとセクトンチョゴリを着せた。「帝国の慰安婦」を執筆した朴裕河教授は、慰安婦問題の「解決」のために「時には聞きたくない話」も聞かなければならないという立場であるが、これに関する論争は日を追って過熱していく様相だ。

 

▶韓国社会は、朴裕河・世宗大教授の著書「帝国の慰安婦」をめぐる賛反で真っ二つに分かれた状態だ。慰安婦問題を見る韓国社会の「古い」民族主義に対する賛反から始まった今回の論争は、17日、法院で出版禁止の仮処分決定が出された後、「表現の自由」の問題にまで広がってしまった。熾烈な討論が進む間、著者が何を語ろうとしたのかを顧みようという試みは、少なくなっている。朴教授は、この本を通して何を試みたのか。そして、これは果たして成功したのか?

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 旧正月の連休中、フェイスブックに代表されるSNSを沸き立たせたのは、朴裕河・世宗大学教授(日本文学)の著書「帝国の慰安婦」(2013年)をめぐる、いわゆる「表現の自由」論争だった。旧正月の連休が始まる1日前の17日、ソウル東部地法民事21部(高チュンジョン裁判長)が、「ナヌムの家」の慰安婦ハルモニ9人が朴教授を相手取って起こした図書出版禁止などの仮処分訴訟について、ハルモニたちの人格権を侵害する34か所の表現を削除しなければ、本を販売・配布できないと決定したためだ。

 裁判部が削除の必要性を認定した部分は、「朝鮮人慰安婦の苦痛は、日本人娼婦の苦痛と基本的に違いがない」「朝鮮人慰安婦と日本軍の関係は、基本的に同志的な関係だった」など、この間、同書をめぐる熱い論争の核心となる記述だった。

 

朝鮮時代の「隷訟論争」のよう

 

 判決が出されるや、インターネット空間は、たちまち判決に対する賛反で熱を帯びていった。ふだん韓国の民族主義や国家主義に辛辣な批判をしてきた朴ノジャ(オスロ国立大教授)は、「それでも、慰安婦という未曽有の犯罪を自分たちが被害者として意識しなければならないということが通念化され、この通念が今回の判決に反映されたことは幸運なこと」だという立場を表明したのに対して、カン・ナムスン(テキサス・クリスチャン大学、ブライト神学大学院教授)は、「本に問題があるのなら、それは本を読む市民自らが評価できなければならないもので、裁判所が強制的に『読めなく』させることは、独裁政権下で『公共の利益』の名目で無数の『禁書』を指定した姿を想起させる」と反対意見を表明した。わが国の社会で許容される表現の範囲に対する判断を法院に委ねることは望ましくないが、自分たちの名誉が損なわれたと感じる慰安婦の被害者ハルモニたちに「我慢しろ」と要求することが正しいのかについての判断も必要である。

  朴裕河教授は、判決が出た後、「削除すれば出版しても良いと言うが、私は一か所も削除する考えがない」として、この問題を本案訴訟で引き続き争うという意思を表明した状態だ。ある人が、今回の論争について、朝鮮王朝の顕宗の時代に起きた「隷訟論争」(仁祖の継妃である趙大妃の喪礼問題をめぐって南人派と西人派が二度にわたって対立した事件)のようだという意見を披露したように、慰安婦を論じる多少硬派の「教養書」に韓国社会が示している現在のような反応は、明らかにたいへん例外的なものだ。

  この本をめぐる最近の論争は、第2ラウンドだと言うことができる。最初の論争が始まったのは、昨年6月に、慰安婦被害者のハルモニたちがこの本に対する出版禁止の仮処分申請を出した時だった。事実、この本は、2013年8月に初めて公開された時には、慰安婦問題について苦心してきた学界や市民社会から無視されていた。しかし、訴訟が始まって、この本に書かれている慰安婦についての様々な描写と表現(特に同志的関係)が韓国社会に本格的に伝わり、それが韓国社会が共有してきた一般的な常識や法感情などと衝突を起こし、本格的な論争が始まった。論争の位層は実に複雑で多様だった。朴教授が活用している慰安婦の証言と資料引用の偏りを指摘する方法論についての論難、慰安婦に投影される韓国社会の(過度な)民族主義に対する過度の好き嫌い、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など既存の運動団体の運動スタイルに対する賛反などに加えて、慰安婦問題を日本政府による「犯罪」と言うよりは植民地の朝鮮半島を支配していた「家父長的枠組み」の中で見ようという朴教授の主張に対するフェミニズム陣営の反応まで、多様な主張が折り重なったためだ。ここに、安倍晋三総理が昨年進めていた河野談話(1993年)検証などの歴史修正主義的な動きが韓国に伝わり、論争はさらに熾烈で過激になっていった。

  しかし、この本をめぐる論争が突破口を見いだせないもう一つ別の理由がある。それは、この本の「検討対象が曖昧なうえに、引用する概念が理解可能な形式で整理されていない」(鄭栄桓・明治学院大学教授)ためだ。この本が結局何を言いたいのかが非常に曖昧なうえに、一見矛盾しているように見える記述があちこちに散在している。そのために、本の賛反論争に足を踏み入れた多くの人々は、双方に向かって「本を読んだのか」と言い合い、同じ記述を読んで正反対の解釈を引き出すことが発生したりもする。

 

「34か所の表現を削除した後に販売」決定が出た慰安婦ハルモニたちの仮処分訴訟

複雑で多様な論争の位層の中、熾烈で過激になる賛反論争

 

 朴教授は、なぜこの本を執筆したのだろうか。韓国語版の序文を見てみよう。著者は、自身が2005年に出版した「和解のために」に書いた一部の記述を引用して、「慰安婦問題はなぜ10年以上も解決しないでいるのか。日本が周辺国の批判にも変わっていないのであれば、今までの批判が形式と内容に問題があったことにも原因がなくはない」と記している。慰安婦問題が解決していないのなら、その理由を日本にだけではなく韓国内部にも探す必要がある、という指摘だ。

 朴教授を理解するために最も重要なキーワードは、序文に書かれてるこの「解決」という単語だ。彼女が本を書いた理由は、慰安婦問題が10年を超えて今や「20年以上もいまだ解決されない」でいるからであり、この問題を解決しようとするのなら、「時には聞きたくない話」も聞かなければならない。なぜ私たちは、聞きたくない話を聞かなければならないのだろうか。「そのような窮屈さと痛みを経なくては、慰安婦問題を『解決』できないため」だ。

 韓国の憲法裁判所が2011年8月に「政府が慰安婦問題の解決のために外交的努力をしないことは違憲」だという決定を下した後、韓日両国政府は、慰安婦問題の解決のために、去る3年間、熾烈な外交交渉を続けてきた。それにもかかわらず、この問題はいまだに解決の糸口を見いだせていない。朴槿恵政府が日本政府に「誠意ある先行措置」をとることを要求しているからだ。この先行措置は、韓国社会で、慰安婦問題が当時の日本軍による犯罪だったという「法的責任」を日本が認め、それに見合う賠償をすることだと受け入れられている。

  このために、去る20年以上の間、韓日の慰安婦運動団体と学者たちは、慰安婦の動員過程、慰安所の設置・運営過程で日本政府の法的責任を明確にしようと試みを続けてきた。その間、長い論争を経て、最近、韓日両国が再びたどり着いた結論は、日本政府が道行く女性たちの頭を掴んで拉致するというやり方の「強制連行」を直接指示したという証拠は発見されなかったが、河野談話で指摘された「慰安婦の募集・移送・管理なども甘言・強圧を通じてなされるなど、全体的に本人たちの意思に反してなされた」という動員過程の強制性を否定することもできない、という事実だ。内心では河野談話を否定したい安倍政権が、結局は談話を継承するという意思を明らかにしたことは、米国など国際社会の圧力のためではあるが、談話自体を否定することが事実上不可能だということを認識したためである。

 

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日本軍慰安婦被害者のハルモニが、昨年6月16日にソウル広津区の東部地方検察庁の民願室前で「帝国の慰安婦」の本を掲げて記者会見を行っている。慰安婦被害者のハルモニたちは、この本を書いた朴裕河・世宗大教授と出版社を名誉棄損容疑で告訴した。2014.6.16ソウル

 

「業者の責任」を強調 

 

  この時点で朴教授は、日本の右翼でなければまったく試みない、実に独特な挑戦に立ち向かう。すなわち、慰安婦問題について日本政府の「包括的」な法的責任を追及しようという既存の学者や活動家とは違って、日本政府に法的責任がないという点を論証しようと努力するのだ。そのため、朴教授は、慰安婦の動員過程に積極的に介入した(特に朝鮮人)業者の責任を強調し、「か弱き女性」というイメージの中に覆われている「日本の軍人と恋愛もし、慰安を愛国という仕事と考えもした」といった「本当の慰安婦」たちの姿を紹介している。彼女は、慰安婦問題が発生した原因として、家父長制の責任を指摘しているが、それもまた、慰安婦たちがそのような苦痛を受けた1次的な原因は、当時の不幸であった社会像のためであり、日本政府の責任ではないという点を強調するための装置だと読める。しかし、そう言いながら、所々で「他国の地域に軍隊を駐屯させて戦争を行うことによって巨大な(性的)需要を作り出したという点で、日本はこの問題で責任を負わなければならない第一の主体だ」と強調するなど、この問題の1次的な責任が日本政府にあるという指摘を忘れていない。しかし、著者の見解は、日本政府に慰安婦を作り出す構造的な「罪」に対する責任を問うことはできるが、それが法的責任を負わなければならない「犯罪」ではない、というものだ。そうして、日本政府の法的責任を追及する糸口である慰安婦の動員過程で広範囲になされた人身売買に対する軍の黙認と慰安所の設置に対する軍の指示などへの言及は、消極的に扱っている。

 続いて朴教授は、日本政府が「法的責任」を負わなければならないという主張を曲げない挺対協に非難の矢を向ける。挺対協が、自分たちが考える運動の正義のために「20万人のか弱い少女」という「一つの固定された慰安婦のイメージを作っ」ており、このような過程を通じて、実際に日本を「許し」て「和解」する意思がある慰安婦のハルモニたちの低い声を埋もれさせている、と言うのだ。そして、さらに「合邦(韓日併合条約)が両国の条約締結を経たものであるから、法的には有効だった」として、「植民地支配という不法行為に対する他国の国民動員に関する賠償」を通じて慰安婦に対する賠償を主張することはできず、1965年の韓日条約で個人の請求権が消滅し、個人の補償を要求する根拠もなくなったという指摘も忘れていない。彼女はなぜ、このような主張をしているのだろうか。朴教授は、昨年11月に出版された日本語版の後記で、もう一度、「慰安婦問題の理解と解決の方法が変わらなければ、この問題は永遠に解決しないだろうと断言できる。そして、韓日関係は今以上に打撃を被る」だろうと切々と訴える。

 それでは、朴教授が言う「解決」とは何なのか。著者は、これが何なのかについては説明していないが、推定する材料はある。まず、朴教授は、日本政府が河野談話の後続措置として提案したアジア女性基金(1995~2007年)について、非常に肯定的な評価をしている。日本は、この基金を通じて慰安婦の被害者1人につき慰労金(※)200万円(日本国民の募金)と医療支援金300万円(日本政府の予算)を支給した。しかし、韓国と台湾の被害者たちは、日本政府が法的責任ではない道義的責任だけを認めたとして、この基金を受け取らなかった(※)。朴教授は、この基金の専務理事として活動した和田春樹・東京大学名誉教授らとともに、昨年4月、ソウルで「第3の声」というシンポジウムを開催したことがある。

※日本側は200万円の支給を「償い金」と呼んでいる。また、韓国では11人の被害者が「償い金」を受け取った。

 

日本政府に1次的責任があるが明白な「法的責任」はないという日本の右翼の主張を受け入れた朴教授

 奇妙な論理の善意はあっても解決にはほど遠い虚しい試み

 

 朴教授は著書の中で、慰安婦問題は日本の植民地支配によって発生した問題であるため、これに対する「謝罪と補償」をする必要があると言い、「補償の形態を決める過程に支援団体と慰安婦を参加させなければならない」「謝罪と補償をするのなら、世界に向かって日本の考えを明らかにする公式的な形態を帯びなければならない」「国民基金(アジア女性基金)は、韓国人慰安婦に対する支給状況に関する未公開資料を公開しなければならない」「日本政府が政府の国家予算で補償に乗り出したのなら、そのような政府を積極的に評価して支援しなければならない」と言明している。このような言及を総合してみると、朴教授が考える解決策とは、「アジア女性基金を受け取れなかったハルモニたちに日本政府の予算で償い金を支給し、(日本が法的な責任を負わなければならないのか道徳的な責任を負わなければならないのかという論争が激しいので)日本の道徳的な責任に言及せずに、全体的に日本の責任だと認定」しようという和田名誉教授の提案(「ハンギョレ」2014年3月5日付6面)や、2012年の李明博―野田政権末期に論議された△野田総理が李明博大統領に謝罪し、△武藤駐韓大使が慰安婦のハルモニたちを訪問して謝罪し、△政府予算を加えて補償をする、という妥協案に酷似した主張であることが推測される。朴教授は、日本語版では、これに加えて日本の国会決議が必要だとして、要求事項をもう少し高めている。

 

私たちはなぜ慰安婦問題の解決を望んだのか

 

 結局、この本は、多くの論難にもかかわらず、慰安婦問題に対する日本政府の責任を免罪しようという話をしているのではない。むしろ、その反対に、日本政府に「法的責任」がないという(日本の右翼の)主張を受容する方式を通じて両国間の異見を狭めた後、日本のリベラルが要求している妥協案+αを日本政府が受け入れるよう決断を求めているのだ。

 しかし、私たちはなぜ慰安婦問題の解決を望んできたのか。戦時下の女性に強要された拭い去ることのできない人権侵害に対して、国家が厳格に責任を負うよう主張し、人類社会に同じ悲劇が再び繰り返されないよう警鐘を鳴らすためにではなかったのか。そして、韓国社会は、日本に当てはめるその厳格な尺度を自らにも適用し、「基地村浄化計画」という名の下に恣行された米軍慰安婦問題とベトナム戦争期になされた韓国軍の戦時性暴力に対する国家の責任を、より厳しく追及していかなければならない。結局、朴教授が提示した奇妙な論理の善意を理解できないわけではないが、「自らの肩を差し出して相手の心臓を突き刺す」妙案ではなく、「自らの心臓を差し出して相手の髪の毛にも触れられない」試みだったと判断せざるを得ない。朴教授の主張を活用して世界を相手に「歴史戦争」に乗り出すという日本の右翼の声が少しずつ聞こえてくる点を考えれば、慰安婦問題の解決の展望は、「帝国の慰安婦」が出版される前と比べて、さらに暗くなったように思える。

 

 ハンギョレ新聞 吉倫亨(キル・ユニョン)特派員(東京) 2015.2.27

 

 

 

 

韓国KBS放送不可「朴正煕―岸信介の親書」(ニュース打破 20115.11.12)

 

日韓国交正常化当時の朴正煕大統領が岸信介氏に日韓会談の進展のための助力を要請する親書を送った事実をつきとめたKBSの取材チームに、幹部が圧力をかけて放送を阻止した事を明らかにした、在野のネットテレビ放送「ニュース打破」(*1)の放送動画と文字起こしを下記に紹介します。

 

 

 韓国KBS放送不可「朴正煕―岸信介の親書」(ニュース打破 20115.11.12)

 

<キャスター>
 事実、マスコミの関心から見ると、政府樹立後に勲章が授与された70万名の名簿を入手したということが、たいへん大きな特ダネであり、誇るべきことです。しかし、この大きな特ダネを、KBSの幹部たちは、放送できないように妨害しています。
 彼らは、さまざまな内容を削除せよと要求してきたということですが、そのうちの一つが、朴槿恵大統領の父の朴正煕元大統領が、韓日条約締結の過程で、日本の岸信介元首相に送った2通の親書の内容です。どのような内容で、KBSの幹部は、自分たちが取ったこの特ダネの放送を妨害しているのでしょうか。金セボムPDが取材しました。

 

<ナレーション>
朴正煕元大統領は、在任期間中に、70数名の日本人に勲章を授与しました。この中で、KBS調査報道取材チームが特に注目した人物は、岸信介です。日本の総理を務め、安倍現総理の外祖父でもある岸信介は、1970年6月18日に青瓦台で修交勲章光化章を授与されました。朴正煕大統領が彼に勲章を授与した名目は、1965年の韓日国交樹立に対する功労でした。
 岸信介は、日本政界の影の実力者として、韓日条約の締結を水面下で主導した人物です。彼は、1936年に満州国の産業次官に着任して植民地収奪を主導し、以後、太平洋戦争当時、日帝の商工大臣として軍需物資の調達に責任を負うなど、数万人の朝鮮人の青年を強制動員して死に追いやったA級戦争犯罪者でした。

 

<「花岡の涙」、目撃者たちの放送文 2015.8.7>
 日本の秋田県で朝鮮人が最も多く連れて来られた所が、花岡鉱山だった。忠清南道のタンジン郡の出身者だけで80人近くになった。みな、日本の商工省が斡旋して徴用した人々だ。

○茶谷十六:前民族芸術研究所所長
 花岡鉱山は、すべて商工省の斡旋でした。その商工省の最高責任者である商工大臣が、岸信介です。戦後、戦犯として囚われましたが、裁判を免れて、後に総理大臣になりました。現在の安倍総理の祖父です。
○朴ハニョン:民族問題研究所教育広報室長
 1940年代に最も多くの人々が強制動員されて亡くなりました。戦場に動員され、軍人として動員され、労働者として強制連行されて奴隷労働に従事した時、まさにそのようなことを立案して実行に移した責任者です。そのような点で見ると、侵略戦争で朝鮮人を犠牲にした責任者のうちの一人であるということですね。

 

<ナレーション>
KBS調査報道取材チームは、朴正煕と岸の関係を取材する中で、朴正煕が岸に送った2通の親書を確認しました。現在、原本は日本の国会図書館に保管されていますが、韓国国内にその写本が、国史編纂委員会にあります。その手紙にどんな内容が書かれているのか。ニュース打破は、国史編纂委員会を訪れて、確認してみました。
5・16クーデターで執権した朴正煕は、国家再建最高会議議長の資格で1961年8月と1963年8月、当時、総理職から退いていた岸信介に親書を送ります。韓日国交樹立の条約を締結するのに力を貸してほしいという内容です。

「さらに、今後再開される韓日国交正常化交渉における閣下(岸信介)の格別の協力こそが、大韓民国と貴国との強固な紐帯は両国の歴史的な必然性であると主張する貴下の思いが具現化されることだと考えます。」
-1961年8月、朴正煕国家再建最高会議議長が岸信介に送った親書
「韓日間の国交が一日も早く正常化しなければならないということは、私の変わりない信念です。」「貴下におかれましても、常に韓日関係の改善に関心をお持ちになり、積極的な努力を惜しまないことに対して、私は深い謝意を表すところであり、韓日会談の早期妥結のためにより一層の協力を願わずにはおれません。」
-1963年8月、朴正煕国家再建最高会議議長が岸信介に送った親書

学界の専門家たちは、1965年の韓日国交樹立の過程と内幕を垣間見ることのできる資料だと評価しています。

○南ギジョン:ソウル大学日本学研究所副教授
 もちろん、そこには(岸信介の場合)、対等な立場で新たな関係を結ぼうということよりも、いずれにせよ岸の頭の中には、過去にあった満州での経験がベースにあったと言うことは明らかですね。それが、大アジア主義だとか日本盟主論というものが反共主義と結合して、日本がアジアでリーダーの役割を果たす、自任するという立場から出た行動です。

<ナレーション>
 興味深いことは、岸の返信と朴正煕の2度目に送った手紙の伝達者の役割を、親日派の朴興植が引き受けたという点です。
 朴興植(1903~1994)は、日帝に数百万円の金を献金し、1944年には日帝に戦闘機を贈る目的で朝鮮飛行機工業株式会社を設立するなど、日帝の侵略戦争に積極的に協力した代表的な親日派です。そのため、朴興植は、1949年に反民族行為特別委員会の逮捕者第1号として記録され、2009年、大統領所属委員会も、彼を親日反民族行為者と規定しています。
 過去に、カン・サンジュン教授らが執筆した「岸信介と朴正煕」という本で、この親書の内容の一部が言及されたことはありますが、マスコミが親書の正文を確保してその内容と脈絡を紹介したことは、KBS調査報道チームが初めてです。
 しかし、KBSの報道本部の幹部たちは、制作記者チームに、この親書に関する内容をすべて削除せよと要求しました。

○南ギジョン:ソウル大学日本学研究所副教授
 一方は朴正煕大統領の娘であり、もう一方は岸信介総理の外孫であり、そのような関係が現在の韓日関係を引っ張っていくリーダーになっているため、過去の歴史が既視感として迫って来ざるを得ない、そんな部分があるでしょう。過去の歴史が持っている、いまだに解決されていない韓日関係の宿題のようなものが、今、両国を押さえつけていると言うことができるでしょうし、そのことが現政権に負担になっていることは事実のようです。

<ナレーション>
 このように、KBS調査報道チームが深層取材した重要な内容が放送されないままでいる間に、韓日首脳会談が開かれました。しかし、青瓦台の説明とは異なり、日本軍「慰安婦」問題の解決のための実質的進展はありませんでした。むしろ、安倍総理が朴槿恵大統領に、日本大使館の前に設置された少女像の撤去を求めたと言う記事が、日本のマスコミで報道されています。
 朴正煕元大統領が戦犯の岸に送った手紙と日本人に授与した勲章の内訳を通じて、現在の韓日間の過去史問題の根本を暴き出したKBS調査報道チームの取材努力は、KBS幹部の統制に妨害されて、水の泡となってしまいました。

 

 

 

 

 

 

*1:「ニュース打破」に関するハンギョレ新聞記事(2012年1月31日)

≪ニュース打破≫初回放送4日間で30万回照会 : 政治 : ハンギョレ

 

 

[動画出典] 

https://www.facebook.com/100008801346833/videos/1492430204393677/?fref=nf 

デイリーNKなどの反共団体がCIAフロント組織より提供された2009年度と2014年度の資金額比較

  デイリーNKなどの反共団体が、米国CIAフロント組織の「米国民主主義基金(NED)」(*1)より提供された2009年度と2014年度の資金額を比較のため表にまとめました。

 「米国民主主義基金」の朝鮮半島地域機関への2014年度の提供額合計(206万ドル)は、2009年度の合計(135万ドル)より52.81%増加しています。朝鮮に対する敵対世論を韓国と日本で作り出せればいいとのオバマ政権の安易な東アジア戦略の表れのようです。中国の一部研究者が、『オバマ政権の対朝鮮政策を「戦略的忍耐と言うよりは無戦略のほったらかしと言うべきだ」と決めつけている』(*2)のも納得できます。

 ​

2009年度「米国民主主義基金」の朝鮮半島地域機関への資金提供額(*3)
No 団体 金額
1 NK Communications $175,000
2 Citizens’ Alliance for North Korean Human Rights $150,000
3 Free North Korea Radio Station $150,000
4 Open North Korea $150,000
5 Radio Free Chosun $150,000
6 The Daily NK $130,000
7 Network for North Korean Human Rights and Democracy $110,000
8 Database Center for North Korean Human Rights $80,000
9 Imjingang Publishing Company $75,000
10 North Korea Intellectual Solidarity $70,000
11 InterMedia Survey Institute $50,000
12 Baekdu-Halla Association $30,000
13 Young Defectors’ Alliance for North Korean Human Rights $30,000
合計 $1,350,000

  

2014年度「米国民主主義基金」の朝鮮半島地域機関への資金提供額(*4)
No 団体 金額
1 The Daily NK $360,000
2 Radio Free Chosun $310,000
3 North Korea Development Institute $210,000
4 Citizens’ Alliance for North Korean Human Rights $205,000
5 Center for International Private Enterprise $113,913
6 NK Watch $100,000
7 Democracy and Market Economy Training $100,000
8 Basic Democracy Education and Journalism Training for North Korean Citizens $95,000
9 North Korean Writers in Exile PEN Center $80,000
10 Democracy and Media Training for North Koreans $80,000
11 NK Youth Club $72,000
12 Korea Human Rights Foundation $70,000
13 Increasing Communication between North and South Koreans $62,000
14 Center for Korean Women and Politics $60,000
15 North Korea Strategy Center $50,000
16 Young Defectors’ Alliance for North Korean Human Rights $45,000
17 NAUH (Now, Action and Unity for Human Rights) $30,000
18 Network for North Korean Democracy and Human Rights $20,000
合計 $2,062,913

 

韓国の「デイリーNK」社内風景は下記の通りです。2014年度の1年間で提供された360万ドル(日本円で約4,300万円)の巨額さを感じさせます。写真の上部に、日本支局長の高英起氏らしい人物が見えます。

 

 f:id:eastasianpeace:20151102154459p:plain

デイリーNK社内風景(*5)

 

*1「米国民主主義基金(NED)」については、仏紙「ル・モンド」の「米国民主基金という名の工作機関(ル・モンド)」に記された下記記述が参考になります。

”イラン、チリ、ニカラグア等々、米中央情報局(CIA)が繰り広げた「汚い戦争」が、1950年代から何度もスクープされた。これらの事件は米国内でさえ、時にスキャンダルを巻き起こした。米国政府はその後、レーガン大統領によって米国民主基金の創設を見ることになる。この新機関はCIAより目立たないし、何よりも問題沙汰になりにくい。だが、その目的は変わらない。反政府派への資金援助を通じて、非親米的な政府に揺さぶりをかけるということだ。"

*2: 朝鮮情勢(中国側見方)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

 『宋永吉署名文章が、オバマ政権の対朝鮮政策を「戦略的忍耐と言うよりは無戦略のほったらかしと言うべきだ」と決めつけている点は、私の見方と完全に一致しています。オバマ政権の対外政策の無為無策については、中国側で厳しく論評するものが目立って増えていますが、対朝鮮政策も例外ではないようです。』

 

*3:「人権」という名の帝国主義的干渉。CIAが絡んだ資金援助が反北宣伝に|朝鮮問題深掘りすると?より

Baekdu-Halla Association 

$30,000
To build the capacity of young North Korean defectors in South Korea and to encourage them to become more engaged on issues related to North Korean human rights and democracy. Baekdu-Halla will organize an online democracy education program and offline seminars, and provide young defectors with opportunities to interact and build networks.

 

Citizens’ Alliance for North Korean Human Rights
$150,000
To bring international attention to the human rights situation in North Korea. The Citizens’ Alliance will promote awareness among South Koreans about North Korea and test methods of assisting North Koreans living in South Korea to adjust to citizenship in a democratic society.

 

The Daily NK
$130,000
To disseminate accurate and timely information about North Korea. The Daily NK will produce an online newspaper serving audiences in South Korea and in the international community. The newspaper will include news and information about North Korean human rights issues as well as developments in North Korean politics and economics.

 

Database Center for North Korean Human Rights
$80,000
To make publicly available well-organized documentation on human rights conditions in North Korea. The database will organize information from interviews as well as published and unpublished written testimonies. The Center will also publish an annual white paper and special thematic reports in Korean and English, and will carry out individualized data searches upon request for researchers, governments, UN bodies and human-rights advocates.

 

Free North Korea Radio Station
$150,000
To support the free flow of information in North Korea. Free NK will produce and broadcast a daily radio program to increase the news, information, and independent commentary available to North Korean audiences.

 

Imjingang Publishing Company
$75,000
To provide a platform for North Korean citizens to share information and opinions about North Korean culture, economics, politics, and other developments. Imjingang will produce a Korean-language quarterly magazine using materials gathered by reporters and distribute copies throughout the Korean peninsula and to Korean-speaking experts in the international community.

 

InterMedia Survey Institute
$50,000
To promote the free flow of information. InterMedia will conduct survey research documenting various dimensions of the listenership response of international broadcasting in North Korea, and provide non-governmental broadcasters with independent, reliable data about audience behaviors and preferences as an aid to making future programming and formatting decisions.

 

Network for North Korean Human Rights and Democracy
$75,000
To develop democracy education materials suitable for people raised in repressive environments; and to raise awareness of democratic ideas and values. NKnet will work closely with North Korean citizens and experts to develop and test a multimedia curriculum that is user-friendly for those born and raised in North Korea.

 

Network for North Korean Human Rights and Democracy
$35,000
To provide a forum in Seoul for discussion of the future of North Korea. NKnet will hold strategy sessions to explore effective means of promoting economic and political liberalization in North Korea.

 

NK Communications
$175,000
To support the free flow of information into North Korea. NK Communications will produce the North Korea Reform Radio program, providing daily broadcasting of news, information, and commentary designed to encourage the development of independent public opinion inside the country.

 

North Korea Intellectual Solidarity
$70,000
To facilitate the free flow of information. NKIS will produce a digital magazine containing accurate and balanced news and information and diverse views about major issues in South and North Korea and around the world. This project will be a pilot test to assess the potential impact of this approach.

 

Open North Korea
$150,000
To support the free flow of information in North Korea. Open North Korea will maintain a radio platform that enables organizations and groups in South Korea and elsewhere to broadcast information and feature programs to North Korean audiences.

 

Radio Free Chosun
$150,000
To support the free flow of information in North Korea. Radio Free Chosun will broadcast its daily program, providing news and features on the Korean peninsula, to the North Korean public via shortwave radio and will maintain a web-based archive of programming for other interested listeners.

 

Young Defectors’ Alliance for North Korean Human Rights
$30,000
To build the capacity of North Korean defector students in South Korea and to encourage them to become more engaged on issues related to North Korean human rights and democracy. YDA will organize its leadership education program to help equip defector students to serve as bridges between South and North Korea and to take an active part in civic life in a future democratic North Korea.

 

 

*4:  2014 National Endowment for Democracy Annual Report より 

Creating Independent Space through Private Markets
To educate participants in the North Korean informal markets about entrepreneurship, free markets and the linkages between economic and social liberalization. CIPE will expand and refine its digital economic library of educational and analytical materials tailored to the particular needs of the intended audiences.

Center for Korean Women and Politics
Democratic Ideas and Values
$60,000
Democracy and Leadership Program for North Korean Women
To instill democratic values and cultivate political leadership among North Korean defector women and to encourage partnership and cooperation between South and North Korean women in promoting democratic change for North Korea. The Center for Korean Women and Politics will implement a democracy and leadership program for North Korean defector women, which will also serve as a platform through which North and South Korean women can address any existent biases and misperceptions and begin to build trust among participants.

Citizens’ Alliance for North Korean Human Rights
Human Rights
$170,000
Advancing Human Rights in North Korea and Democracy Education for North Korean Defector Youth
To bring international attention to the human rights situation in North Korea and to promote awareness among South Koreans about North Korea. Citizens’ Alliance will advocate for human rights in North Korea at the UN in Geneva, organize an international conference on North Korea in Asia, and provide democratic civic education to North Korean defector youth.

Citizens’ Alliance for North Korean Human Rights
Human Rights
Supplement: $35,000
Advancing Human Rights in North Korea and Democracy Education for North Korean Defector Youth
To bring international attention to the human rights situation in North Korea and to promote awareness among South Koreans about North Korea. Citizens’ Alliance will advocate for human rights in North Korea at the UN in Geneva, organize an international conference on North Korea in Asia, and provide democratic civic education to North Korean defector youth.

Korea Human Rights Foundation
Human Rights
$70,000
Enhancing North Korean Human Rights
To build trust and engage in constructive dialogue on North Korean human rights. The Korea Human Rights Foundation will carry out a roundtable dialogue project bringing together key actors from various North Korea-related fields in South Korea to encourage inter-sectoral dialogue on enhancing North Korean human rights. It will also explore the role of international human rights organizations and regional networks such as the Asia Democracy Network in enhancing North Korean human rights.

NAUH (Now, Action and Unity for Human Rights)
Civic Education
$30,000
Engaging Youth and Defectors in North Korea Human Rights
To strengthen the leadership capacity of North Korean defector students in South Korea and encourage their engagement in North Korean human rights and democracy issues. Now, Action and Unity for Human Rights (NAUH) will carry out a series of educational and networking activities for South Korean and North Korean defector students, a leadership training program, and a public awareness campaign on North Korean human rights.

 

Democracy Education for North Koreans
To raise awareness of democratic ideas and values among North Korean citizens. The organization will provide a structured democracy and market economy education program for North Korean citizens in the region, utilizing democracy education materials that are user-friendly and relevant to those born and raised in North Korea.

NK Watch
Human Rights
$100,000
Human Rights Documentation and International Advocacy
To document human rights violations and increase international attention and pressure to address the dire human rights situation in North Korea. NK Watch will interview defectors who have experienced or are familiar with human rights violations in North Korean detention facilities, document their findings, file petitions to the UN on behalf of victims or their families, and share the information with the international community to strengthen North Korean human rights advocacy efforts.

North Korea Development Institute
Freedom of Information
Supplement: $90,000
Encouraging Democratic Reform in North Korea via Radio Broadcast
To support the free flow of information into North Korea. NKRI will produce the North Korea Reform Radio program, which provides daily broadcasts of news, information, and commentary designed to encourage reform and the development of independent public opinion inside the country.

North Korea Development Institute
Freedom of Information
$120,000
Encouraging Democratic Reform in North Korea via Radio
To support the free flow of information into North Korea. NKRI will produce the North Korea Reform Radio program, which provides daily broadcasts of news, information, and commentary designed to encourage reform and the development of independent public opinion inside the country.

North Korea Strategy Center
Freedom of Information
$50,000
Understanding Multimedia and IT Infrastructure in North Korea
To gain a better understanding of multimedia and information technology infrastructure in North Korea to improve the free flow of information inside North Korea. The North Korea Strategy Center will research and produce a report on the multimedia and IT infrastructure in North Korea and work with media organizations and technology experts to improve efforts to disseminate independent news and information in North Korea.

North Korean Writers in Exile PEN Center
Human Rights
$80,000
Radio Drama Production for North Koreans
To provide independent information and raise awareness of freedom, human rights, and democracy in North Korea through radio drama production. The North Korean Writers in Exile PEN Center will produce a weekly radio drama called “Chonbok and Mankil,” which will illustrate the lives of ordinary people in a free world as well introduce key concepts of human rights and democracy to North Korean listeners in an easy-to-understand and humorous manner.

Radio Free Chosun
Freedom of Information
Supplement: $130,000
Daily Radio Broadcast to North Korea
To support the free flow of information in North Korea. Radio Free Chosun will broadcast its daily program, which provides news and features and in-depth analyses on current affairs and issues in the Korean peninsula, to the North Korean public.

Radio Free Chosun
Freedom of Information
$180,000
Daily Radio Broadcast to North Korea
To support the free flow of information in North Korea. Radio Free Chosun will broadcast its daily program, which provides news and features and in-depth analyses on current affairs and issues in the Korean peninsula, to the North Korean public.

The Daily NK
Freedom of Information
$185,000
Daily Internet Newspaper Focusing on North Korea
To disseminate accurate and timely information about North Korea. The Daily NK will produce an online newspaper serving audiences in South Korea and in the international community and provide training to empower North Koreans working as citizen journalists and its correspondents in the Asia region. The newspaper will cover news and information about North Korean politics, economics, and society.

The Daily NK
Freedom of Information
Supplement: $175,000
Daily Internet Newspaper Focusing on North Korea
To disseminate accurate and timely information about North Korea. The Daily NK will produce an online newspaper serving audiences in South Korea and in the international community and provide training to empower North Koreans working as citizen journalists and its correspondents in the Asia region. The newspaper will cover news and information about North Korean politics, economics, and society.

Young Defectors’ Alliance for North Korean Human Rights
Human Rights
$45,000
Leadership Education for Defector Students
To build the capacity of North Korean defector students in South Korea and to encourage them to become more engaged on issues related to North Korean human rights and democracy. Young Defectors Alliance for North Korean Human Rights will organize a variety of leadership programs, including a democracy education program, an online magazine and video project, public seminars, and a debate competition, to help equip defector students to serve as bridges between South and North Korea and to prepare them to take an active part in the civic life of a future democratic North Korea.

Democratic Ideas and Values
$100,000
Democracy and Market Economy Training
To provide democracy and free market economy education and training to North Koreans who are active or potential participants in the jangmadang private markets. The project will provide multimedia education on basic concepts of democracy and critical thinking as well as hands-on free market economy experience to North Koreans who work in the private markets and who are well-placed to convey new ideas to a wider population in North Korea.

Freedom of Information
$62,000
Increasing Communication between North and South Koreans
To increase opportunities for North Korean defectors to share accurate information about North Korea, and their experiences living in democratic South Korea, with the citizens of North and South Korea. The project will include posting defector-written blog pieces and hosting online forum discussions with North and South Koreans on a variety of democracy-related issues.

Human Rights
$95,000
Basic Democracy Education and Journalism Training for North Korean Citizens
To provide a platform for North Korean citizens to share analytical information and opinions about North Korean culture, society, economics, politics, and other developments. The project will recruit North Korean citizens visiting in the Asia region, provide intensive training on fundamental concepts of democracy as well as basic writing and analytical skills, and produce a Korean-language quarterly magazine using information collected by the participants, to be distributed in the Asia region and South Korea.

$40,000
NK Youth Club
To develop democracy and leadership educational material suitable for North Korean youth. This project will develop self-study material for young North Koreans who are interested in learning about democratic ideals and values. Topics will include free-market economic principles and regulatory frameworks, the rule of law and access to justice, and the challenges of transition.

Supplement: $32,000
NK Youth Club
To develop democracy and leadership educational material suitable for North Korean youth. This project will research, test, publish and distribute self-study material for young North Koreans who are interested in learning about democratic ideals and values. Topics will include free-market economic principles and regulatory frameworks, the rule of law and access to justice, and the challenges of transition.

$80,000
Democracy and Media Training for North Koreans
To raise awareness of democratic ideas and values among North Korean citizens. The project will provide a structured democracy and media education program for North Korean citizens in the region, utilizing multimedia educational materials developed for those born and raised in North Korea.

Grant descriptions are from the 2014 NED Annual Report.

 

*5: Project Daily NK: Amplify the North Korea Info Flow | Indiegogo

アメリカCIAフロント組織から多額の資金を受ける「デイリーNK」高英起氏の差別加担

 

1)CIAフロント組織「米国民主主義基金」からの多額な資金

 

「デイリーNK」は、アメリカCIAのフロント組織「米国民主主義基金(NED)」より、毎年多額な資金を受け続けている組織です。

 2014年度は日本円換算で約4,320万円と、朝鮮半島地域の中で「米国民主主義基金」より最も多くの資金を受けていることが、「米国民主主義基金」のサイトにて確認できます。

 

2014年「米国民主主義基金」の朝鮮半島地域団体への資金提供額
No 団体 金額 円換算
1 The Daily NK $360,000 4,320万
2 Radio Free Chosun $310,000 3,720万
3 North Korea Development Institute $210,000 2,520万
4 Citizens’ Alliance for North Korean Human Rights $205,000 2,460万
5 Center for International Private Enterprise $113,913 1,367
6 NK Watch $100,000 1,200万
7 Democracy and Market Economy Training $100,000 1,200万
8 Basic Democracy Education and Journalism Training for North Korean Citizens $95,000 1,140万
9 North Korean Writers in Exile PEN Center $80,000 960万
10 Democracy and Media Training for North Koreans $80,000 960万
11 NK Youth Club $72,000 864万
12 Korea Human Rights Foundation $70,000 840万
13 Increasing Communication between North and South Koreans $62,000 744万
14 Center for Korean Women and Politics $60,000 720万
15 North Korea Strategy Center $50,000 600万
16 Young Defectors’ Alliance for North Korean Human Rights $45,000 540万
17 NAUH (Now, Action and Unity for Human Rights) $30,000 360万
18 Network for North Korean Democracy and Human Rights $20,000 240万

2014 National Endowment for Democracy Annual Report より

* 1ドル=120円にて換算

 

デイリーNKへの資金提供に関する記述は、下記の通りです。

 

The Daily NK Freedom of Information $185,000(※円換算:約2,200万円) 
 …Supplement: $175,000(※円換算:約2,100万円)

 

2014年NED追加資金の約2,100万円と、2014年末のデイリーNK日本語版サイト復刊との関係が気になります。

 

※「米国民主主義基金(NED)」については、仏紙「ル・モンド」の「米国民主基金という名の工作機関(ル・モンド)」に記された下記記述が参考になります。

 

”イラン、チリ、ニカラグア等々、米中央情報局(CIA)が繰り広げた「汚い戦争」が、1950年代から何度もスクープされた。これらの事件は米国内でさえ、時にスキャンダルを巻き起こした。米国政府はその後、レーガン大統領によって米国民主基金の創設を見ることになる。この新機関はCIAより目立たないし、何よりも問題沙汰になりにくい。だが、その目的は変わらない。反政府派への資金援助を通じて、非親米的な政府に揺さぶりをかけるということだ。"

 

 2)デイリーNK高英起氏の印象操作、対象者を曖昧にした差別加担

 

その「デイリーNK」の高英起氏が、2015年7月24日にFacebookで、下記の通り投稿しておりました。

 

  f:id:eastasianpeace:20151028233432p:plain

 
どの学校の卒業生にもおかしな人はいると思いますが、一部の人の発言を具体的に取り上げることもなく真偽も確認できないような状態で、さも朝鮮学校コミュニティ全体の人権意識を代表するかのように書いてます。

上記投稿は、朝鮮学校コミュニティが差別意識を持っているとの印象を日本人に抱かせて、日本政府の差別政策を黙認させることを目的にしているのでしょう。

 

高英起氏は、2010年3月には朝鮮学校への高校無償化適用に反対する記者会見を開き、日本政府の差別政策に加担しました。今はあからさまに表現せず、狡猾に印象操作を行っているようです。

  f:id:eastasianpeace:20151028234024p:plain

 

さらに高英起氏は、10月21日と23日のFB投稿にて下記の通り記しました。 

 

   f:id:eastasianpeace:20151028233217p:plain

   f:id:eastasianpeace:20151028232843p:plain

 

「在日界隈の許されない差別発言」、「(差別発言をした)名前は明かしませんが、在日コリアン」との言葉を見ると、ある日本人の差別発言から、「日本人界隈の許されない差別発言」、「(差別発言をした)名前は明かしませんが、日本人」と高英起氏は記すのだろうかと思います。
 
なぜ、差別的な言動をした本人に直接批判したり、名前を上げることなく、「在日界隈」、「朝鮮学校OB(現役も)」などと記すのでしょうか。
差別発言をした当人やその周辺の人たちが発言について知れば、その中で批判や議論が起こり、差別の問題を考え人権意識を高める契機となるはずです。

投稿内容とは逆に、高英起氏は在日朝鮮人の中で差別発言が発せられることを望み、当人に気づかれないように投稿を覗き見しながら対象者を曖昧に書くことで、在日朝鮮人社会や朝鮮学校関係者を貶め、在日朝鮮人への差別加担を行い続けたいのでしょう。

 

批判的な質問にはブロックして答えず、幼稚な揶揄を繰り返すことも、在日朝鮮人社会の人権意識を批判的に考察した「在日本朝鮮人人権協会」の真摯な取り組みとは真逆な姿勢に思えます。

 

왜 박유하 『제국의 위안부』는 우파에게 받아들여지는가

 이미 올라탄 버스이기도 하고 비판을 시작한 사회적 책임도 있어서 지금 전면적으로 『제국의 위안부』를 재검증하고 있는데, 이 책에는 아직도 셀 수 없을 정도의 오류가 존재한다. 과장이 아니라 매일 어떤 형태로든 오류가 발견된다. 내가 지금까지 써온 것조차도 본서의 오류의 극히 일부에 지나지 않는다. 이시바시 탄잔(石橋湛山) 기념 와세다 저널리즘 대상 문화공헌 부문 대상을 수상한 모양이지만, 또 다시 이러한 책이 계속해서 학술・논단 관련 상을 획득한 것에 어이가 없을 뿐이다.

 

 그런데 이시바시상 수상 이유로 호밧 앤드류는 『제국의 위안부』는 “많은 일한 양 국민이 품고 있는 ‘허위’에도 혹독하다”고 기술하고 있다. 박유하 자신도 자신의 저서(그리고 자신)에 대해 좌파도 우파도 비판했다고 언급하고 있고, 한국어판에만 있는 후기에서도 한겨레 신문 기자가 『화해를 위해서』를 “일본 극우의 찬사를 받았다”고 쓴 것에 격노하고 있다(318쪽).

 

 하지만 『제국의 위안부』에 관해서 말하면, 일본의 우익에 대한 비판은 전혀 ‘혹독한’ 것이 아니며, 오히려 우파의 찬사를 얻고 있다는 평가는 완전히 틀렸다고 할 수 없는 것 같다. 아시아태평양상 특별상 선고위원은 명백히 우파이고, 박유하를 칭찬하는 오사다 다쓰지(長田達治) 등도 마찬가지다. 그 외에도 예를 들면 하타 이쿠히코(秦郁彦)는 다음과 같이 썼다.

 

필자는 『위안부와 전장의 성(慰安婦と戦場の性)』(新潮選書, 1999) 등에서 제2차 대전부터 베트남 전쟁에 이르기까지 한국을 포함한 참전 각국이 위안부를 이용했던 사실이 있으며, 그녀들은 공창(매춘부)이라는 직업의 전장 버전에 지나지 않으며, 일본군 위안부만 비판의 대상이 되는 이유는 별로 없다고 반론해 왔다.

  의외로 필자와 유사한 이해를 보인 것은 한국 세종대학교의 박유하 교수이다. 그런데 강제연행이나 성노예설을 부정하고 “한국군, 주한미군의 위안부의 존재를 무시하는 것은 위선”이라고 지적한 그녀는 위안부 지원 조직으로부터 ‘친일적’이라고 해서 기소되었다.

 구마가이의 책[『慰安婦問題』(筑摩新書)를 말함]은 요시미와 하타=박유하의 중간적 입장을 취하지만, 논쟁의 경과나 쟁점을 보기 좋게 정리해 주었기 때문에 개설서로서는 최적이다. 다만 ‘페미니즘에 의한 도전’이라는 관념론에 기울어 한국 등의 반일 내셔널리즘에 압도되기 쉬운 현실에서 눈을 돌리고 있는 것은 아쉽다.(『週刊文春』, 2015년 5월7・14일, 골든위크 특대호[57권 18호], 146쪽)

  “하타=박유하”라고 쓸 정도로 『제국의 위안부』는 자신“과 유사한 이해”라고 생각하고 있는 것이다. 나는 하타 이쿠히코의 『제국의 위안부』 이해는 결코 잘못된 것이 아니라고 생각한다. 박유하의 업자 주역설을 비롯한 일본군 ‘위안부’ 제도 이해는 하타 이쿠히코와 대단히 닮아 있다. 일본군 책임 부정론자에게는 박유하의 주장은 도움이 되는 것이다. 더욱이 ‘묵인’ ‘수요’의 책임은 있다고 한 레토릭으로 책임을 인정한 듯한 장식까지 하고 있으니 대단히 편리하다.

 다만 우파가 『제국의 위안부』를 수용하는 이유로서는 이러한 적극적인 이유(스스로에게 이용가치가 있다)뿐만 아니라 소극적 이유, 즉 박유하의 우파 비판이 우파에게 아무렇지도 않다는 사실을 들지 않으면 안 될 것이다.

 

 박유하는 『제국의 위안부』 제3부 제1장 「부정론자를 뒷받침하는 식민지 인식」에서 ‘위안부’ 부정론자에 대한 ‘비판’을 행하고 있다. 구체적으로는 (1)여성들은 자발적으로 돈을 벌러 갔던 창부이지 강제연행 같은 것은 없었다, (2)군대는 여성들을 보호하려고 했다, (3)위안부는 당시에는 합법이었다, (4)전쟁터의 위안부들은 도저히 ‘성노예’로 보이지는 않았다는 네 가지 주장에 대한 ‘반론’을 시도하고 있는데, 이것이 전혀 ‘반론’이 아니다.

 

 애초에 ‘부정론자’라고 할 뿐, 부정론자는 구체적으로 제시되지 않았으며, 불과 제4절에서 오노다 히로오(小野田寛郎) 「내가 본 종군위안부의 정체(私が見た従軍慰安婦の正体)」(『WiLL』, 2007년 8월호 증간), 스와 기요시(諏訪澄) 「‘종군위안부’에 휘둘린 NHK」(위와 같음), 기무라 사이조(木村才蔵) 「위안부 문제를 논파하다!(慰安婦問題を斬る!)」(『国体文化』, 2007년 5월), 일본의 전도와 역사교육을 생각하는 젊은 의원의 모임 편 『역사교과서에 대한 의문: 젊은 국회의원에 의한 역사교과서 문제의 총괄(歴史教科書への疑問――若手国会識員による歴史教科書問題の総括)』이 제시되어 있는 데 그친다. 더욱이 마지막의 『역사교과서에 대한 의문』은 일본군 ‘위안부’ 문제에 관한 기술에 대한 반론이 아니다. 상대를 특정하지 않는 비판이라면 그다지 아프지는 않을 것이다.

 

 그리고 가장 큰 문제는 ‘반론’의 논리이다. 상세한 것은 다음 기회에 논하기로 하고, 결론부터 말하면 박유하의 반론은 기본적으로 상대의 주장을 완전히 인정하고 사실관계에 대해 논쟁하지 않고, 그 ‘관점’의 레벨에서 승부하려고 하는 것이다. 말하자면 상대의 링에 전면적으로 올라선 ‘반론’이라고 할 수 있다.

 

 예를 들면, ‘여성들은 자발적으로 돈을 벌러 갔던 창부’라는 주장에 대해 바유하는 확실히 자발적으로 간 창부였지만, 그렇게 만든 ‘구조’가 문제라고 되받아친다.

 

그러나 설령 ‘자발적’으로 간 것처럼 보이더라도 그것은 표면적인 자발성에 지나지 않는다. 그녀들로 하여금 ‘천한 직업’이라 불리는 일을 선택하게 만든 것은 그녀들의 의지와는 무관한 사회구조였다. 그녀들은 그저 가난하거나 식민지에서 태어났거나 가부장제가 강한 사회에서 태어난 탓에 자립 가능한 다른 일이 가능할 정도의 교육(문화자본)을 받을 기회를 얻을 수 없었다.(229-230쪽)

  ‘그녀들’이 ‘자발적’으로 간 것, ‘천한 직업’을 ‘선택’한 것을 인정해 버리는 것이다. ‘강제연행’의 개념이 자의적으로 축소되어 있다는 지적도 없고, 사실 관계에 이르면 전혀 논쟁하지 않는다. 그런 후에 ‘선택’하게 만든 것은 “의지와는 무관한 사회구조였다”고 ‘반론’한다.

 

 당시에는 ‘합법’이었다는 주장에 대해서도 마찬가지다. 

 

위안부들이 설령 위안부가 되기 전부터 매춘부였다고 하더라도 그것은 이미 중요하지 않다. 조선인 위안부라는 존재가 식민지 지배 구조가 낳은 것인 한, ‘일본의’ 공창 제도―일본의 남성을 위한 법에 식민지를 편입시킨 것 자체가 문제인 것이다. 위안소 이용이 ‘당시에는 인정되었다’는 주장은 ‘조선인 위안부’ 문제의 본질을 보지 않은 말에 지나지 않는다.

 확실히 합법이었다, 하지만 그것은 남자들이 만든 ‘법’이었다는 ‘반론’이다. 이토록 당시의 조약이나 법률에도 위반되었던 사례가 소개되고 있음에도 불구하고, 곧바로 합법이었다는 것을 인정해 버린다. “늦은 감이 있더라도 과거의 어떤 일을 ‘옳지 않은 것’이라고 새로이 인식하는 것이 중요”하다는 지적은 얼핏 좋은 말을 하는 것처럼 들린다. 하지만 합법성이 문제가 될 때에 상대의 주장을 인정한 후에 “위안소의 이용을 상식으로 보고 합법이라고 하는 생각에는 그 상황에 대한 수치의 감각이 존재하지 않는다”는 등의 윤리 차원의 논점을 반복하는 것은 단순한 도피일 것이다.

 

 식민지 지배는 ‘선정’이었다는 주장에 대한 반론도 전개하고 있다.

 

식민지 지배의 내실이 실제로는 통치였다고 강조하는 사람도 일본에는 많다. 하지만 설령 상대적인 ‘선정’이 있었다고 해도 그것은 어디까지나 체제에 저항하지 않는 사람들에 한한 것일 수밖에 없었다. 반대로 말하면, 일본의 통치가 ‘온건’했던 것은 일본국가에 대한 복종이 전제가 되었던 공기 속에서의 일이었다. 법률을 만들어 정신대를 합법적으로 동원할 수 있게 하면서 ‘위안부’는 그렇게 하지 않은 것은 그것이 식민지에서의 온건 통치의 임계가 파괴되는 것이었기 때문이다. 마찬가지로 식민지가 아니라 전쟁터에서 앞의 소설에서와 같은 일이 있을 수 있었던 것은 거기가 ‘국가’(법률체계) 바깥의 공간이었기 때문이다. 즉, 거기는 이미 일상을 유지하는 법을 작동시키지 않아도 되는 공간이었다.(225쪽)

 식민지 통치에 복종하는 사람들에게는 확실히 선정이었다고 한다. 아직 또 있다.

 

 도저히 ‘성노예’로는 보이지 않았다는 주장에 대해서는 그것은 그녀들이 힘껏 ‘국가’에 몸바치려고 했기 때문이다, ‘애국’하려고 했기 때문이라고 ‘반론’한다.

 

  그녀들은 자신들에게 부여되었던 ‘위안’이라는 역할에 충실했다. 그녀들의 미소는 매춘부로서의 미소라기보다 병사를 위안하는 역할에 충실한 ‘애국 처녀’의 미소였다. 설령 “병사나 하사관을 눈물로 호소하여 규정 요금 이상으로 돈을 가로채는 거센 여자”(같음)가 있었다고 하더라도 병사를 ‘위안’하기 위하여 식민지 지배하의 그녀들을 필요로 한 주체가 그녀들을 비난할 수는 없을 터이다. 그리고 그렇게 거세지 않았다면 낮에는 세탁이나 간호를, 밤에는 성의 상대를 하는 가혹한 중노동 생활을 견뎌낼 수는 없었을 것이다.

 

식민지인으로서 그리고 ‘국가를 위하여’ 싸우고 있다는 대의명분을 가지는 남자들을 위하여 몸바쳐야 하는 ‘민간 투사’ ‘여자’로서 그녀들에게 허락된 긍지―자기존재의 의의, 승인―는 “국가를 위하여 일하는 병사들을 위로하고 있다”(木村才蔵, 2007)는 역할을 긍정적으로 내면화하는 애국심밖에 없었다. “내지는 물론 조선, 타이완에서 전지 희망자가 끊이지 않았다”(같음)고 한다면, 그와 같은 ‘애국’을 다름 아닌 일본이 식민지인에게까지 내면화시킨 결과일 수밖에 없다.(232)

 여기에서도 과거의 병사 측의 일방적인 추억을 다른 사료에 의해 비판적으로 상대화하는 작업 같은 것은 시도하려고 하지도 않고(센다 가코千田夏光의 책만 해도 반론할 수 있는 증거는 수도 없이 끌어낼 수 있다), 확실히 그렇다, 하지만 그것은 그녀들이 충심으로 ‘애국’하려고 했기 때문이라고 인정하고 마는 것이다. “전쟁터에서의 병사들의 성행위는 죽음이라는 비일상을 강요당하면서 ‘일상’을 회복하려고 하는 애달픈 욕망의 표출이기도 하여 덮어놓고 비난할 수는 없다”(233)고 분별력 있는 태도를 취하면서.

 

 나는 이 책의 핵심이 되는 테제의 하나인 조선인 ‘위안부’는 ‘애국’적 존재였다는 주장은 전혀 증명되지 않았다고 생각한다(센다도 그러한 주장을 하지 않았다). 하지만 박유하는 사실관계나 증언, 사료와 진지하게 마주하지 않은 채, 스스로가 떠올린 도식에 기초하여 우파의 주장을 사실인식의 레벨에서 전면적으로 인정한 후에 “그녀들이 그러한 장소까지 가서 일본군과 함께 있었던 것을 일본의 애국자(위안부 문제를 부정하는 일본인 중에는 애국자가 많은 것 같다)들이 비판하는 것은 모순되었다”(232)고 하는 ‘애국자’로서의 수미일관성만을 문제시한다. 박유하의 우파에 대한 ‘반론’은 하나부터 열까지 이러한 식이다. 이러한 탁상의 터무니없는 ‘비판’이 우파의 위협이 될 리가 없다. 우파에게 『제국의 위안부』의 비판 따위는 아무런 영향도 미치지 못할 뿐만 아니라 사실관계에 대해서는 우파의 인식을 전면적으로 긍정해 주므로 오히려 도움이 된다고까지 할 수 있다. 『제국의 위안부』가 우파에게 받아들여지는 것은 당연할 것이다.

 

(정영환)

 

원문: なぜ朴裕河『帝国の慰安婦』は右派に受け入れられるのか